人生で一番大切なこと~アルゼンチン、パタゴニアの旅(1)
1/16 成田~アムステルダム
戦略コンサルタントとという仕事をしていると、「へ~、すごいですね」とか、目を輝かせた若い人から「どんなお仕事かぜひ聞かせてください」とか言われたりする。
実際、この仕事につくまでは、大企業のお偉いさんを相手にする、すごい仕事だと思っていた。
確かにすごい仕事である。
クライアントには、嫌とは言えない。クライアントに嫌われたら次の仕事がないので、クライアントがいいと言うまで、報告書を書き直す。仕事がないと稼ぎがないので、いわゆる「オン・ザ・ビーチ」状態になって、クビの危機が迫る。挙句の果て、徹夜もいとわず、月100時間以上の時間外労働になったりする。残業代は出ない。よって、時給は大したことはない。
クライアントと会社の奴隷である。(注:これは個人の感想です。)
私は、中途半端で投げ出すことが嫌いな性分なので、2年間はきっちり働いてきた。
でも、やめだ。 辞めだ、辞めだ!
もう、奴隷生活は嫌だ。私は、自由を愛するさすらいのサラリーマンなのだ。このままでは、体も心も壊れてしまう。
そう、会社を辞めて旅に出よう。
人生で一番大切なことを思い出すために。
2週間ほど時間がある。どこに行くか迷ったが、時間があるときは、大好きな南米に行きたい。そうだ、およそ10年前、初めてパタゴニアを旅した時に(「ブエノスアイレスへGO!」)やり残したことがある。それをかなえに行こう。
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まだ薄暗いうちに起きて、昨日つくったカレーを温め、腹ごしらえ。
南米は夏真っ盛りなので、ギリギリ寒くない服装で成田空港に向かう。
最初の目的地は、アルゼンチンのエル・チャルテン。ほぼ地球の真裏。まずは、オランダのアムステルダム空港へ、そしてトランジットして、アルゼンチンの首都、ブエノスアイレスへ向かう。
今日の飛行機は、KLM。南米はいつも北米経由だったが、初めてのヨーロッパ経由。
そして、KLMは、荷物がセルフチェックインだった。すすんでる~、と思ったが、うまく行かず係員のお世話になる。
そして、旅はここから始まる。
外国人旅行者の増加で、成田空港を利用する人は目に見えて増えている。しかし、荷物検査などのインフラも増強されているようで、さっくりと手続をすますことができた。
KLMの搭乗ゲート。
ここに来る途中にドトールがあり、搭乗前にどうしてもコーヒーが飲みたかったので、3人くらい並んでいる列に並んだ。しかし、店員の手際が悪く10分たっても順番がまわってこない。あきらめて、搭乗ゲートに来た。店員の手際の悪さに、すでに気分は南米。
ZONEごとに搭乗するのにもすっかり慣れた。どうせ私はいつも一番最後だし。
機体は777。足回りが787ドリームライナーより広い。よかった。
離陸した飛行機は、成田空港の上空を一周する。眼下には成田空港。初めて見る景色。
すっきりとした晴天で、窓からの陽射しが痛いくらいだが、子供のように窓に張り付いて外を見る。
中禅寺湖上空。湖を囲む稜線がよくわかる。富士山みたいな山は、男体山。
ここから、地上は雲に覆われてしまった。
1回目の機内食。ランチ。
まあまあ、悪くない。ふつーにハンバーグがおいしい。サラダも、シャキシャキしてておいしい。
日本海に抜け、ウラジオストックの北方からロシアの上空へ。そして、橇に載せられて走った懐かしのアムール川(「-39℃、最果ての地、北極村へ」)を渡って、いわゆるシベリアへ。ほぼまっ平らな大地に、蛇行する川が無数に流れている。
2時間ほどうとうとした。
シベリアの大地に夕日が沈む...と思いきや、地平線ギリギリにいた太陽がまた昇りだした。
そう、この路線は西回りの昼便なのだ。
夜がないまま朝。
ノルウェー上空。森に覆われた平原(これがノルウェーの森?)のところどころに、ポコポコと雪の丘がある。氷河で侵食された残りの地形か?
あの丘でスキーをしたら気持ちよさそうだな。
朝食(昼食かもしれない)は、トマトソースのペンネ。やっぱりまあまうまい。サーモンが添えられているサラダもうまい。パリパリのパンもうまい。朝から白ワインも飲んじゃうぞ。
見直したぞ、KLM。
15時半、アムステルダム空港到着。12時間くらい乗ってたかな、ちょっと疲れた。
混んでいるセキュリティーを抜け、トランジットのため搭乗ロビーに。
そこは、天国だった。
なんと、味気ない椅子ではなく、ソファーやら寝椅子やらが、ゆったりと置かれている。ここで6時間過ごさなければならないのでありがたい。飲み物を片手に、寝椅子に横たわりながら、ネットサーフィンをして時間をつぶす。
お土産屋さんには、私の好きなチーズがいっぱい。
フードコートで、ミートパイみたいなものとビールを飲んでご機嫌。
最高だな、アムステルダム空港。
眠い、搭乗直前に寝落ちしそうになるが、必死にこらえる。12時間のフライトで2時間しか寝ていないので、ほぼ徹夜。ビールも飲んじゃったし。でもこれも作戦のうち。
21時、無事にブエノスアイレス行の飛行機に搭乗。
アムステルダムの夜景を眺めつつ...徐々に意識が遠くなる。
ガチャガチャというワゴンの音で目が覚める。夕食のようだ。
これもまあまあうまい。サラダがメインより大きい。今まで食べた機内食で最大だ。
食事を終えるなり爆睡。
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…