静寂の尾根の人跡をたどる~ハンノキ尾根から六ツ石山(1)

2/27 境橋~沖ノ指山~六ツ石山~奥多摩駅

東京都のコロナの感染者は1日1万人を超え、どうしようもないことになっている。3回目のワクチン接種を完了したので、山に行きたいが、オミクロンに対するワクチンの感染予防効果は60%くらいらしい。

そこで、昨年の花折戸尾根~川苔山(「落ち葉積もる花折戸尾根、鋸尾根」)のように、できるだけバスに乗らず、さっさと登ってさっさと下れる、そしてちょっと面白そうな山を探す。
奥多摩の山と高原地図を広げ、奥多摩駅周辺の尾根を1つ1つ目でたどる。おっ、六ツ石山から奥多摩駅のほうに延びる尾根があるぞ。「ハンノキ尾根」とある。ルートは薄い点線。おそらく作業道があるだろう。ここから六ツ石山に登って、石尾根から奥多摩駅に直接下ろう。

6時前、夜明けの地平線に鎌のような月がギラリと光る。2月の朝だが、風がないので寒くはない。
新宿発のホリデー快速奥多摩は、座席がちょうど埋まるくらい混んでいる。コロナは怖いが山にも行きたい、ということだろう。

奥多摩駅から丹波行のバスに乗り、5分くらいして境橋で降りる。

20220227 境橋バス停

境橋の橋の上にある境橋バス停。こんなところで降りるのは私だけかと思ったが、もう一人降りた。
登山口は、進行方向に見えるトンネルの手前の細い道を右に入る。一緒に降りた人は反対方向へ歩いて行った。

20220227 ハンノキ尾根登山口

道なりにちょっと行くと、左から2本の道が合流する。ちょっと迷ったが、振り返って、一番右の坂道を上る。

20220227 ハンノキ尾根登山口の道標

石垣の上に六ツ石山を示す道標発見。水根からの登山道に合流するまでの、最初で最後の道標だった。

20220227 廃線の鉄橋をくぐる

雪が残る道を登っていく。廃線となった小河内線の橋梁をくぐる。

20220227 ハンノキ尾根の家屋

石垣で固められた道が続く。ぽつぽつと民家にであう。人の気配はなく静寂につつまれている。しかし、家屋は手入れがされているようできれいだ。道のわきには、コンクリートの電柱も立っている。
山道をたどらなければならない場所に、まだ住んでいる方がいるのだろうか?

うっかり電柱について行って遠回りをしてしまった。道はいくつか枝分かれしているが、高いほう行けばだいたい正解。

20220227 植林の道を行く

石垣の道が終わると、奥多摩らしい植林の道になる。
汗をかいてきた。冬でも晴れて風がなければ暖かい。ウインドブレーカーを脱いで、フリースで歩く。

20220227 雪の上の鹿の足跡

鹿か、カモシカか。

20220227 モノレール

森を抜け、緩やかな斜面の開けた場所に出た。果樹園のような感じ。
雪の上には複数の足跡がある。ここまで通っている人がいるのだろうか。
道らしきものは、モノレールを越えて続いている。

ただ、道らしきものはいくつか枝分かれして、足跡も錯綜している。それも不明瞭になり、深い雪に潜ったり、泥で滑ったりしながら、地図で現在地を確認しながら進む。思ったよりペースが上がらない。

20220227 ハンノキ尾根最後の家屋

鹿よけネットにぶつかり、それに沿って登っていくと家屋があった。標高800mくらい、これが最後の家屋だった。人が暮らしていたのはここまでのようだ。道形も完全に消えてしまった。

南西に進路を変えて、ずぼずぼ雪にはまりながら、イソツネ山の尾根との合流点を目指して登る。

20220227 イソツネ山尾根の手前

一瞬、どこからか現れた雪上のトレースと合流するが、雪がなくなると同時に消える。どこがルートだかさっぱりわからない。でも目指すイソツネ山の尾根との合流点は、目の前のぴょこだ。ここからまっすぐ登るだけだ。

20220227 クマの足跡

おお、でかい!熊だ。

20220227 ハンノキ尾根の山ノ神

尾根に上がって、少し進むと山ノ神。イソツネ山から登ってくる人がいるようで、人の足跡が増えた。

20220227 ハンノキ尾根から南を眺める

南側の景色も見えてきた。

20220227 木立が薄いところは雪がない

木立が薄いところは雪がない。雪がないと道形がはっきりわかる。左が沖ノ指山へのルート、右側は沖ノ指山をトラバースして巻くルート。せっかくなので左へ行く。

20220227 沖ノ指山山頂

沖ノ指山山頂。森の中の岩の出っ張り。ここまでくると、岩の間に詰まった雪が凍っている。山頂から慎重に下る。

20220227 ハンノキ尾根反射板

尾根はだんだん広くなり、完全に雪尾根となる。切り開かれているので防火帯だろうか。トレースは3つほどあるが、ちょっと斜度があると崩れて歩きにくい。
そして反射板現る。

20220227 ハンノキ尾根の反射板から奥多摩湖を眺める

反射板の横に立って、まっすぐ小河内ダムを見下ろす。あのどこかに、ここからの電波を受けるアンテナがある。

次回に続く)

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