欠けた3000mピースをうめる山旅~荒川三山(1)
8/19 椹島~千枚小屋
南アルプスに行こうと思った。
南アルプスでピークに立ったことのない3000m峰は、荒川三山の悪沢岳、そして塩見岳。この欠けた3000m峰のピースをうめる山旅をしよう。
夜行バスで畑薙ダム臨時駐車場バス停へ。
登山口の椹島までここから東海フォレストのバスに乗る。バスに乗るためには、東海フォレストの山小屋に宿泊しなければならない。今回は2泊目の熊ノ平小屋の予約を入れた。
バスが来るまで1時間ある。コンビニで買ったサンドイッチで朝食。そしてバス停のすぐそばにある水場で水をくむ。ついでに駐車場のトイレにも行く。
マイクロバスがやってきた。ヘルメットをかぶって乗車。満席で補助席までいっぱい。
吊り橋がかかる茶臼岳登山口。
ここまでは記憶があるが、ガタガタ揺れるバスの振動が心地よく、いつの間にか眠り込んでしまった。
目が覚めれば椹島ロッジ。
バスを下りるともわっと暑い。身支度を整えて8:45出発。
少し林道を登る。天気は快晴。暑いが、ときどき涼やかな風が吹く。
荒川三山、千枚岳の登山口。橋を渡るとトレールが始まる。
初めは針葉樹林の急登。だんだん傾斜がゆるみ尾根が広くなる。メジャールートのはずだが、踏み跡が錯綜して正解ルートが分かりにくいところがある。
初めはずっとこんな感じ。樹林の道が続く。
たまに展望があるが、この程度。ずっと森の中。
林道を横切る。
このルートはしばらく林道に並走する。
ピーク?とりあえず休憩。暑い。
水音が聞こえる。急な斜面を登ると小さな沢があり、清水平の水場だった。「清水平」というが平らではなく、斜面の中腹だ。
冷たい水で喉をうるおす。ついでに顔も洗う。
一息ついて、空を見上げると、いつの間にか雲に隙間なく覆われていた。
単調な針葉樹林のトレールが延々と続く。
ちょっとした変化。
標高2140mの見晴台で、やっと展望が開ける。しかし、垂れ込める雲に覆われ、アルプスの頂は見えない。
再び樹林の道。尾根に沿って真っすぐ登る。
炭酸塩の結晶のような粘菌。
標高2200mあたりから道が広くなる。かつて木材の搬出に使われた木馬道だ。
周囲は苔むした森。ザックを下ろして休憩。
大福を食べていると、周囲の森からパチパチという音が鳴り始める。もう来たか、まだ2時だというのに雨が降り出した。雨具を着て先を急ぐ。蒸し暑い。
登山道からちょっと降りて、木々に囲まれた駒鳥池へ。静かだ。トンボが飛んでいる。
登山道に復帰すると、本格的に雨が降り始めた。パチンコ玉のような雨粒が打ち付けるように降る。
スパッツをしているのに瞬時に靴は浸水。容赦なく雨具の隙間からウエアに水がしみてくる。雨粒が顔に当たると痛い。
開けた場所はダッシュで駆け登り、雨の勢いが弱まる大木の陰で、呼吸を整える。この繰り返し。
ほうほうの体で千枚小屋。
受付を済ませ、小屋から少し離れたサイト場へダッシュ。ザックを空けてテント設営開始!!!
しかし、すぐにまた雹かと思うほどの打ち付けるような激しい雨。海のようになったサイト場に島のように残された陸地にテントを張る。
テントを張り終えたものの、中にはビニールプールのように水がたまっている。カップを使って水を汲みだし、なんとか荷物を入れて設営終了。
ザックも、荷物を入れたスタッフバックもすべてびしょびしょ。テントの底はぐっしょりと濡れ、隅には水が溜まっており、乾いているのはロールマットの上だけ。
大きな雨粒がフライに当たると、霧状になってフライを透過し、テント本体が濡れる。そしてテントの底にさらに水が溜まる...ときどきカップで水を汲みだす。
やることもないので、ロールマットの上にあぐらをかいて夕食の準備。4時には食事をして、すぐに就寝の準備。未だに雷の音と激しい雨。
シュラフに入って横になるが、ロールマットの外はびしょびしょの危険地帯なので、うかつに寝返りを打つこともできず、寝苦しい夜を過ごす。
(次回に続く)
参考:
地図
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赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…