奥秩父の雄、甲武信ヶ岳~柳沢峠から甲武信ヶ岳(3)
10/25 笠取小屋~古礼山~雁坂峠~破風山~甲武信岳~西沢渓谷入口
(前回の続き)
立ったりしゃがんだり、跳ねたり跳んだりして、岩がボコボコした急坂を下りきり、破風山と甲武信ヶ岳の鞍部に下り立つ。
たおやかな笹原がまた戻ってきた。
この絶景のロケーションに、破風山避難小屋が建っている。
この小屋に泊って、夕暮れの富士を見ながら一杯やったら最高だろうな~。
小屋は、きちんと管理されていて、中はとてもきれい。薪ストーブもある。
縦走では、下ったら登るのが物の通り。甲武信ヶ岳めざして登り返す。
眺めの良いところで足を止め、景色を眺める。ここは賽の河原と呼ばれるところかな。
朝の5時過ぎに出発して既に5時間、さすがに長い登りはちょっと疲れる。
登り切って、針葉樹とシャクナゲの森に入ると、戸渡尾根の分岐。未知の区間終了。楽しかった。
ここからは、沢登りやなんやらで何度も来たことのある、よく知ったルートになる。
この分岐から急に登山者が増える。
正面には、ピラミダルな甲武信ヶ岳。その前に、甲武信小屋のある鞍部へ大きく下る。まだ登り下りがあったか、忘れていたよ。
甲武信小屋。
コロナ禍のもと、密になりがちな山小屋を運営するのは本当に大変だと思う。ご苦労様です。
ひと登りで、甲武信ヶ岳山頂。
人は全然いない。それは、なぜか山頂だけ冷たい強風が吹いているから。多くの人が、山頂の手前の樹林帯との境目で休憩してる。
帽子がとばされそう。風の当たる頬が痛い。
素晴らしい山頂だ。
奥秩父の最高峰は、北奥千丈岳、2601m、全然パッとしない山。金峰山、国師ヶ岳はそれぞれ、2599m、2591m。甲武信ヶ岳はこれらより低い、2475m。甲武信ヶ岳は、標高ではこれらの山々に負けるが、奥秩父のど真ん中のロケーション、山頂からの展望や端正な山の姿から奥秩父の雄と言っても過言ではない。
ああ、白根三山、そしてバットレスが見える。また行きたいな...(「バットレス・リターンズ」)
縦走路は国師ヶ岳を目指してずっと西に続いている。この縦走路で予想外の積雪にビバークを強いられたことを思い出した(「手堅い?正月山行~甲武信岳から金峰山」)。でも今は、山は穏やかだ。風はあるけど。
そして縦走路の向こうには、八ヶ岳が見える。そうだ、八ヶ岳にもひっかかっている縦走路があるんだ。来週行こうかな。
あれ?この景色は...
ここ(「雪深い国師岳へ」)の写真と同じ構図だねぇ。
べっぴんさんにはついカメラを向けてしまいます。思考回路がずっと変わってないってことか。
さて、楽しかった縦走も終わり。さっきの戸渡尾根分岐に戻り、西沢渓谷に下山する。
戸渡尾根は登山者が多く、登山道の表土が流出しているため歩きにくい。
おまけに、団体の登山者も多く、待つことしばしば。
基本的に、私は先を行く登山者に追いついたときはスピードを落として、道を譲ってくれるまで追い抜かないようにしている。危ないから。
でもなぜか、時々、譲ってくれない登山者がいる。ほぼ、ご年配の方々だ。後ろに人が次々と追いついてきて、詰まって行列になっていても譲ってくれない。なぜなんだろう?
新道分岐から徳ちゃん新道へ。最初は、細い尾根が続くが、じきに広い尾根にかわる。
開通したばかりで、山と高原地図にも載っていないころ歩いたことがある。そのときは、フカフカして歩きやすい道が続いていた。しかし、今は、戸渡尾根上部と同じように表土が流出して道が傷んできている。
標高が下がるにつれ、紅葉も戻ってきた。
予定していたバスに乗れないことが確定したので、紅葉を愛でながらゆっくり下りる。
やあ、美味しそうなキノコだ。でも、猛毒ツキヨタケかな...
今日も無事に下山できた。山の神様ありがとう。
いいね。
西沢渓谷は紅葉真っ盛り。
バスの待ち時間があるので、バス停わきの「ドライブイン不動小屋」で昼食。
お薦めの山菜ごはん定食を注文した。炊き込みご飯が出てくると思ったが、出てきたのは山菜チャーハンだった!びっくり。
温泉に入らないと山は終わらない。
西沢渓谷から塩山駅への途中には、いくつか有名な温泉がある。しかし、バスが空いていたので、途中下車せずに、このまま塩山まで行ってしまいたかった。
そこで、見つけたのが「塩山温泉」。塩山駅から徒歩10分くらいで、すごくアクセスがいい。
「宏池荘」さんが、公衆浴場もやっているということなので、行ってみた。少し寂れた湯治場の雰囲気もいい。硫黄泉とのことだが、硫黄の香りは強くなく、単純アルカリ泉のような柔らかなお湯。
今日も充実した一日だった。
参考:
笠取小屋5:08-6:41古礼山6:51-7:30雁坂峠7:38-9:10破風山9:20-10:14賽の河原10:19-11:32甲武信ヶ岳11:42-13:47西沢渓谷入口
(奥秩父・完)
15年くらい前に 破風山避難小屋の 管理
お 仕手 いた 者です 懐かしく 記録 拝読しました ありが とうさん