国境を越えてプエルト・ナタレスへ~南米・パタゴニアの旅(9)

12/31 エル・カラファテ~プエルト・ナタレス(Puerto Natales)

前回の続き)

今日はまたバスの長い移動だ。国境を越え、パイネ・トレッキングの拠点、チリのプエルト・ナタレス(Puerto Natales)へ向かう。

移動に備え、薬を飲んで熱を下げる。熱は落ち着いてきたものの、喉がガラガラで声がでない。ただでさえ通じにくい英語が、ガラガラ声でますます通じなくなった。

101231エル・カラファテ風で斜めになった木

パンとバナナとヨーグルトの朝食をとり宿をでる。今日も天気がいいが、風が強く今までになく寒い。ダウンの上着を羽織る。熱のせいか木が斜めに見える…のではなくて、本当に斜めに生えている。一年中、同じ方角から強い風が吹いているためだ。

101231エル・カラファテバスターミナル

バスターミナルはバスを待つ大勢の観光客で賑わっていた。その横では野良犬が寝ている。そう言えば野良犬が多いな。街では通りをとぼとぼと歩いている野良犬によくあう。

バスは時間通りにやってきて、時間通り8:30に出発した。さようなら、寝ていただけのエル・カラファテ…。車内で配られたチリの入国申告書をぼ~っと眺めていたら、隣のポーランド人のお兄さんが、困ったことがあれば手伝うよ、と話しかけてきた。よっぽど具合が悪そうに見えたに違いない。

101231チリアルゼンチン国境パタゴニアの山々が近づく

相変らず草原の一本道を行くが、遠くに白い山が見えてきて、それがだんだん近づいてくる。しかし、強烈な日差しがまぶしいので、みんなカーテンを閉めていて景色がよく見えない。それなのに、それなのに、なぜか私の宿敵、クーラーが入っている。クーラーの風を防ぐため、ダウンの上着一枚で足と体を覆うのにかなり苦労した。

101231チリアルゼンチン国境イミグレ
はげた山のスキー場のような丘の中腹に入国管理事務所がある。(後で調べたら本当にスキー場だった。)バスの乗務員に言われるがままバスを降り、列に並んだらいつの間にか出入国手続きがすんでいた。これで終わりかと思ったらバスで5分くらい移動して、税関手続きがあった。
 ここでこの旅初めて日本人バックパッカーに会う。と言っても北米在住だそうで、「近いですね~」、と言ったら、「それなりに時間かかりますよ。」と。まあ、そうですね。

101231プエルト・ナタレスに入る

税関手続きを終え、バスは再び走り出す。そして、峠を越えるとパッと風景が一変する。今までの乾いた荒野は消えうせ、花の咲く草原が広がり、その向こうには青い湖(実は海だった)が広がり、さらにパイネの山々が連なる。すばらしい景色だ。

101231プエルト・ナタレスの街並み

出発して6時間。14:30、プエルト・ナタレス着。平屋の小さい家やショップが建ち並ぶ、明るくてかわいい街だ。ひんやりとした空気がすがすがしい。一方、私はバスの疲れか、また熱っぽくなった。明日からパイネトレッキングの予定だったが、これじゃ無理だ。

101231プエルト・ナタレスBusSur
すぐにBus Surのオフィスに向かう。ここから週に3便しかない、ウスアイア(Ushuaia)へ行けるバスのチケットを買わなければならない。もし買えなければすぐにリオ・ガジェゴスに戻らなければならない。でもあっけなく買えた。英語は通じなかったけど。これで最大の懸案は解消した。

地図を頼りに今夜の部屋を予約してある「Lili-Patagonicos」に向かう。チェックインすると同時に、トレッキングができなくなったので明日の宿を探している、と伝えると、ここはいっぱいだから他を予約しよう、と言ってその場で近くの宿を予約してくれた。南米にしては仕事が早い…。

101231プエルト・ナタレス、スーパーマーケット
水とお金がないので街に出る。これがManuel Bulnes沿いにあるスーパーマーケット。味噌なんぞはないが、たいがいの物はうちの近所のヨーカドーより品揃えがいい。トレッキングの食料はここで揃う。値段も日本に比べれば安い(キウイ1Kg60円くらい)。しかし、激混みでレジを通過するのに20分もかかった。
 お金は銀行、もしくは薬局のATMで。両替商は日本円を扱っていないうえに、レートがカラファテよりかなり悪い。

101231プエルト・ナタレス、アウトドアショップ
スーパーの向かいにあるアウトドアショップ。ガスカートリッジからウエア、靴までトレッキングに必要なものは大体揃う。裸でここに来てもお金さえあればトレッキングできる。しかし、アイスクライミングの姿が看板にあるものの、アイスアックスは売ってなかった。

101231プエルト・ナタレスPicadaDeCarlitosでの夕食
7時くらいにお腹が減ってきたので夕食にする。まだ時間が早く、ほとんどのレストランは開いていない。かろうじて開いている店を見つけて入る。風邪引きに優しい、アスパラガスのスープとトマトソースのフェットチーネを頼む。ああ、うめ~。暖かい食事をするのは、ブエノスアイレス以来、4日ぶりだ。

参考

バス:エル・カラファテ~プエルト・ナタレス
毎日、朝、昼と1日2、3便ある。
Cootra社のバスは8:30発、所要時間5~6時間 A80$
宿:Lili-Patagonicos
個室とドミがある。部屋はとてもきれい。従業員は親切で仕事が早い。
洗濯機はないがラウンドリサービスがある。1Kg C1700$(ざっくり1000$=170円)
テントなどのトレッキング装備のレンタル有
パイネ国立公園へのバスのチケットの手配可能
インターネットはPCが2台あるので、すぐ使えることが多い
ホームページ(http://www.lilipatagonicos.com/eng/inicio.html)

次回に続く)

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