第31回ハセツネCup参戦
10/8-9 五日市中学校-今熊神社-醍醐丸-生藤山-三頭山-御前山-大岳山-御岳神社-金比羅尾根-五日市会館
いよいよやってきた日本山岳耐久レース長谷川恒男Cup、通称ハセツネ。
昨年(「第30回ハセツネCup参戦」)に続き、2回目の参加。スタートまでの要領はつかんでいる。おまけに試走(「ハセツネ直前試走、調子いいぞ」)も調子が良かったので、スタートが楽しみだ。
ただひとつ心配なのは天気。天気予報は今日の夜から雨だと言っている。
昨年も雨。それも、生籐山から土砂降り。そこから数百人がぐちゃぐちゃにしたぬかるみを、ひたすらスリップしないように早歩きするという、トレランとは別の競技になっていた。
一度も転ぶことはなかったものの、雨具を着ていてもパンツも靴も濡れてぐしゃぐしゃ、立ち止まると寒くて震える、もう、ひたすら不快な思いをした。
今年は雨が強くなりませんように。
昨年と同様に早めに会場に到着。
ぎりぎりに行くより、早く行って体育館に自分の場所を確保し、そこでのんびりするほうが落ち着く。
まずは、バックパックに荷物をつめて、身支度。
去年は、コーラを持って走ったが、寒くて飲めず持って帰るという間抜けなことをした。今年は持たない。
そして、山に行くときには必ずRAWで撮影できるPowershotを持っていく。しかし、軽量化のために今回は持たない。写真はスマホ。
食料も去年は持ちすぎたので、今年はだいぶ減らす。
雨の予報なので、靴はゴアの防水、そしてゲーターも持つ。この組み合わせで去年は土砂降りにも関わらず、月夜見駐車場まで靴に浸水しなかった。
足首にネオキシテープで捻挫防止のテーピングをして、足にワセリンを塗って準備完了。
戦いに備えて腹ごしらえ。コンビニで買ったサンドイッチを食べる。
開会式が始まるのに合わせて、グラウンドに出る。
ビブスの番号に従い、スタートポジションに並ぶ。
なんと、すごい前だ。去年は自己申告タイムの順番に並んで、だいぶ後ろのほうだった。今年は、ITRA パフォーマンスインデックス(今までのレースの成績)に従って順番が決まっている。
ここで重大なお知らせ。
三頭山の登りが植生保護のために、追い越し禁止区間となった。レースにどう影響するのだろう?
13時、号砲が鳴る。
たらたらとスタート。これから71.5km、標高差4500mの旅が始まる。先は長いので急ぎたくない。
でも急がないと広徳寺のトレールに入るところで渋滞する。そして、次々と渋滞につかまる。
だから少し急ぐ。
広徳寺入り口も今熊神社参道も、立ち止まることなくスムーズに流れる。
さすがに前のほうはみんなペースが速い。流れを乱すまいと必死についていく。
夜が明ける前にゴールしたい。
入山峠。まだまだ序盤なのでランナーは多いが、ペースが速いので詰まることなく流れる。
私はここで予定通り、ジェルを補給。
市道山分岐の先の小尾根を乗り越すところで、脇道の作業道のほうから大勢の人の声がする。
集団コースアウトした人たちがコースに戻ってきた。みんなばつが悪そうに笑っていて、まだまだ余裕あり。
だんだん周りのペースについていくのがつらくなってきた。
精いっぱい頑張るが、ぼちぼち後ろから走ってくる人たちに先をゆずる。
軍刀利神社の部活坂を登る。
昨年は、夕闇迫る中、雨に打たれながら、ぬかるむ階段を足を滑らせながら登った。
でも今日はまだまだ明るい。雨もまだ降っていない。
日が残る浅間峠に到着。
明るいうちに浅間峠に着いた!ライトがなくても作業ができる、感動!
トイレをここまで我慢しながら、暗闇の中、土砂降りの雨に叩かれ走ってきた去年とは違いすぎる。
でもここで気づいた。
私のスマホのカメラは感度が低い。暗いところでなかなかピントが合わず、あってもかならず手ぶれする。
ベンチに座って5分ほど休憩。高級大福を食べる。べつに高級でなくてもいいのだが、普通の大福は売り切れていたのでしかたなく買った。でも餅が柔らかくておいしい。
浅間峠までは走れるだけ走り、ここからは、少しペースを落として淡々と三頭山に登ってゆくのが定番パターン。
定番パターンに従い、巡航モード。
予定通り日原峠でポールを出す。
ヘッドランプを点灯して淡々と登る。浅間峠まで飛ばした割には、余裕がある。やっぱり調子がいい。
三頭山を登れば、あとは得意の下りが優勢なので、思ったよりいいタイムでゴールできそうだ。
槇寄山を越え、後ろを走っていたランナーに、追い越し禁止区間ってどこですかね~、標識ありますよね~、などと話をしていたら来た!
標識なんていらない、見事に渋滞している。ここまで順調に来たのに...
列をなして、時々立ち止まりながら一歩一歩登る。時間は刻一刻と過ぎてゆく。雨も降りだした...
三頭山の登りが体力的にきついと予測していたが、ハイキングペースなので全く問題ない。無駄に体力を回復している。
渋滞は三頭山山頂まで続いた。
渋滞で20分くらいタイムロスしたように思う。
追い越し禁止区間が設定されたため、レースプランは見直す必要があった。
浅間峠までは突っ込め、と言われていたが、なるべく渋滞を回避するため、追い越し禁止区間まで突っ込む必要がありそうだ。
三頭山山頂から月夜見駐車場のエイドまで、ほぼ下り一方。ここからは思い切り走ってタイムを縮める戦略。
昨年も、激しいぬかるみにもかかわらず、ここから御前山の登りまでは、ひたすら抜き続け、ほとんど抜かれなかった。
三頭山の急な斜面を駆け下りる、と、すぐに渋滞につかまる。三頭山の登りの渋滞が完全に解消したわけではなく、要所要所で断続的に渋滞している。
急な斜面につけられたトレールが多く、渋滞をなかなか抜けない。広いところで抜いても、すぐに次の渋滞につかまる。
む~、戦略が破綻して、フラストレーションがたまる。
む~、断続的な渋滞につかまりながら、月夜見駐車場のエイドに到着。
結局、三頭山の登りからここまでゆっくりペースで来たので、予定より1時間ほどタイムロスして、その分、体力に余裕あり。
時間がかかった分、よけい腹がへる。バックパックから高級大福の袋を取り出す。
ああっ!バックパックへの入れ方が悪かったのか、ビニール袋に入った高級大福が押しつぶされ、ビニール袋と一体化している。普通の大福なら問題ないのだが、高級大福は餅が柔らかいので、破裂して、餅と餡子とビニール袋が三位一体になっている。
雨の中、泣きながらちぎれたビニール袋の破片を餅からはがし、三位一体を食べる。今回は食料をぎりぎりしか持ってきていないので、食べざる得ない。
予想外の時間を浪費し、エイドを出発。
昨年ほどではないが雨が降っている。
奥多摩の星空を見ながら走りたいと思っているが、いつかなうことやら。淡々とヘッドライトの明かりだけを見て進む。
スマホのカメラは役立たずなので、写真も撮らず淡々と走る。
御前山を淡々と通過。
大岳山の岩場の登りでちょっと渋滞していた。
大岳山の山頂でジェル休憩。今回の食料は、ジェルをメインにあとは高級大福というメニューだが、ジェルばかり食べているとお腹が張ってくる。自分には固形物が必要。でも高級大福は三位一体となってタイムロスするのでいかん。
大岳山荘まで下りてくると、もうあとは登りらしい日の出山の手前だけ。注意するのは大岳山と御岳山の間の鎖場だけ。あとは走りやすいトレール。
もう終わったも同然と思った瞬間、残った体力が解放された。
御岳山に続くほぼ水平なトレールを快適に走る。疲れも痛みもあまり感じない。まるで今スタートしたばかりのようだ。
軽やかに第三関門長尾平を通過。ここまで失った時間をどこまで取り戻せるか。
御岳山からのロード&コンクリートは、さすがに着地衝撃がきつかった。しかし、日の出山の登りもなんなくクリア。
日の出山の山頂から五日市の夜景...今回も雨でよく見えない。少し休んで、天国の下り、金毘羅尾根へ。
もう電池の心配はないので、ウエストライトを最強にする。100mくらい先まで見える。
下り一方の尾根を全力で駆け下る。ライトが暗闇に切り開いたトレールに体が吸い込まれるようだ。何も考えなくても足が勝手に障害物を避ける。次々とランナーを抜いていく。激しく鳴り響く自分の熊鈴の音だけが聞こえる。
金毘羅尾根を三分の二くらい来たところだろうか。
ちょっとお腹が減ったので、立ち止まってバックパックのポケットからジェルを取り出す。一息ついてジェルを飲み込む。
あ~べとべとするな~、と思った瞬間、急に体が、足が重くなった。足首と大腿四頭筋も痛い。
終わった。まるで夢から覚めたようだ。
さっきの走りはなんだったんだ、と思うほど、トボトボと走り出す。疲れたし、足が痛い。
結局、快走は戻ってこなかった。トボトボとゴールに向かう。
トボトボとゴール。
いつものように誰も写真を撮ってくれないので、自分でゴールの写真を撮る。
途中と最後がスローペースだった。しかし、第三関門からゴールまで2時間を切る金毘羅尾根の(途中までの)快走もあり、なんとか目標の夜明け前にゴールできた。
ゴールした後、荷物を置いてある体育館に戻ると、雨は激しくなった。間一髪。
Tシャツとランパンを着替えて、シュラフに潜り込む。
すっかり夜が明けてからシュラフからはい出し、体育館をあとにする。
去年は泥んこ祭りでひたすら不快なレースだった。今年は反省点は多かったけど、楽しかった。ありがとうハセツネ。
去年と同じように、瀬音の湯でひと風呂浴びて、朝ビールを飲んで帰途につく。
(ハセツネ参戦、完)
参考:
地図
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赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…