名前に惹かれて登る沢~恋ノ岐川から平ヶ岳(1)
10/6 恋ノ岐橋~恋ノ岐川~オホコ沢出合
沢の名前は数知れずあれど、「恋ノ岐川」ほど耳に残る名前も少ないだろう。私のまわりには、どんな沢だか知らないが、名前に惹かれて登ってみたいという人もいるくらいだ。その平ヶ岳に源を発する沢に登ってみた。
只見川に注ぐ恋ノ岐川はアプローチが極めて悪い。入渓点と下山場所が離れ、公共交通機関もない。あぁ、恋とはなかなかかなわぬものか…。そんなことはどうでもよろしい。今回は車で入渓点の恋ノ岐橋まで送ってもらった。ご丁寧に橋には標識があった。
橋の脇から沢に下りると、そこは沢というより川だった。穏やかな流れの川に沿って、ゴーロの河原をときには膝まで水に浸かりながら、ひたすら歩く。完全な曇り空だが水が冷たくないのが救いだ。
10月の沢に花なんて咲いていないかと思っていたが、岩の割れ目に根を張った大文字草がちょうど盛りだった。蝶まで飛んでいた。
ゴーロを1時間ひたすら歩き、うんざりしたので休憩。今日のメンバーにははるばる和歌山からの参加者がいて、お土産に柿の葉ずしを持ってきてくれた。いつも山ではピーナツチョコや一口羊羹ばかり食べている私にとって、すごいご馳走だ!
ときどき小さな滝や、ゴルジュっぽいところはあるものの、基本的にゴーロ歩きが続く。両側の岩が立っていても、すぐその上は台地になっていて、開放感がある明るい沢だ。
滝は水量が多いが、ホールドが豊富でホイホイと登ってしまう。
釜が多く、それも深い。水に入りたくないので一つ一つへつってかわす。それにしてもこの水の色はまるでバスクリン。
時折、開けた広い流れとなる。この辺りはサイト場が豊富だ。
清水谷出合をすぎると雰囲気が変わる。ゴーロが終わり広い滑床になる。両岸は低く、明るい広葉樹の原生林が広がる。テントを張れる場所もたくさんありそうだ。
ナメは続く。レースのカーテンのように水が流れる。私のステルスの靴が岩に吸い付くように決まる。気持がいい。
あまりの快適さに深い淵を何も考えず巻こうとしたらはまった。左岸から巻こうとしたのが失敗だった。傾斜がどんどん急になり、藪の中でも滑って沢に落ちそうだ。藪の中の心細い潅木を3本束ね、支点にして懸垂で沢床に下りる。
またまたゴーロが続く。それも場所によっては、「エイショ、コラショ」と言って乗り越える大きいゴーロでうんざりする。ただただ単調で標高1000mから先はとても長く感じる。そうこうしていると、沢屋に追いつかれた不幸な第1釣り人発見。40cmはある岩魚を1匹持っていた。魚影がないのはこの釣り人のせいかと思ったが、この人も今日はなかなか釣れずこの1匹のみとのこと。今日は魚が動かない日らしい。
いくつも小さな滝はあるが、特に緊張することもなくヒョイと越える。まわりの木が紅葉し始めているのがうれしい。
上流から流れてきた秋のしるし。
軽快に登れる小滝が続く。
今日のサイト場のホオコ沢出合は近い。でもどんどん雲が下がってきて、稜線は完全に灰色の雲の中。おかしい、明日は晴れるはずなのに…。とにかく急ごう。
オホコ沢出合に到着。恋ノ岐は変わった名前だが、「オホコ」もかなり意味不明だ。左から流れ込むのがオホコ沢で、ここから台倉清水にエスケープできる。
焚き火を抜きにして沢の一夜は明かせない。が、大きな薪が全くなく、細かい流木も濡れていて、なかなか本調子に火がつかない。いい加減あきらめかけた頃、やっと炎が大きく上がった。良かった…これでパンツを乾かせる…。ウインナーも焚き火であぶって食べるとめちゃめちゃうまい。
宴もたけなわな頃、ついにポツリポツリと降ってきた。強制散会。明日の水量がちょっと心配だ。
(次回に続く)
綺麗な水!と思ったら、バスクリンとは…恐れ入りました
初秋の沢は、緑と紅葉の静かなコントラストが良いですね◎
岩と砂利は大変そうですが、水音を聴きながら行くのは気持ちがいいでしょうね
オホコ。どんな意味なんだろう?
桃苺さん、こんばんは
沢の水の色は本当に不思議です。
ここは緑だったのですが、青い沢もあります。
例えばここ、
http://geotrek.seesaa.net/article/53079444.html
秋の沢は紅葉がきれいなので好きです。でもいつもかなり寒い思いをします…
↑↑今見てきました!
すごい青!
すっごい綺麗!あんなかっこいい場所があるんですね
わー、感動した!