大キレット越え~槍穂縦走(2)
9/21 穂高岳山荘~北穂高岳~槍ヶ岳山荘~殺生ヒュッテ
(前回の続き)
2時半起床、4時半出発。まだ夜明けは遠いが月明かりに照らされてうっすらと山並みが見える。風が冷たい。ニット帽をかぶり、手袋をして出発。ヘッドライトの明かりを頼りに唐沢岳に登る。そしてその山頂から大キレットを越える岩稜の縦走が始まる。ヘッドライトの明かりも届かない闇の中へ鎖を頼りに下りてゆく。
やうやう白くなりゆく山際すこしあかりて、そこに富士山。
足元がはっきり見えるようになり、ヘッドライトを消す。ホッと一息。闇の中、細い急な岩稜を下るのは本当に不気味だ。
ほのかな明かりを提供してくれた月が沈んでゆく。
そして、反対側から日が登る。
切れ落ちた険しい岩尾根が続く。岩が濡れているときは歩きたくない。鎖がなければかなりの難コースだろう。
足場として岩の随所にボルトが打ってあるが、これが滑ってけっこう怖い。
日が当たらぬ深く険しい岩の谷間。鳥も通わぬ滝谷だ。本当に鳥の声も聞こえず静まり返っている。
前穂北尾根の全体が見渡せる。ここから見ると5・6のコルに上がるルートさえ厳しく見える。
緊張する岩稜から一瞬解放される。唐沢へ続く南稜ルートの分岐だ。北穂高岳はもう目の前。
北穂高小屋で休憩。こんなところにどうやって建てたんだ?と思わせる小屋のテラスからの景色は絶景。日本の景色のテラスじゃないだろうか。
さて、北穂高岳からまた鎖を交えた急な下り。およそ、ピークの南側の傾斜が緩く、北側が急になっているようだ。
ボロボロの逆層の岩場を下ってゆく。鎖が少ないので、滑らぬように慎重に。
ナイフの刃のように両側が切れ落ちた稜線を、へばりつくように人が登っている。大キレットの難所の1つ飛騨泣きだ。
下ってきたルートを振り返る。難しくはないが、落ちたらただではすまない。さて、人が増える前にさっさと飛騨泣きを越えよう。
(次回に続く)
険しい道、はっきり写真にとれてますね。
僕が登った時はそこまで余裕なかったです。
しかし、日の出前からのアタックはさすがです。
連休で、槍ヶ岳のサイト場に早く着きたかったので、暗闇の中出発しました。
でも、日の出前の岩稜はあまり気分のいいものではないですね。