奥多摩のラスボス、長沢背稜へ~棒ノ折山から雲取山(1)

5/20 河又名栗湖入口~棒ノ折山~蕎麦粒山~天目山~酉谷避難小屋

去年、雲取山から三峰神社に抜けたときに、行きたいとつぶやいた長沢背稜(「涼を求めて?東京最高峰」)。
奥多摩の主稜線をあらかた歩いてしまった自分にとって、最後に残された未踏のラスボスだ。

長沢背稜はどこからどこまでか?
西の端は、雲取山から三峰への稜線と交わる芋ノ木ドッケだろう。そこから稜線は東へ、酉谷山、天目山、棒ノ折山と標高を落としながら続いている。その先は、いくつかの細かい尾根に分かれているが、標高から見て高水山あるいは惣岳山をへて、多摩川で終わっているようだ。

それだったら、もう一つの奥多摩を代表する稜線、石尾根と合わせて、御嶽駅から長沢背稜を登り、石尾根で奥多摩駅に下山しよう。ハセツネのコースに負けない、アーティスティックな馬蹄形縦走ができそうだ。
私は常々、クライミングや沢登、バックカントリースキーは、自分の感性(と技術)で地形図に自由に線を引き、そこを実際にたどるとても芸術的な活動だと思っている。縦走もアーティスティックのほうがいい。

しかし、ここで問題が。1泊2日で縦走するには、1日目に酉谷避難小屋まで行く必要がある。私は通常の縦走では、16時までにサイト場に到着するように計画を立てる。しかし、早朝に家を出て御嶽駅まで行き、そこから酉谷避難小屋に16時に着けるか?かなりぎりぎりの気がする。

そこで、安全策をとり、アートを犠牲にして、棒ノ折山を起点として長沢背稜を歩くことにした。それでも1日目は、尾根を登る20kmの道のりだ。

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平日の早朝の電車は、土曜日よりすいていた。酉谷避難小屋は狭く、週末は満員で泊まれないことがあるらしい。そこで、金曜日の出発とした。
薄手の長袖Tシャツでもちょっと涼しい。しかし、天気予報によれば、今日は晴れて27度まで上がる。明日は天気は下り坂だが、一日曇りとなっている。まずまずのコンディションだ。

20220520 河又名栗湖入口バス停

飯能駅の吉牛で朝食をとり、湯の沢行のバスに乗る。40分ほど揺られて、河又名栗湖入口で下車。ハイカーが5人くらい下りた。

20220520 名栗武州世直し一揆

なんか、朝からすごいもの見ちゃったな、おい。
さわらびの湯の入り口にはトイレがある。ここで身支度して出発。

20220520 滝ノ平尾根登山口

いつも棒ノ折山の下山に使う、滝ノ平尾根を登ることにする。さわらびの湯の入り口から橋を渡り、写真の左側に見えている民家のわきに登山口がある。登山口の登山計画書ポストに計画書を入れて、山に入る。

20220520 滝ノ平尾根のとりつき

尾根のとりつきは急。木の根トラップに覆われている。

20220520 林道から登山道に入る

林道に出て、また登山道へ。深い切通になっている。それとも、多くの人が歩いてえぐれてまったのだろうか?

20220520 秩父の山並み

標高が上がって、尾根がなだらかになると、周りの景色が見えてくる。曇り空の下、もやもや~っとした秩父の山並みを眺める。

20220520 岩茸石

尾根の真ん中に鎮座する岩茸石を右から回り込むと、白谷沢からの登山道と合流する。棒ノ折山は、一般的には白谷沢から登られているようだ。

20220520 使用禁止の棒ノ折山の階段

前回来た時(「信仰と展望の尾根を走る」)に崩壊寸前だった階段は、使用禁止になっていた。階段の両側に踏み跡が錯綜している。

新緑の中、先行する2パーティーを追い抜き、棒ノ折山の山頂へ。

20220520 棒ノ折山山頂

ひとけのない山頂。もやがかかっていて、景色がほとんど見えない。

20220520 西へ縦走開始

山頂から西へ縦走開始。人の少ないルートだが、トレランのレースが開催されたこともあり、しっかり踏まれている。ただ、今の時期、例のごとく、蜘蛛の巣に悩まされる。

20220520 いちおう道標もある

いちおう道標もある...

20220520 槇ノ尾山山頂

槇ノ尾山の山頂。展望はない。稜線はずっと森の中である。

20220520 長尾ノ丸と槇ノ尾山の鞍部

槇ノ尾山と長尾ノ丸の鞍部付近。気持ちの良い新緑の森。広葉樹林と植林の針葉樹林がまだらのように入り混じっている。

20220520 大名栗林道

大名栗林道が稜線のすぐ北側を走っている。

ところどころ作業道が入り乱れ、落ち葉も深く、道がわかりにくい。うっかり長尾ノ丸を巻いてしまった。

20220520 突然急登が始まる

なだらかな尾根に、突然急登が現れる。

20220520 クロモ山山頂

登りきったところは、クロモ山の山頂。

20220520 また急登が現れる

またもや、まじかー、というような急登が現れる。

20220520 山なし山

登りきったところは、山なし山の山頂。この稜線はこのパターン多し。
それにしても、「山なし山」とはなんだ?ヤマナシ(梨の自生種)でもあるんだろうか?それとも、ふざけているのか?

20220520 山なし山の先は尾根が細くなる

山なし山を越えると、尾根が細くなり、変化がでてくる。

20220520 尾根からの展望はない

尾根からの展望はほとんどない。ときどき、木々の間から緑の山が見えるくらい。

20220520 日向沢ノ峰のあたりを飛ぶヘリ

日向沢ノ峰のあたりをずっとヘリが飛んでいる。行ってしまったかな、と思ってもまたすぐやってくる。何をしているのだろう。1時間くらいヘリの爆音を聞き続ける。
熊が心配なのだが、このヘリの騒音で逃げてしまっていればいいな。

20220520 日向沢ノ峰手前の鉄塔

日向沢ノ峰の手前に送電線鉄塔がある。ここは切り開かれていて、眺めがよい。

20220520 鉄塔から道がよくなる

鉄塔から道が格段に良くなる。

20220520 分岐

稜線から降りる道がいくつか分岐しているが、ほとんど踏まれていないようだった。

20220520 日向沢ノ峰への登り

また、まじかー、という急登。

20220520 日向沢ノ峰分岐

そして登りきったところが、日向沢ノ峰の分岐。
ここは、ちょうど2か月前に来たばかり(「奥多摩の奥に春の雪」)。でもあのときは雪が積もっていたので、全然雰囲気が違う。

ザックを下ろしておにぎりタイム。

次回に続く)

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