ハセツネ前半試走完全版~武蔵五日市駅から三頭山
6/12 武蔵五日市駅~市道山分岐~生籐山~三頭山~鞘口峠~数馬の湯
今年も無事にハセツネにエントリーできた。台風、コロナと二年連続で中止になり、参加料を払うだけで終わってしまったが、ワクチン接種が進んでおり、さすがに今年は開催されるだろう(台風がこなければ...)。
気合を入れて試走をしなければならない。
しかし、日中の気温が25度を超え、低山を走るには暑い季節になってきた。暑いのは嫌い。夏前のハセツネの試走はそろそろ終わりにしよう。
と言うことで、シメとして武蔵五日市駅から三頭山のハセツネ前半の試走に行く。前回は武蔵五日市駅から槇寄山だったので(「新緑のハセツネ前半試走」)、今回は、いわばハセツネ前半完全版である。
手元のガーミン先生によれば、武蔵五日市駅から三頭山に登って、ゴールの数馬の湯まではおよそ38km。長い一日になりそうだ。
始発列車で武蔵五日市駅に向かう。空はすでに明るく、空気はすでになまあたたかい。
早朝の武蔵五日市駅。バスを待つハイカーで賑わうところだが、今日は朝早いのでまだ人は少ない。
6:16スタート!でも、なんとなくだるいので、体が目を覚ますまで、ちんたらちんたら歩く。
檜原街道をはずれたところから走り出す。そしていつもの広徳寺。
どんよりとした曇り。陽射しはない。前回の輝く新緑とは打って変わり、緑が沈んで見える。
今熊神社の手前の民家の生垣から顔をのぞかせるホタルブクロ。
はじめて本格的な山に登ったのは、たしか小学校3年生のとき、北岳だ。登山道の傍らにホタルブクロがたくさん咲いて、これが高山植物か!と感動したのだが、意外とどこでも咲いていることをのちに知る。
いつもの今熊神社に到着。参拝してトレール開始。
登り始めるなり、額に汗、Tシャツもジワリと濡れてゆく。陽射しはないが湿度が高く蒸し暑い。先が思いやられる。
登り切って、今熊山手前の休憩所。トイレタイム。ここで行っておけば、おそらく今日は下山まで行く必要はないだろう。
ここで相棒とトップ交代。前回の試走も一緒に行っているので、ペースを考え、テンポよく行ってくれるだろう...。あっ、いきなりルートを間違えて今熊山山頂に向かう...。
今日は長いので巻いていく。
無人の入山峠。まだ誰ともすれ違わない。
それにしても暑いぞ~。帽子をかぶった頭も蒸れてきた。
薄暗い森の中で、浮かび上がるようにたくさん咲いている。
相棒は期待にたがわず、トッキリ場分岐でためらいもなく間違ったほうに走っていく。前回、ここは間違いやすいから注意するように、って言ったでしょう。低山で道迷い遭難する人って、こういうタイプなのかな...
10km地点通過。
市道山分岐手前の急登のトレールわきに、キイチゴが摘みたい放題。相棒に声をかけるが、わき目もふらず登っていってしまった。もっとゆっくり行かないと最後にばてると言っているのに...。まあいいや、ブチブチ摘んで口に放り込む。甘かったり酸っぱかったり。野生の木の実は、みんな味が違うんだよね。
相棒のために少し手に持って、いそいで追いかける。
市道山分岐。
あっ、相棒は反対の市道山のほうへものすごい勢いで行ってしまった。お約束はもういいです!大声で呼ぶが声が届かない。君は前回もここで間違えたでしょう。
ザックを下ろして休憩とする。後ろの熊鈴の音が聞こえなければ戻ってくるでしょう。
トボトボと戻ってきたところで出発。
白い蛾と緑の葉っぱ。ちょっとアーティスティック。こんな壁紙があってもよさそう。
新緑の季節の次は、虫の季節かな。
だんだん雲が切れてきて、生籐山からは富士山が見えた。
晴れ間はいいが、陽が射すにつれて、暑さもうなぎのぼり。
こんなところ走ってないで、目の前に見えている吉田大沢でも滑りたい。
前回同様、相棒のペースは市道山分岐を越えたあたりから大幅ダウン。
うなだれて軍刀利神社の部活坂を登る。
はい、きました。参拝して通過。
なぜかこの辺りはダニが多い。
24.7km、日原峠通過。
相棒は復活してペースが戻ってきた。
なんにもない25km地点。
だんだん水が心配になってきた。今日は怪我をしたときの洗浄用もあわせて2リットル用意した。しかし、暑さのためにこの時点で半分以上使っている。この先、まだ気温も上がるし、三頭山の登りも待っている。残りを計算しながら必要最低限飲もう。
土俵山からみるハセツネ後半の稜線。秋~春はすっきりと眺められるが、今はなんだか暑苦しい。
日原峠で復活した相棒は、ますますペースを上げる。まだ三頭山は遠いのに。
ここはどこだか分かっている?と聞くと、三頭山の手前です、と。そりゃそうだけど…
30km地点。
相棒と徐々に差が広がり、見えなくなってしまった。
始めはついていったが、キロ7分を切るペースとなった時点でやめた。あなたは、上田瑠偉選手ですか。こんなのについていったらこちらが潰れる。
水を制限しているせいか、右足がつりそうだ。それをかばっていたら右足の土踏まずも痛くなってきた。マイペースでのんびり走る。
槇寄山山頂で相棒が待っていた。
んじゃ、本日最大の山場、三頭山を登りますか。
相棒に、調子が悪いのでゆっくり行くから先に行って、と言うと、
「えっ、もう走れない」
へ?今のラストスパートだったの?ゴールはまだ先よ、ここ3回目だからわかってるよね?
なんだかよく分からないことになっている。とりあえず、下りるか進むかと聞くと、ゆっくり登る、というので進むことにする。
相棒の登りの足は完全売り切れ。急斜面を10m登っては立ち止まって一息つき、座れるところがあれば、座って休憩。なんとか三頭山避難小屋までやってきた。
相棒曰く、ここはどこですか?いや、君、3回目ですよ。ちょっと心配になるが、熱中症ではないよう。
すっかり晴れた。躍動感あふれ清々しい初夏の森。
小屋のテラスに横たわる。あ~、疲れた。目を閉じると今にも寝落ちしそうだ。このまま眠ったらどんなに幸せだろうか。でも目が覚めたら辺りは真っ暗だろう。
心を鬼にして出発。
どうなることかと思ったが、14:37三頭山到着。
山頂から石尾根の山々を望む。なんども来た山頂だが、この景色を見た記憶はない。もしかして晴れたのは初めてだろうか。
下りは快調にとばす。あっというまにハイカーで賑わう鞘口峠。
ただ、右足の状態はさらに悪く、足をつくたび土踏まずが痛む。今まで感じたことの無い痛み。これが足底筋膜炎というやつだろうか。
鞘口峠から都民の森に下山。コロナで閉鎖されていた都民の森の施設も再開している。
水は残り300ml。ギリギリだな。本番の給水は、さらに先の風張峠までないので、10月でも2リットルは準備すべきか。
都民の森から数馬に向かう。都民の森を出て、いったん奥多摩周遊道路の路肩を走り、右手にある写真の道標を目印に三頭沢沿いのトレールに入る。
しかし、ここで最後のお約束。相棒は、道標を無視して、スピードを落とすことなく道路を駆け下り、カーブの先に小さく消えていった。足が痛いので追いつけない。仕方なく、分岐で腰を下ろして待つ。5分ほどすると、トボトボと坂道を登り返してきた。
再開した数馬の湯にゴール。
やっぱり、温泉はいいな~。ひと風呂浴びて、ビールのかわりにコーラをグイッといって、帰途につく。
武蔵五日市駅へのバスは空いていた。しかし、車両の中央付近でソーシャルディスタンスを守って座っている4人の熟女の皆様が、マスクをしながらも、バスの騒音に負けない大声で、通路を隔てて話をし、大笑いをしている。これってエアロゾルとばしまくりなのでは?
周囲の人々は微妙な雰囲気の中で沈黙していた。
参考:
武蔵五日市駅6:16-8:50市道山分岐8:59-10:30生籐山10:40-12:10日原峠12:21-13:27槇寄山13:32-14:47三頭山14:53-15:41数馬
(完)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…