奥多摩の分水嶺をつなぐ~柳沢峠から牛ノ寝通り(1)
11/6 柳沢峠~大菩薩嶺~石丸峠~棚倉小屋跡~小菅の湯
多摩川の本流は秋川を分け、そして青梅あたりから山あいを流れるようになる。いわゆる奥多摩と呼ばれるエリアだ。
20万分の1の地形図で奥多摩を眺めると、多摩川は奥多摩湖を中心として、青梅あたりから始まり高水三山、長沢背稜、雲取山、笠取山、柳沢峠、大菩薩嶺、牛ノ寝通り、三頭山、御前山、御岳山、そしてまた青梅周辺と続く、長大な分水嶺に囲まれていることがわかる。
この分水嶺はほとんど歩いているが、柳沢峠から牛ノ寝通りが唯一欠けていた。気になるので、分水嶺をつなぎに行った。
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5時前に家をでる。まだ暗い空にオリオン座が見えている。フリースジャケットに防風のジョガーパンツ。すっかり冬の装いだ。しかし、風がないのでそれほど寒くない。
以前、大菩薩に行ったときは列車が激混みだったので、少し早めに家を出た。そのおかげか八王子からの中央線は、ちょうど席が埋まるくらいで、あまり混んでいない。
車窓から見る南アルプスにはうっすらと雪がついている。
塩山駅のバスターミナル。大菩薩峠登山口・柳沢峠行きの乗り場の位置が変わっていた。
バスの時間までまだ20分以上ある。誰もいないベンチに座って、サンドイッチの朝食。バスの時間が近くなっても、あまり人がこない。乗務員さんによれば、土曜日は混むが、日曜日は比較的すいているとのこと。
ちょうど席が埋まるくらいでバスは出発。
大菩薩峠登山口をすぎると、バスは柳沢峠に向けて青梅街道を登っていく。いくつものヘアピンカーブと、よくこんなもの作ったなと思わせる、長い橋脚の空中にかかる橋が続く。橋の上からの景色は絶景。甲府側には富士山、反対側は紅葉に染まる山々。
乗客は全員ここ、柳沢峠で下車。前回(「紅葉のち倒木」)は左に行ったが、今日は右に行く。
トイレに行って、登山開始。
しばらくは、ブナの道というハイキングコースを行く。よく整備された道を、緩いアップダウンで尾根を越えていく。
ブナの森を落ち葉を踏んで、気持ちよく走る。
梅ノ木尾根分岐。梅の木があるのか?
暑くなったのでフリースを脱ぎ、長袖のTシャツになる。
トラバース道を六本木峠へ。落ち葉に覆われた道だったり、奥秩父のように苔むした道だったり。
アップダウンの少ない道を丸川峠へゆるゆると登っていく。道が落ち葉に覆われているところもあるが、よく踏まれていて道標も完備。迷うことはない。
木立の間から大菩薩嶺が見えてきた。
大きな苔むした岩がゴロゴロ。ちょっと走りにくい。
開けた草原に出る。丸川峠。小屋の右手には富士山が顔を出している。
とても静かだ。ここまで出会ったハイカーは2組だけ。
ここから大菩薩嶺へ本格的な登りが始まる。登ったことはないが下ったことはある(「レースの後の休養~大菩薩峠、大菩薩嶺」)。ちょっと長くてうんざりしたけど、登りはどうだろう?
登るにつれて南アルプスも見えてきた。
木々の葉はすっかり落ちているので、意外と眺めがよく、気持ちがよい。
北側には、一昨年に行った柳沢峠から奥秩父に続く稜線が見える(「奥秩父へ至る長大な稜線」)。
苔むした石垣。味のある道。
標高が上がると、広葉樹の森からシラビソ、コメツガの森になる。
ちょと崩れているところがあって、先行するシルバーハイカーグループが難儀していた。
上のほうから喧騒が...
大菩薩嶺に到着。人でいっぱい。
写真を撮って通過。
予想通り、ここからは人が多くて、あまり走れない。
大菩薩嶺からちょっと下ると、樹林を抜けて笹原の尾根道となる。さえぎるもののない大展望。思わず誰もが写真を撮る。
甲府盆地の向こうには南アルプスの全山。北は甲斐駒ヶ岳(上の写真だと右に切れている)、南は聖岳までわかるが、聖岳の左側に見えているのは光岳だろうか?いや、上河内岳とかだな(あとで調べたら、やっぱり光岳は見えないらしい)。
避難小屋があるのは賽の河原。小屋の後ろにいくつもケルンが積まれている。
大菩薩峠が見えた。
今日は空気が澄んで景色もよく、風も弱くて最高のコンディションだ。
(次回に続く)
参考:
今回のコース
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…