山々に抱かれた滑降~平ヶ岳(3)

4/29 猫又川二俣~平ヶ岳~ススヶ峰~猫又川二俣

前回の続き)

120429平ヶ岳・平ヶ岳山頂

きゃっほー!ついに念願の雪の平ヶ岳山頂に到着!

120429平ヶ岳・山頂からのパノラマ写真クリックで拡大

平ヶ岳山頂は広い台地のようなピーク。360度さえぎるもののないパーフェクトな展望。空には巻雲が現われているが、しかし、文句を言ったらバチが当たるような晴天。

写真左から遠くにおそらく西吾妻、そして近くに会津朝日岳、丸山岳、そこから稜線伝いに窓明、会津駒と続く。燧ケ岳があって、その右に日光白根や皇海といった日光の山々、尾瀬ヶ原から至仏、すぐ隣に笠ヶ岳。ずっと右に行って谷川連峰、谷川の手前から白毛門、大烏帽子、巻機、越後三山と長大な稜線が続く。越後三山の合間にある利根川水源の大水上山から剣ヶ倉を経て稜線はこの平ヶ岳へつながる(そう、白毛門から笠ヶ岳まで地形的には長大な馬蹄形縦走ができるのだ)。飯豊と思しき山々も見えている。なんという贅沢な景色だ。人工物は見えない(実はよくよく探すと2つほど見える…)。

 

携帯はばっちり3本、山頂ナウをつぶやく。そして、水が滴るほどぐしゃぐしゃに濡れているシールをはがし、待ちに待ったドロップイン!

120429平ヶ岳・山頂からドロップイン

どこを見ても山、山、山。山々に抱かれて大斜面を滑る。ちょっと重いけど、そこそこのザラメ。しあわせだな~。

120429平ヶ岳・雪庇は崩れつつある

幸せは長くは続かない…。いくつかピョコを巻いて粘ったものの、白沢山の手前で滑降終了。びちょびちょでノリが効かなくなったシールをテーピングテープで板にくくり付け、また長い歩きの始まり。

ここ数日の暑さで、雪庇はどんどん崩れているようだ。

120429平ヶ岳・1920ピーク波打つ雪了を登りきり1920mのピーク。幅50cmくらいしか雪がないところがあり、しかもその下は空間。トレースはついているが、おっかないのでスキーを脱いで藪を漕ぐ。



120429平ヶ岳・1911ピークからススヶ峰へ

稜線分岐の1911mのピークに戻りしばし休憩。あまりの暑さで靴の中が汗でぐっしょり、思いもよらぬところに靴擦れができて足が痛い。しかし、まだ縦走は続く。分岐からそのまま南下、崩れかけた雪庇が並ぶ稜線をススヶ峰を目指す。

120429平ヶ岳・ススヶ峰の登りと太陽に暈

平ヶ岳山頂で見た巻雲がどんどん厚くなり、ついに巻層雲となって空を覆う。太陽は暈を被る。

ススヶ峰へ真っ直ぐ登って行く。斜面には運動会の行進のように一列にならんだトレースがついている。なにをしたんだろう?

120429平ヶ岳・ススヶ峰山頂湿原

ススヶ峰山頂は巻いてしまう。そしてここは山頂直下の湿原。だだっ広い。視界がないときにはかなりいやらしい感じ。今回はこういう場所が多い。

120429平ヶ岳・ススヶ峰から至仏山

下る尾根をススヶ峰から確認。ススヶ峰の肩1800mから南東に猫又川二俣に落ちる尾根を滑る予定だ。尾根の落ち口は陰になっていて見えていない。手前の木の濃い小尾根の下部の奥に白い尾根がちょっと見えている。そこを滑る。地図からは快適な滑降ができそうに思える。ただし、下りたところで猫又川の支流をうまく渡れるだろうか…

120429平ヶ岳・ススヶ峰南東尾根滑り出し地形図からは尾根の始まりは円いピョコとイメージしていたが、まさにそのとおりで、森の中の塚みたいな広場みたいな場所になっていて分かりやすい。そこからコンパスを切って栂の森に滑り込む。藪はいやだな~。


120429平ヶ岳・ススヶ峰南東尾根の快適な斜面栂の森の急斜面はすぐに終わり、まばらな木立の明るいはっきりとした尾根にのる。思いがけず快適な大斜面。今日頑張ったご褒美か?尾根の末端、猫又川まで一気に滑り下る。


120429平ヶ岳・猫又川スノーブリッジ猫又川二俣に下りたが…目の前に見えている朝歩いたルートと私の間にはザバザバと流れる川が。グサグサに腐ったスノーブリッジが架かってはいるが…踏み抜いたらちょっとヤバイ。下流に行ったり上流に行ったり、右往左往してなんとか渡れる場所を見つけてサイト場に戻った。


今日の行動時間は10時間半。相棒の調子が悪く、ちょっと時間がかかった。でも充実したし無事に戻ってきたし、言うことなし。びちょびちょになったシールと靴下を木に干して、夕食の準備だ。

次回に続く)

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