あっ、元旦だった~南米・パタゴニアの旅(10)
1/1 プエルト・ナタレス
(前回の続き)
今日は予定がない。9時過ぎに起きて宿の朝食を済ませた後、宿のPCからブログに新年の挨拶を書き込む。そして、チェックアウトして、昨日予約してもらった宿に移動。そこは独房タイプのシングルルームが並ぶ安宿で、英語は全く通じずスペイン語の実地訓練となる。
ツアーなら参加できそうなくらい調子が良くなってきたので、昼食がてら旅行会社でパイネのグレー氷河のツアーを申し込もうと街に出る。が、昨日、賑わっていた街は全くひとけがない。車も走っていない。店もすべてシャッターが下りている。どうしたことだ?と、今日は元旦だと改めて気付いた。まさかこんなすべて休業状態になるとは…ゴーストタウンのようだ。ツアーを探すどころじゃない。
しゃーない。何もないなら散歩するしかない。とりあえず海のほうへ歩き出す。風は弱く、空は青く、暖かい。
これは何の看板だろう?
今パタゴニアは短い夏の真っ盛り。あちこちの家にこの白い花の咲く木が植えられている。
ここでどうしてプエルト・ナタレスの街がかわいい街並みに見えるのか分かった。もちろん風光明媚な場所に、小さな民家や商店が軒を連ねているというのは大きな理由だ。しかし、それだけではない。他の国でよく見られる(日本にはない)中がのぞきき込めない高い塀や、塀の上に貼り付けられる侵入防止のガラスの破片、そして商店の窓の鉄格子といったものがないからだ。ここは治安がいいのだろう。
白い花を近くで見るとこんな感じ。
道端に生えているタンポポも満開。タンポポも夏の花。
目抜き通りを真っ直ぐ歩いてきたら海に出た。ウルティマ・エスペランサ湾だ。海岸に沿って遊歩道がある。観光客と思しき首からデジイチをぶら下げた人がうろうろしている。私と同じく、当てが外れて散歩しているに違いない。
海には遊覧船が浮かび、その向こうにはパイネの山々。対岸がずっと見えるので海ではなくて湖のようだ。実際、チリ側のパタゴニアはフィヨルド地形になっていて、海岸線が入り組み川や湖のようになっている。このウルティマ・エスペランサ湾も細い水路を通じて外洋とつながっている。
もちろん今日は遊覧船も休み。せめて桟橋にあがってみる。青い海、青い空、風に流される白い雲。時々、風に乗った海鳥が視界を横切る。
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…