第31回ハセツネCup参戦

10/8-9 五日市中学校-今熊神社-醍醐丸-生藤山-三頭山-御前山-大岳山-御岳神社-金比羅尾根-五日市会館

いよいよやってきた日本山岳耐久レース長谷川恒男Cup、通称ハセツネ。
昨年(「第30回ハセツネCup参戦」)に続き、2回目の参加。スタートまでの要領はつかんでいる。おまけに試走(「ハセツネ直前試走、調子いいぞ」)も調子が良かったので、スタートが楽しみだ。

ただひとつ心配なのは天気。天気予報は今日の夜から雨だと言っている。
昨年も雨。それも、生籐山から土砂降り。そこから数百人がぐちゃぐちゃにしたぬかるみを、ひたすらスリップしないように早歩きするという、トレランとは別の競技になっていた。
一度も転ぶことはなかったものの、雨具を着ていてもパンツも靴も濡れてぐしゃぐしゃ、立ち止まると寒くて震える、もう、ひたすら不快な思いをした。

今年は雨が強くなりませんように。

20231008 ハセツネ参戦、会場に到着

昨年と同様に早めに会場に到着。
ぎりぎりに行くより、早く行って体育館に自分の場所を確保し、そこでのんびりするほうが落ち着く。

まずは、バックパックに荷物をつめて、身支度。
去年は、コーラを持って走ったが、寒くて飲めず持って帰るという間抜けなことをした。今年は持たない。
そして、山に行くときには必ずRAWで撮影できるPowershotを持っていく。しかし、軽量化のために今回は持たない。写真はスマホ。
食料も去年は持ちすぎたので、今年はだいぶ減らす。
雨の予報なので、靴はゴアの防水、そしてゲーターも持つ。この組み合わせで去年は土砂降りにも関わらず、月夜見駐車場まで靴に浸水しなかった。

足首にネオキシテープで捻挫防止のテーピングをして、足にワセリンを塗って準備完了。
戦いに備えて腹ごしらえ。コンビニで買ったサンドイッチを食べる。

開会式が始まるのに合わせて、グラウンドに出る。

20231008 ハセツネ参戦、スタート地点に並ぶ

ビブスの番号に従い、スタートポジションに並ぶ。
なんと、すごい前だ。去年は自己申告タイムの順番に並んで、だいぶ後ろのほうだった。今年は、ITRA パフォーマンスインデックス(今までのレースの成績)に従って順番が決まっている。

ここで重大なお知らせ。
三頭山の登りが植生保護のために、追い越し禁止区間となった。レースにどう影響するのだろう?

20231008 ハセツネ参戦、スタート

13時、号砲が鳴る。
たらたらとスタート。これから71.5km、標高差4500mの旅が始まる。先は長いので急ぎたくない。
でも急がないと広徳寺のトレールに入るところで渋滞する。そして、次々と渋滞につかまる。
だから少し急ぐ。

広徳寺入り口も今熊神社参道も、立ち止まることなくスムーズに流れる。
さすがに前のほうはみんなペースが速い。流れを乱すまいと必死についていく。

夜が明ける前にゴールしたい。

20231008 ハセツネ参戦、入山峠

入山峠。まだまだ序盤なのでランナーは多いが、ペースが速いので詰まることなく流れる。
私はここで予定通り、ジェルを補給。

市道山分岐の先の小尾根を乗り越すところで、脇道の作業道のほうから大勢の人の声がする。
集団コースアウトした人たちがコースに戻ってきた。みんなばつが悪そうに笑っていて、まだまだ余裕あり。

だんだん周りのペースについていくのがつらくなってきた。
精いっぱい頑張るが、ぼちぼち後ろから走ってくる人たちに先をゆずる。

20231009 ハセツネ参戦、部活坂

軍刀利神社の部活坂を登る。
昨年は、夕闇迫る中、雨に打たれながら、ぬかるむ階段を足を滑らせながら登った。
でも今日はまだまだ明るい。雨もまだ降っていない。

20231008 ハセツネ参戦、浅間峠

日が残る浅間峠に到着。
明るいうちに浅間峠に着いた!ライトがなくても作業ができる、感動!
トイレをここまで我慢しながら、暗闇の中、土砂降りの雨に叩かれ走ってきた去年とは違いすぎる。

でもここで気づいた。
私のスマホのカメラは感度が低い。暗いところでなかなかピントが合わず、あってもかならず手ぶれする。

ベンチに座って5分ほど休憩。高級大福を食べる。べつに高級でなくてもいいのだが、普通の大福は売り切れていたのでしかたなく買った。でも餅が柔らかくておいしい。
浅間峠までは走れるだけ走り、ここからは、少しペースを落として淡々と三頭山に登ってゆくのが定番パターン。
定番パターンに従い、巡航モード。

予定通り日原峠でポールを出す。
ヘッドランプを点灯して淡々と登る。浅間峠まで飛ばした割には、余裕がある。やっぱり調子がいい。
三頭山を登れば、あとは得意の下りが優勢なので、思ったよりいいタイムでゴールできそうだ。

20231009 ハセツネ参戦、追い越し禁止区間

槇寄山を越え、後ろを走っていたランナーに、追い越し禁止区間ってどこですかね~、標識ありますよね~、などと話をしていたら来た!
標識なんていらない、見事に渋滞している。ここまで順調に来たのに...
列をなして、時々立ち止まりながら一歩一歩登る。時間は刻一刻と過ぎてゆく。雨も降りだした...
三頭山の登りが体力的にきついと予測していたが、ハイキングペースなので全く問題ない。無駄に体力を回復している。

20231008 ハセツネ参戦、三頭山山頂

渋滞は三頭山山頂まで続いた。
渋滞で20分くらいタイムロスしたように思う。

追い越し禁止区間が設定されたため、レースプランは見直す必要があった。
浅間峠までは突っ込め、と言われていたが、なるべく渋滞を回避するため、追い越し禁止区間まで突っ込む必要がありそうだ。

三頭山山頂から月夜見駐車場のエイドまで、ほぼ下り一方。ここからは思い切り走ってタイムを縮める戦略。
昨年も、激しいぬかるみにもかかわらず、ここから御前山の登りまでは、ひたすら抜き続け、ほとんど抜かれなかった。

三頭山の急な斜面を駆け下りる、と、すぐに渋滞につかまる。三頭山の登りの渋滞が完全に解消したわけではなく、要所要所で断続的に渋滞している。
急な斜面につけられたトレールが多く、渋滞をなかなか抜けない。広いところで抜いても、すぐに次の渋滞につかまる。
む~、戦略が破綻して、フラストレーションがたまる。

20231009 ハセツネ参戦、月夜見駐車場

む~、断続的な渋滞につかまりながら、月夜見駐車場のエイドに到着。
結局、三頭山の登りからここまでゆっくりペースで来たので、予定より1時間ほどタイムロスして、その分、体力に余裕あり。

時間がかかった分、よけい腹がへる。バックパックから高級大福の袋を取り出す。
ああっ!バックパックへの入れ方が悪かったのか、ビニール袋に入った高級大福が押しつぶされ、ビニール袋と一体化している。普通の大福なら問題ないのだが、高級大福は餅が柔らかいので、破裂して、餅と餡子とビニール袋が三位一体になっている。
雨の中、泣きながらちぎれたビニール袋の破片を餅からはがし、三位一体を食べる。今回は食料をぎりぎりしか持ってきていないので、食べざる得ない。

予想外の時間を浪費し、エイドを出発。

昨年ほどではないが雨が降っている。
奥多摩の星空を見ながら走りたいと思っているが、いつかなうことやら。淡々とヘッドライトの明かりだけを見て進む。
スマホのカメラは役立たずなので、写真も撮らず淡々と走る。

御前山を淡々と通過。
大岳山の岩場の登りでちょっと渋滞していた。
大岳山の山頂でジェル休憩。今回の食料は、ジェルをメインにあとは高級大福というメニューだが、ジェルばかり食べているとお腹が張ってくる。自分には固形物が必要。でも高級大福は三位一体となってタイムロスするのでいかん。

大岳山荘まで下りてくると、もうあとは登りらしい日の出山の手前だけ。注意するのは大岳山と御岳山の間の鎖場だけ。あとは走りやすいトレール。
もう終わったも同然と思った瞬間、残った体力が解放された。

御岳山に続くほぼ水平なトレールを快適に走る。疲れも痛みもあまり感じない。まるで今スタートしたばかりのようだ。
軽やかに第三関門長尾平を通過。ここまで失った時間をどこまで取り戻せるか。

御岳山からのロード&コンクリートは、さすがに着地衝撃がきつかった。しかし、日の出山の登りもなんなくクリア。
日の出山の山頂から五日市の夜景...今回も雨でよく見えない。少し休んで、天国の下り、金毘羅尾根へ。

もう電池の心配はないので、ウエストライトを最強にする。100mくらい先まで見える。
下り一方の尾根を全力で駆け下る。ライトが暗闇に切り開いたトレールに体が吸い込まれるようだ。何も考えなくても足が勝手に障害物を避ける。次々とランナーを抜いていく。激しく鳴り響く自分の熊鈴の音だけが聞こえる。

金毘羅尾根を三分の二くらい来たところだろうか。
ちょっとお腹が減ったので、立ち止まってバックパックのポケットからジェルを取り出す。一息ついてジェルを飲み込む。
あ~べとべとするな~、と思った瞬間、急に体が、足が重くなった。足首と大腿四頭筋も痛い。

終わった。まるで夢から覚めたようだ。

さっきの走りはなんだったんだ、と思うほど、トボトボと走り出す。疲れたし、足が痛い。
結局、快走は戻ってこなかった。トボトボとゴールに向かう。

20231009 ハセツネ参戦、ゴール

トボトボとゴール。
いつものように誰も写真を撮ってくれないので、自分でゴールの写真を撮る。
途中と最後がスローペースだった。しかし、第三関門からゴールまで2時間を切る金毘羅尾根の(途中までの)快走もあり、なんとか目標の夜明け前にゴールできた。

ゴールした後、荷物を置いてある体育館に戻ると、雨は激しくなった。間一髪。
Tシャツとランパンを着替えて、シュラフに潜り込む。

すっかり夜が明けてからシュラフからはい出し、体育館をあとにする。
去年は泥んこ祭りでひたすら不快なレースだった。今年は反省点は多かったけど、楽しかった。ありがとうハセツネ。
去年と同じように、瀬音の湯でひと風呂浴びて、朝ビールを飲んで帰途につく。

(ハセツネ参戦、完)

参考:
地図

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