山を越えて富士五湖へ~本社ヶ丸から河口湖アルプス(1)
10/24 笹子駅~本社ヶ丸~御坂山~鬼ヶ岳~根場
自分の足で山を越え、富士を仰ぎ見て、富士五湖に至る。ロマンがある。以前走った甲相国境もそうだ(「丹沢から山中湖へ走り抜ける」)。
だいたいみんな、富士五湖エリアに行くには、富士急行か高速バスを使う。そこを自分の足で行くのはロマンがある。
ということで、中央線笹子駅から本社ヶ丸山を越え、西湖を目指す。
笹子駅にやってきた。下りたのは私の他1名。人影もない静かな駅だ。
今日は3時50分に起きて、真っ暗な時分に家を出たので、眠い。しかし、空は眠気を吹き飛ばすような快晴だ。
7:27、行動開始。
駅の裏手の細い道をしばらく行くと、ささやかな道標があった。ここが登山口だ。
ひたすら植林の森の作業道を登ってゆく。
本日最初のピーク、庭洞山。植林の薄暗い森の中の、ピークらしくないピーク。
空気はひんやりしているが、上り坂ではちょっと汗ばむ。
林道に出た。ここを左手に行くと、すぐ右手に登山道が始まる。
林道から上は、植林が終わって明るい広葉樹林になる。いい感じ。紅葉を期待していたが、まだ早いようだ。
露岩が現れると主稜線は近い。
角研山の分岐。主稜線に出た。道標はきちんと整備されている。
主稜線は、露岩交じりの細い尾根が続く。しかし、危険なところはない。
軽く走る。
送電線鉄塔が立つ開けた場所に出る。ここからは絶景だ。
北を見れば、以前縦走した大菩薩峠から小金沢連嶺(「紅葉のち倒木~大菩薩峠・小金沢連嶺」)が一望できる。
彼方には南アルプス。まだ10月なのにもう雪をかぶっている。
もうひと登りで本社ヶ丸。紅葉が始まっているかな。
おお、隠れていた富士山もついに姿を現す。
9:29、本社ヶ丸山頂到着。
すげ~、絶景、好展望の山頂だ。冬に降雪の後に来てもいいだろうな。
おにぎりタイムにしよう。
本社ヶ丸は、「ほんじゃがまる」と読む。じゃがまるだよ、じゃがまる。でもポテトじゃないよ。
名前の由来は、山腹に舟形明神の本社があったからというが...
江戸時代に書かれた「甲斐国誌」の巻之三十六の、
「御本社山の中腹に舟形明神の古社地あり」
という記述に基づくのだろうか。だったら「ほんしゃがまるやま」が自然だと思うが...
山頂から急な下りになっていて、ちょっとルートが分かりにくい。
軽く岩場も楽しめる。
正面にこれから行くルートが見渡せる。
こんもりと大きな御坂山、そしてその先右側には、とんがった黒岳。
左手には、大きな富士山が見えている。そして手前に電波塔の立つ三ツ峠山。三ツ峠は昔はよく行ったが、転職して仕事が忙しくなってから、もう6,7年はご無沙汰だ(「三つ峠、おひさしぶり!」)。
日射しは強いが、日陰は寒い。霜柱が融けずに残る。
見晴らしは悪いが、なんだか清々しい清八山。
清八山の分岐で三ツ峠への道を南に分ける。そして、私は直進し、御坂山へ向かう道へ。このルートは「河口湖アルプス」というらしい。この道標で初めて知った。ブログのタイトルに使わせてもらおう。
河口湖アルプスに入ってから、岩交じりの細い尾根道から、樹林の広い尾根の良く踏まれた道になった。一般道から高速道路に入った気分で、快適に走る。
鉄塔と道標以外何もない、薄暗い八丁峠。
先の「甲斐国誌」には、大幡から藤の木に至る道が八丁山の少し下にあって、それが八町(およそ870m)あるんだよ~、と書いてあるので、その道がこの八丁峠を通っていたのかもしれない。870mは短すぎる気もするが...
快適な道が続く。心なしか紅葉の色も濃くなっている。
ただ、道がぬた場のような泥道になっているところがしばしばあらわれる。たくさんの獣の通った跡ででこぼこしていて、足をとられる。
ときどき木々が切れて、富士の全景が見える。河口湖も見えてきた。
ムンクの叫びのように見える?木の洞。
御坂山の手前で、また露岩がでてきた。日本庭園のようで美しい。
御坂山山頂に到着。
林の中の広場。奥多摩や中央線沿線の山は、バイクや車の音がうるさいのだが、ここでは全く聞こえない。静寂そのもの。
腰掛けるのちょうどいい石もある。ザックを下ろして、静けさに浸りながらおにぎりを食べる。
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…