躑躅の無限トンネル、禅頂行者道~行者岳から中禅寺湖(1)
5/21 古峯神社~行者岳~夕日岳~薬師岳~中禅寺湖
日光中禅寺湖へ行くには、日光市から車でいろは坂を上がるのがメジャー。しかし、はるばる鹿沼市から山を越えて至る道がある。
これが、日光開山の祖、勝道上人が、鹿沼市の古峰ケ原から二荒山(男体山)を開山(782年)するに至たった道であり、その後の山岳修験の山岳古道、禅頂行者道である。
ロマンではないか。はるばるたどった長い稜線の先に、目の前に天を突くような男体山。そして、眼下には中禅寺湖。勝道上人は、人跡未踏の奥山に浄土を見たに違いない。
私も浄土を見てこよう。そしてツツジ(躑躅)の名所らしいのでツツジも見てこよう。
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早朝5時、もう陽が出ている。そうか、来月は夏至だ。
なぜか山手線が混んでいる。スーツケースを持っている多い。インバウンドか。
登山口の古峯神社は、東京から日帰り圏内だが乗り継ぎが悪く、公共交通機関利用だとそれなりに時間がかかる。ここは思い切って新幹線利用。宇都宮で新幹線を下車して日光線で鹿沼駅へ。
鹿沼駅で古峯神社行きのバスに乗る。乗客は3人。途中の新鹿沼駅で2人乗る。乗客5人で古峯神社へ向かう。
山は中腹まで灰色の雲がかぶさる。天気予報は晴れだが、どう見てもヘビーな曇りだ。
一の大鳥居をくぐると山深くなってゆく。ほどなく古峯神社バス停に到着。
大きな駐車場がある、大きな神社。祭神は、日本中に分身を持つタケルさん。
バス停から古峰ヶ原峠へしばらくくねくねとカーブを繰り返す道路を歩く。両脇の広葉樹林の緑がまぶしい。鳥の声もにぎやかだ。
時々雲が切れ、日が差す。暑い。
29番の標識のつけられたカーブで車道ショートカットのトレールに入る。
修験の道なので、仏跡のようなものが時々現れる。
なになに、へつり地蔵?ふむふむ、厳しい修行に耐え切れず逃げ出した修験者が、ここで追手に殺された?...こわ~い。
トレールは分岐もあるが、道標が完備され迷うことはない。
ツツジは終わりかけかと思ったが、満開のツツジが現れた。よかった。
古峰ヶ原峠でいったん車道にでる。古峰ヶ原は、湿原のような平らな緑が広がってる。ハイキングコースもあるようだ。
すぐに登山口。
しばらく林道を行くが、すぐにトレールになる。
トレールの入り口には、大天狗之大神。タケル君が天狗になった。
おお、見事なツツジ。こんなに花をつけて大丈夫なのか心配になる。
ツツジ終わり?
さっきまで日が差していたが、稜線はガスに覆われてしまった。日射しの暑さはないが、蒸し暑い。
いやいや、花を落としたものが多いが、断続的にツツジのトンネルが続く。尾根はなだらか。ただ、トレールは尾根を忠実にたどるので、細かなアップダウンが続く。
セミかカエルか?カナカナとジージーという鳴き声があたり一面に響く。人影はない。
行者岳の手前には、ツツジと苔の日本庭園のような場所があった。
昨日は雨だったのだろう。苔がみずみずしい。
なんかメルヘンな行者岳山頂。
よく、樹林の中で展望のない山頂があるが、ここはツツジの中で展望はない。
白いツツジが現れた。ツツジの種類も様々あるようだ。
山に行くなら、もちろん晴れがいい。しかし、花の写真を撮るならば、雨上がりの曇りがいい。
空は明るい曇り、そして時々ガスがかかる。おそらく下界は晴れていて、この稜線だけ雲がかかっているのだろう。
なんと読むのだ?
「からりこやま」と読みたかったが「とうなしやま」らしい。
ハガタテ平。ここから古峯神社に下りることができる。
地蔵岳に向かって登りが急になっていく。
ちょっとガレっぽいところ登って、右へ沢を超える。そしてジグザグの急登。
ひょっこり草原のようなところにでる。地蔵岳山頂。
ここまで来ると車の音もほとんど聞こえない。セミの声のみ。
ふかふかで走りやすいトレール。ツツジの無限トンネルが続く。
(次回に続く)
参考:
地図
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赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…