西吾妻・若女平へ
3/25 天元台~西吾妻山~若女平~天元台
西吾妻、大沢下り…日本を代表する山スキールートと言っても過言ではない。
私にとって、何回もトライしているが、天候やら急用ができたりやらで、未だにトレースしたことがない、幻のルートだ。
この幻のルートに挑むため、仕事が終わった金曜日の夜に、自家用車で東京を出発し山形に向かった。
下山地点の大沢駅に車をデポし、土曜日の朝に登山口の天元台まで電車とバスで移動する計画だった。
福島から峠を越え、山形に入る。天気予報は晴れ時々曇りだったが、峠は吹雪だった。
カーナビに導かれながら大沢駅に向かう。車1台ギリギリの幅で除雪された林道を進む。ライトに照らされて見えるのは、雪の壁ばかり。本当に大沢駅に行けるのだろうか?
大沢駅には行けなかった…。
突然、除雪が終わって、行き止まりになった。
おそらく、米沢方面からの道が除雪されているのだろう。慌てて雪の回廊を戻って米沢に向かうが、時はすでに午前4時。
睡眠不足+悪天候では、大沢下りは難儀するに違いない。
今回も、大沢下りはだめだった。
西吾妻山から若女平のルートに転身する。
しっかり睡眠をとって、天元台スキー場のゲレンデに立ったのは午前10時。
ゲレンデは晴れていて、絶好の春スキー日和だが、稜線には雲がかかっている。
ゲレンデトップで板にシールを貼る。
真新しい、ATOMIC BACKLAND。そこそこ軽量、そこそこサイドカーブも緩く、オールラウンドに使えそうな板だ。
ビンディングも靴も新品。3年間の試験勉強の禁欲生活に耐えた自分へご褒美に、ギアを全部新調した。(前のギアが、3年使わないうちに耐用年数を超えた、との説もある)。
ゲレンデトップから、モンスターの森に突入し、中大巓をめざす。
トレースは明瞭だ。
稜線に出ると雲が切れ春の日が差す。西大巓がまぶしい。これだよ。どこを歩こうが自由。
稜線は冷たい風が吹き付け、フードがバタバタとはためく。風の当たる右の頬が痛いが、久しぶりの山スキーにご満悦。
陽が差して視界があったのは、ほんの一瞬で、すぐに壁のような濃いガスに阻まれる。
西吾妻山の頂上に上がらずに、コルから西吾妻小屋に直接向かうためにトレースを外れる。視界が全くないので、コンパスだけを頼りに進む。そして、ガスが切れ、ビンゴ!目の前に小屋があった。
西吾妻小屋でおにぎりを食べ、早々に出発。コンパスを切って、若女平に続く沢に入る。
思ったより木々が密集し、しかも重い新雪。そしてスキーを履くのは3年ぶり。悪戦苦闘しながら沢を下ってゆく。
俺ってこんなにスキー下手だったかな~。
沢から若女平にトラバースする。若女平は、広々とした台地で樹間も広く、スノーハイクに良さそうだ。
でも傾斜がないのでスキーはあまり滑らない。
ルートの最大の難所、ヤセ尾根。右側は崖、左側は崖とまではいかないが、落ちたら止まりそうにない斜面。斜度はないので、直滑降でゆっくり、慎重に滑り降りる。
思いのほか下山が遅くなった。温泉どうしよう~、と思っていたら、天元台スキー場の駐車場の横に立ち寄り湯があった。
「米沢市森林体験交流センター白布森の館」
やってるんだか、やっていないだか怪しい雰囲気だが、ちゃんと6時までやっている。
でもシャンプーはないので、ここに入る予定の人は用意しておこう。
米沢から福島に向かう途中で、車を停めるはずだった大沢駅に行ってみた。
米沢からの道は除雪されていて、山間の小さな集落に導かれる。駅前の狭いスペースに車を停め、駅舎まで100mくら歩く。ホームは鉄骨むき出しの巨大なスノーシェルター内に収まっていて、威圧的な雰囲気を醸し出している。
(西吾妻・若女平へ 完)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…