凍えながら歴史の道を走る~浅間尾根から都民の森

12/26 払沢の滝入口~浅間嶺~お林山~都民の森~数馬

何かと忙しい年末だが、ぽっかりと1日空いたので、お手軽トレールを走りに行こう。
ハセツネのコースは秋川を囲むように、南の浅間尾根を西に走り、三頭山で折り返して、北の御前山~御岳山の尾根を東に走る。この南北の二つの尾根に挟まれた、サンドイッチのハムカツのような尾根が存在する。
それが「浅間尾根」だ。
ハセツネのコースからよく眺めていたが、行ったことはなかった。まだ、雪もなさそうだし、軽く走ってこよう。

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5時半に家をでる。真っ暗。風はないが寒い。ダウンを羽織って、さらにウインドブレーカーを着る。
電車の車窓から日の出を見る。晴れた空に真っ白な富士山。山頂からは雲がたなびいている。

20211226 払沢の滝入口バス停

武蔵五日市駅から藤倉行のバスに乗り、払沢の滝入口バス停で下車。
さむっ。すぐに耳が凍えてチリチリしてきた。ダウンを着たまま出発。
バス停の向かいのちとせ屋さんの左の道路を、払沢の滝のほうへ進む。

20211226 払沢の滝駐車場

払沢の滝の駐車場を浅間林道に沿って、さらに奥へ。
誰もいないと思っていたが、ぽつりぽつりとハイカーの姿が。

20211226 浅間尾根への道標

浅間尾根へのルートは、峠の茶屋まで林道から出たり入ったりする。しかし、要所要所に道標がつけられ、迷うところはない。

20211226 時坂峠付近から東京

時坂峠まで登ると展望が開けてくる。
尾根越しに見えるのは東京の街。左の方にあるのはスカイツリーかな。
暑くなってきたので、ダウンを脱ぐ。でもまだ寒くてウインドブレーカーは脱げない。

20211226 浅間嶺峠の茶屋

峠の茶屋到着。休業中。
ここから本当の登山道が始まる。

20211226 猟犬注意

そう、さっきから気になっていたのだが、遠くで複数の犬が盛んに吠える声が聞こえる。奥多摩は、熊や猪も怖いが、猟犬も怖い。

20211226 峠の茶屋から植林の道

植林のなかの沢沿いの道を行く。植林というだけで暗い感じだが、さらにゴミが投棄されていたり、ワイヤーが散乱していたり、すさんでいる。

20211226 浅間嶺手前のトラバース道

道は沢沿いから浅間尾根の北側をトラバースするようになる。日が当たらないので寒い。手袋をしている指がジンジンしてきた。
北側の展望が良い。左手の御前山と右手の大岳山が大きくそびえる。そして、真ん中にポコッと頭を出しているのは...鋸山か。地味~な山だが「なぜか登りは異様にきつい~鋸尾根から日の出山」、ここでは存在感あり。

20211226 浅間嶺の皆伐地帯

皆伐地帯。走りやすいけど、あまり楽しくないな~。

20211226 落ち葉の下は霜柱

落ち葉の下は霜柱。落ち葉と霜柱をいっぺんにザクザクと進む。

20211226 浅間尾根稜線にでる

浅間尾根の直下で、浅間嶺に向かう道と展望台に向かって直登する道が分かれる。
展望台に向かう道を行くと、すぐに浅間尾根の稜線に出る。そこは広々とした落葉樹の森。浅間高原とも呼ばれるらしい。

20211226 浅間嶺展望台

浅間嶺の展望台ピークに到着。誰もいない。
ベンチに座って富士山を眺めながらおにぎりを食べる。富士山頂からは雲がたなびいている。強い冬型で吹き出した強風が富士山にぶつかって雲がわいているのだ。しかし、ここは不思議なことに、木々を揺らす風の音はするのに、ほとんど風を感じない。

富士山の手前の尾根が、ハセツネの南側の尾根、笹尾根だ。

20211226 浅間嶺の北側の展望

反対側の北側の展望。こちらはハセツネの北側の御前山~御岳山の尾根。
御前山から南東に張り出す御前尾根が立派だ。月夜見沢の下山に使ったことがある(「お手軽だけど倒木が...~月夜見沢」)。

20211226 浅間嶺の祠

展望台から西にちょっと行くと、東屋や祠がある。こちらが浅間嶺の本峰らしい。
本峰の周辺は踏み跡が複数あるが、たぶん稜線に沿って西に進めば、また合流する。

20211226 浅間尾根の道

浅間嶺を越えると、ひたすら起伏の少ないトラバース道が続く。これには理由がある。
この浅間尾根の道は、甲州中道と呼ばれた古い官道で、江戸時代には危険な沢沿いを避けて、物資を運ぶための生活道路として使われていた。そのため荷駄を運ぶための牛馬が通れる道になっている。

走りやすいが、眠くなるほど単調だ。

20211226 浅間尾根、数馬峠の手前で林道を横切る

数馬峠の手前で林道を横切る。
道は風張峠に向けて、徐々に標高を上げている。このあたりから風が当たるようになってきた。
耳が痛い。

20211226 数馬峠付近の観音像

数馬峠付近の観音像。
道の要所要所に、旅の安全を祈願する石仏が祀られている。古の人々の苦労をしのぶ。

20211226 浅間尾根お林山山頂

ピークというより尾根の途中、御林山。
伐採されていて、南側の展望有り。しかし風が強くて寒い。さっさと退散。

20211226 奥多摩周遊道路の切通

ゆるい登りを登ってゆく。そして突然、おわっ、道がなくなった。眼下には立派な舗装道路が。浅間尾根を分断する、奥多摩周遊道路の巨大な切通だ。
正面は崖、左の方に道路に下りる藪っぽいルートがある。

20211226 風張峠への登山道の入り口

道路に下りて、きょろきょろ。道路の向かい側に登山道の続きを発見。

20211226 奥多摩周遊道路からの登り

崖のような切通を下ったので、尾根道にリカバーするには、また崖のような切通を登るのが定め。
しかし、なんだこれは。木の根をつかみながら、体を引きずり上げる。あるいは木の根のジャングルジム。切通じゃなくてトンネルにしてほしかった。

20211226 奥多摩周遊道路の切通からの登りの途中

登っている途中に振り返ると、こんな感じ。

20211226 奥多摩周遊道路から風張峠への浅間尾根

奥多摩周遊道路からも道は尾根をトラバースする。しかし、あまり踏まれていないようだ。ところどころ崩れているが、落ち葉が厚く積もっていて、どこまでが道だかわからない。落ちたら嫌なので、山側を踏むと、落ち葉に隠れた木の根や石につまずく。

20211226 奥多摩周遊道路からの道、崩れている

豪快に崩れている。でも落ち葉がないので歩きやすい。

20211226 鞘口峠と風張峠を結ぶルートに出た

落ち葉をかき分け、風張峠と鞘口峠を結ぶ稜線のルート上に出た。
写真は、のどかな冬枯れの森の雰囲気を醸し出している...ところがどっこい、稜線は山梨側から凍るような強風が吹きつけ、体がよろけるほど。顔が凍りそうになるで風上に顔を向けることもできない。
最短ルートで下山しよう。

稜線上はやはり落ち葉が厚く積もり、足元がおぼつかない。顔を上げると強風で顔が痛い。寒いよ~。指と耳が痛いよ~。

20211226 都民の森、里山の路へ

下を見て黙々と歩いていたら、1302ピークへの分岐を行き過ぎて慌てて戻る。
1302ピークへちょっと登り返したところに、都民の森の里山の路への道標。ここからはもう下るだけ。

20211226 里山の路展望台

少し下っただけで、風が弱くなった。
里山の路展望台から奥秩父の山を眺める。風が強い方が山がきれいなんだよな...

20211226 都民の森の売店

人影はまばらだが、都民の森の売店は営業していた。
さあ、あとひと走り。

20211226 奥多摩周遊道路から数馬へのトレール

いったん奥多摩周遊道路を走り、そしていつものこの道標から数馬へのトレールへ入る。

20211226 奥多摩周遊道路から数馬へのトレール

走り慣れた沢沿いの道を行く。集落の跡があったり、橋があったり。ここはもちろん右だ。

20211226 蛇の湯温泉たから荘

数馬の湯まで走るつもりだったが、蛇の湯温泉たから荘が営業していたので、ここで終了。温泉に入ろう。

泉質はなめらかな単純泉。森に囲まれた湯屋がよし。
数馬バス停が近いので、バスの発車時刻ギリギリまで湯につかる。

(完)

参考:
払沢の滝入口8:06-9:27浅間嶺展望台9:32-10:56御林山先鞍部11:00-11:29風張峠分岐-12:35蛇の湯温泉たから荘

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