シーズンクローズは針ノ木岳へ~針ノ木岳往復
5/3 扇沢~針ノ木雪渓~マヤクボ沢~ヤマクボノコル~針ノ木雪渓~扇沢
GWは双六岳に滑りに行くつもりだったが、山から届く便りは、「雪がない」。
他の山も調べてみたが、どこも「雪がない」。まったくどうしたものか。
苦労して双六岳に行って雪がなかったら泣けるので、雪があまりなくても泣かないところに行こう。
ということで、アプローチがよい扇沢から蓮華大沢を滑ろう。
6時起床、快晴。
扇沢の駐車場で車中泊。シュラフを出ると肌寒く、ジャケットを羽織る。しかし、車から外に出ると陽ざしは暖かい。
周囲には雪はなく、ぶち猫のように山の雪はまだら模様。
GW後半初日なので人が多いかと思ったが、まだ駐車場には空きがあり、バス乗り場の列も以前の11月ほどではない。まだ海外からの旅行者が少ないからだろうか。
扇沢の登山口に建っているテントにいる人に、計画書を渡す。
以前針ノ木岳に登った時には(「ラストスキー@針ノ木雪渓マヤクボ沢」)、はこの裏から沢に入ってすぐにシールで登った。しかし、今は全く雪がない。
夏道をたどって歩く。登山道に入ると、ザックに括りつけたスキーが木の枝に引っかかって、体を右左に傾けて避けないと歩けない。
沢への降り口がわからぬまま、夏道の登山口。このまま夏道を行く。
相変わらずスキーが木に引っかかり、腰をかがめたり後退りしたり疲れる。スキーも重く体が左右に振られる。
既に汗だく。
夏道から眺める蓮華大沢。雪が少なく滑れるかちょっと不安な状況。ここで、蓮華大沢をやめてバックアッププランのヤマクボ沢から針ノ木岳とする。
大沢小屋の手前の赤沢には雪が詰まっていた。これを下って針ノ木谷に下りる。夏道を行ったため、予定より1時間以上ロス。
右岸には下から続くトレース。やっぱりどこかで沢に下りれた。シールを付けて雪渓を登り始める。
砂防ダムを巻くルートにはしっかり雪があって越えられた。砂防ダムの下には水流が見えている。
針ノ木雪渓に沿って、ぼちぼち登山者。15、6人くらいかな。
緩やかな、しかし、デブリに覆われ、小石が散乱する雪面を黙々と登る。肩が痛い。トレランばかりしていたから、肩が弱くなってる。
途中、ちょっと急な斜面も、雪面がいい具合に緩んできてシールで難なく登る。
再び傾斜が緩み、開けた場所に出る。ここがヤマクボ沢の出合。
気温が高く、スキーについた雪がどんどん融ける。
ヤマクボ沢の出合でザックを下ろして休憩。シールをはずしてアイゼンを履く。
ここからコルに向かって急な斜面を行く。
先行者のトレースが階段のようになっているので、歩くのは楽。でもスキーを付けたザックが肩に食い込む。苦行だ。肩をかばっていたら首と腰も痛くなってきた。
振り返ってみる。急斜面をだいぶ登ってきたな~。歩いて下りたくないほど急だな~。
見上げれば、太陽に傘、彩雲。
傾斜が緩んでひと登りで、ヤマクボのコル。前回は針ノ木の左側のコルへ登ったが、今回は残る雪をつないだら、右側のコルにでた。
残雪の立山や剣岳を眺める。あっちに行きたいな...。
風が弱く陽ざしが暖かい。しかし、気温は低いので冷えないようにジャケットを羽織る。
こんなところにテントを張っている人々がいる。
針ノ木岳の山頂へは夏道がでていた。夏道を兼用靴で行くのも面倒なので、下ることにする。
さて、スキーを履いて、登ってきた斜面をのぞき込む。
出だしはかなり急。30度近いかな。でも雪はいい具合に腐っていて、雪崩の心配もないので、思い切り飛び込む。
大きなターンを描きながら、きれいな雪面をめざして、やや右へ。
最高だがや。
いつまでも続いてほしいオープンバーン。
下るにつれて、だんだん雪が板に引っかかるようになり、さらにデブリでぼこぼこしてくる。おまけに岩が頭をだしているところも。
正午を過ぎているが、登ってくる登山者がいる。注意しながら出合へ。
ヤマクボ沢出合直下の急斜面を滑る。まだここはそれほど悪くない。
どんどんデブリが多くなり、雪面には小石や小枝が散乱している。雪面が荒れていてスキー板が可哀そう。
でも、先行者のボーダーが、板をずらしながら滑り雪面をならしてくれているので、ボードのトレースをたどれば平らで小石も少ない。
障害物をよけながら、水の音に近寄らないようにしながらひたすら下る。
そこかしこに底雪崩。
あっという間に赤沢の出合。
そこそこ楽しかった。山よありがとう。
登りはここまで夏道を使った。しかし、右岸に幅1mもない細いトレースがあり、それを使えば滑って下りていけそうだ。スキーを履いたまま、トレースにはまってジェットコースターのように滑り下りる。
2、3分で終了。雪がなくなりスキーを背負う。砂防ダムの工事用と思われる道に会う。
スノーブリッジで対岸に渡ると、完全に雪がない。そしてそのまま道をたどれば、扇沢に続く道路に合流する。
例年であれば、道路わきの雪の下からフキノトウが頭を出していて、それを採りながら戻る。でももう雪はなく、フキも育ってしまっている。
源泉かけ流しの「上原の湯」で汗を流して、帰途につく。
(針ノ木雪渓スキー、完)
参考:
地図
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赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…