清朝の集落から金門島最高峰・太武山へ~金門島、台湾一周(6)
2/13 金城~山后民俗文化村~太武山~沙美~金城~九宮坑道~金城
(前回の続き)
今日は、まず、金門島の北東のはずれにある、山后民俗文化村を訪ねる。清光緒26(1900)年に建てられた、清の時代から残る集落だ。
そしてそのあとは、剣潭山に続く、Google Mapで行くハイキング第2弾、金門島最高峰・太武山に登る。
この二つを効率よく回るにはどうしたらいいか、バスの時刻表と路線図と長い時間にらめっこをした。
5:50に目覚ましが鳴る。外を見れば濃い霧で街灯がかすんで見える。天気予報は曇り時々雨。とりあえず出発。
冷たく湿った空気。ユニクロのパーカーを羽織る。
金城のバスターミナルの周辺で朝食をとろうと思ったが、開いている店なし。ファミマでおにぎりを買う。1つ50元(約210円)と高いが、縮小しつつある日本のコンビニのおにぎりの1.5倍くらいの大きさがある。
3人の乗客を乗せ、6:40に沙美行きのバスは出発。途中で明るくなり、濃霧を通して丸い太陽が昇ってきた。
バスはまっすくぐ進むのではなく、バス停で切り返したり、小さなロータリーをまわったりと、乗客の方向感覚を狂わせながら行く。
予定より10分早く、沙美バスターミナルに到着。
台湾では、バスが遅れることも多いが、時間より前に行ってしまうこともある。要注意!
ここでバスを乗り換える。沙美から目的地の山后に行くバスは1~2時間に1本しかない。
バスの出発まで時間があるので、ターミナルのまわりを散策する。
コンビニはどこにでもある。心強い。
7:35、31番バスに乗り出発。また霧で景色が見えなくなる。
と、霧の中から突然、山后民俗文化村の門が現れ、バスはその横を通り過ぎていく...
あれ!?バス前方のディスプレイと車内アナウンスに注意していたが、聞き逃したかな??
どうしようかと戸惑っていると、バスは空き地に入ってUターンして来た道を戻る。なんだかよくわからないがブザーを押し、さっき通り過ぎた山后民俗文化村の門の前でバスを下りる。
やっぱりアナウンスはなかった。危なかった。
予定より10分早く、7:50に到着。開門は8時。まだ開いていないかと思ったが、自由に入れた。
反り返った屋根、赤いレンガと瓦の独特な形をした同じ大きさの家が、隙間なくならんでいる。
裏に回ると、壊れかけた家もある。建てられてから100年以上経っているのでさもありなん。
霧に濡れる桜。寒い。
裏手には、庭園?があってあずま屋もある。時間はたっぷりあり、とりたててすることもないので休憩。
全体図。
集落のまわりを一周したので、中に入ってみる。
今も住人がいて、土産屋や飲食店もあるがまだ開いていない。観光客も2,3人見かけるだけ。家に挟まれた通路は静まり返っている。
霊廟だろうか?
集落の正面から。公共施設や飲食店がある。
できるだけゆっくり、すべての通路を通るように集落を見たが、40分で見つくした。
バスを下りた門の前で、次の目的地に向かうバスを待つ。
問題は、こちらか対面かどちらのバス停にバスが停まるかだ。来た時のバスの挙動だと両方ともありうる。
バスがやってきて対面のバス停にとまった。
いっしょにバスを待っていたおばあさんと、慌てて道を渡ってバスに乗る。
陽翟山バス停で下車。晴れ間が見えてきた。
Google先生と相談した結果、太武山に登るためには陽翟山バス停で下車して、後山登山口まで歩けばよかろう、ということになった。
あれかな?
Google先生に導かれながら、田舎道をとぼとぼ歩く。
たぶん、後山登山口。陽翟山バス停から20分くらい。
霧はすっかり晴れ、日射しが強い。パーカーを脱ぎ、帽子をかぶり日焼け止めを塗る。
金門島の最高峰、太武山は標高253m。金門島を東西に横切る丘陵のピーク。主な登山口は、前山、後山、蔡厝古道、斗門古道の4つ。
丘陵を完全縦走するのであれば、前山から登って後山で下山、あるいはこの逆のルートを取ればいいが、すべて舗装道路でつまらない。そこで、後山から登って、蔡厝古道のトレールを下ることにする。
ゆるゆるとコンクリ道路を登る。道路わきに軍事施設がぽつぽつとあるので、軍用車両が走るためにコンクリートで舗装されているのだろう。
木陰が少なく、コンクリートの照り返しがきつい。Tシャツでも汗をかく。朝の寒さがうそのよう。
コンクリ道路から左手に分岐。Google Mapに「観日歩道」とある道の入り口。崖だから気をつけろ、と書いてある。
まじか?なんだあのステップ!?滑落しないほうがおかしい。
と思ったが、柵であそこには行けないようになっていた。しかし、あの先には何があるのだろう...気になる。
こちらが正解ルート。
安心してください!柵があるので安全です!
右手の崖は半端ないけれど。
ここを進むと展望台に出て、またもとのコンクリ道路に戻る。
道路わきには、文字が刻まれた岩が多数。なんと書いてあるかはわからない。
左下に池が見える。太武池のようだ。
細い道を湖畔に下りる。池をまわる踏み跡があったので、少し行ってみた。かなり藪っぽく蛇が出そうなので、すぐ引き返した。
ピョコの上にトーチカ。現役っぽい。
花と言えば、道端のスミレが目に付く。
仏像とビルが現れる。海印寺。寺と言うより観光地。
トイレに寄って、さらにコンクリ道路を歩き続ける。
次々と文字が刻まれた岩が現れる。
Google Mapに「毋忘在莒」と記されている場所。これは蒋介石の書で、「毋忘在莒」とは、この地にあって中国本土を取り戻すことを忘れるな、という意味があるらしい。
多くのハイカーが岩の前で写真を撮ったり、木陰で休んでいたりする。平日なのに人がとても多い。いつもこうなのか?それとも昨日の金門マラソンに参加した人々なのか?
岩々した丘陵は西に続く。
倒影塔の展望台。ここから対岸の中国の街が見えるとのことだが...今日はもやがきつくて全く見えない。
この展望台は、木陰で覆われ、岩もしっとり湿っていて、涼やかな風が吹き抜け、とても心地よい。
コンクリ道路はこの丘陵に沿って、前山の登山口に至るが、私はここで引き返す。
海印寺まで戻って、蔡厝古道から下山する。
この道もスミレが花ざかり。
途中、「元碑」がある。なんだかよくわからない。
それよりも、岩の後ろの藪から人が下りてくるのが気になる。行ってみる。
方向からすると、稜線にでて最高点に至る踏み跡のようだ。しかし、途中で有刺鉄線をくぐっているので、そこで引き返した。おそらく稜線は軍の管理下にある。
広いスラブ道。花崗岩に見えるが、こんな島の露岩が花崗岩というのが不思議。
百二階という地名があり、何かと思えば、ひたすら石段が続いていた。
蔡厝古道は石段が大半と言ってもいい道だが、森の中で、稜線のコンクリ道路よりずっと快適。
無事下山。蔡厝古道の登山口。
小さな集落を抜けて、蔡厝バス停。
立派なバス停はあるがバスはほとんど来ない。ここから沙美の街まで歩く。
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…