清朝の集落から金門島最高峰・太武山へ~金門島、台湾一周(6)

2/13 金城~山后民俗文化村~太武山~沙美~金城~九宮坑道~金城

前回の続き)

今日は、まず、金門島の北東のはずれにある、山后民俗文化村を訪ねる。清光緒26(1900)年に建てられた、清の時代から残る集落だ。
そしてそのあとは、剣潭山に続く、Google Mapで行くハイキング第2弾、金門島最高峰・太武山に登る。
この二つを効率よく回るにはどうしたらいいか、バスの時刻表と路線図と長い時間にらめっこをした。

5:50に目覚ましが鳴る。外を見れば濃い霧で街灯がかすんで見える。天気予報は曇り時々雨。とりあえず出発。

20230213 金門島、夜明け前の金城

冷たく湿った空気。ユニクロのパーカーを羽織る。
金城のバスターミナルの周辺で朝食をとろうと思ったが、開いている店なし。ファミマでおにぎりを買う。1つ50元(約210円)と高いが、縮小しつつある日本のコンビニのおにぎりの1.5倍くらいの大きさがある。

3人の乗客を乗せ、6:40に沙美行きのバスは出発。途中で明るくなり、濃霧を通して丸い太陽が昇ってきた。
バスはまっすくぐ進むのではなく、バス停で切り返したり、小さなロータリーをまわったりと、乗客の方向感覚を狂わせながら行く。

20230213 金門島、沙美バスターミナル

予定より10分早く、沙美バスターミナルに到着。
台湾では、バスが遅れることも多いが、時間より前に行ってしまうこともある。要注意!
ここでバスを乗り換える。沙美から目的地の山后に行くバスは1~2時間に1本しかない。

金門懸即時公車動態系統

20230213 金門島、沙美のセブンイレブン

バスの出発まで時間があるので、ターミナルのまわりを散策する。
コンビニはどこにでもある。心強い。

7:35、31番バスに乗り出発。また霧で景色が見えなくなる。
と、霧の中から突然、山后民俗文化村の門が現れ、バスはその横を通り過ぎていく...
あれ!?バス前方のディスプレイと車内アナウンスに注意していたが、聞き逃したかな??
どうしようかと戸惑っていると、バスは空き地に入ってUターンして来た道を戻る。なんだかよくわからないがブザーを押し、さっき通り過ぎた山后民俗文化村の門の前でバスを下りる。
やっぱりアナウンスはなかった。危なかった。

20230213 金門島、山后民俗文化村バス停

予定より10分早く、7:50に到着。開門は8時。まだ開いていないかと思ったが、自由に入れた。

20230213 金門島、山后民俗文化村に入る

反り返った屋根、赤いレンガと瓦の独特な形をした同じ大きさの家が、隙間なくならんでいる。

20230213 金門島、山后民俗文化村の壊れた家

裏に回ると、壊れかけた家もある。建てられてから100年以上経っているのでさもありなん。

20230213 金門島、山后民俗文化村の桜

霧に濡れる桜。寒い。

20230213 金門島、山后民俗文化村の裏手の庭

裏手には、庭園?があってあずま屋もある。時間はたっぷりあり、とりたててすることもないので休憩。

20230213 金門島、山后民俗文化村の全体図

全体図。

20230213 金門島、山后民俗文化村の集落の中

集落のまわりを一周したので、中に入ってみる。
今も住人がいて、土産屋や飲食店もあるがまだ開いていない。観光客も2,3人見かけるだけ。家に挟まれた通路は静まり返っている。

20230213 金門島、山后民俗文化村の霊廟?

霊廟だろうか?

20230213 金門島、山后民俗文化村の正面

集落の正面から。公共施設や飲食店がある。

できるだけゆっくり、すべての通路を通るように集落を見たが、40分で見つくした。

バスを下りた門の前で、次の目的地に向かうバスを待つ。
問題は、こちらか対面かどちらのバス停にバスが停まるかだ。来た時のバスの挙動だと両方ともありうる。

バスがやってきて対面のバス停にとまった。
いっしょにバスを待っていたおばあさんと、慌てて道を渡ってバスに乗る。

20230213 金門島、陽翟山バス停

陽翟山バス停で下車。晴れ間が見えてきた。

Google先生と相談した結果、太武山に登るためには陽翟山バス停で下車して、後山登山口まで歩けばよかろう、ということになった。

20230213 金門島、太武山遠望

あれかな?
Google先生に導かれながら、田舎道をとぼとぼ歩く。

20230213 金門島、太武山後山登山口

たぶん、後山登山口。陽翟山バス停から20分くらい。
霧はすっかり晴れ、日射しが強い。パーカーを脱ぎ、帽子をかぶり日焼け止めを塗る。

金門島の最高峰、太武山は標高253m。金門島を東西に横切る丘陵のピーク。主な登山口は、前山、後山、蔡厝古道、斗門古道の4つ。
丘陵を完全縦走するのであれば、前山から登って後山で下山、あるいはこの逆のルートを取ればいいが、すべて舗装道路でつまらない。そこで、後山から登って、蔡厝古道のトレールを下ることにする。

20230213 金門島、太武山の後山からの登り

ゆるゆるとコンクリ道路を登る。道路わきに軍事施設がぽつぽつとあるので、軍用車両が走るためにコンクリートで舗装されているのだろう。

木陰が少なく、コンクリートの照り返しがきつい。Tシャツでも汗をかく。朝の寒さがうそのよう。

20230213 金門島、太武山観日歩道

コンクリ道路から左手に分岐。Google Mapに「観日歩道」とある道の入り口。崖だから気をつけろ、と書いてある。

20230213 金門島、太武山、観日歩道のステップ?

まじか?なんだあのステップ!?滑落しないほうがおかしい。
と思ったが、柵であそこには行けないようになっていた。しかし、あの先には何があるのだろう...気になる。

20230213 金門島、太武山、観日歩道の柵

こちらが正解ルート。
安心してください!柵があるので安全です!
右手の崖は半端ないけれど。

ここを進むと展望台に出て、またもとのコンクリ道路に戻る。

20230213 金門島、太武山、岩に刻まれた文

道路わきには、文字が刻まれた岩が多数。なんと書いてあるかはわからない。

20230213 金門島、太武山、太武池

左下に池が見える。太武池のようだ。
細い道を湖畔に下りる。池をまわる踏み跡があったので、少し行ってみた。かなり藪っぽく蛇が出そうなので、すぐ引き返した。

20230213 金門島、太武山のトーチカ

ピョコの上にトーチカ。現役っぽい。

20230213 金門島、太武山、道端のスミレ

花と言えば、道端のスミレが目に付く。

20230213 金門島、太武山、海印寺

仏像とビルが現れる。海印寺。寺と言うより観光地。
トイレに寄って、さらにコンクリ道路を歩き続ける。

20230213 金門島、太武山、文字が刻まれた岩

次々と文字が刻まれた岩が現れる。

20230213 金門島、太武山、毋忘在莒

Google Mapに「毋忘在莒」と記されている場所。これは蒋介石の書で、「毋忘在莒」とは、この地にあって中国本土を取り戻すことを忘れるな、という意味があるらしい。

多くのハイカーが岩の前で写真を撮ったり、木陰で休んでいたりする。平日なのに人がとても多い。いつもこうなのか?それとも昨日の金門マラソンに参加した人々なのか?

20230213 金門島、太武山、西に延びる丘陵

岩々した丘陵は西に続く。

20230213 金門島、太武山、倒影塔の展望台

倒影塔の展望台。ここから対岸の中国の街が見えるとのことだが...今日はもやがきつくて全く見えない。
この展望台は、木陰で覆われ、岩もしっとり湿っていて、涼やかな風が吹き抜け、とても心地よい。

20230213 金門島、太武山、倒影塔から西の景色

コンクリ道路はこの丘陵に沿って、前山の登山口に至るが、私はここで引き返す。

20230213 金門島、太武山、蔡厝古道入り口。

海印寺まで戻って、蔡厝古道から下山する。

20230213 金門島、太武山、蔡厝古道のスミレ

この道もスミレが花ざかり。

20230213 金門島、太武山、元碑

途中、「元碑」がある。なんだかよくわからない。

それよりも、岩の後ろの藪から人が下りてくるのが気になる。行ってみる。
方向からすると、稜線にでて最高点に至る踏み跡のようだ。しかし、途中で有刺鉄線をくぐっているので、そこで引き返した。おそらく稜線は軍の管理下にある。

20230213 金門島、太武山、蔡厝古道のスラブ

広いスラブ道。花崗岩に見えるが、こんな島の露岩が花崗岩というのが不思議。

20230213 金門島、太武山、蔡厝古道の百二階

百二階という地名があり、何かと思えば、ひたすら石段が続いていた。
蔡厝古道は石段が大半と言ってもいい道だが、森の中で、稜線のコンクリ道路よりずっと快適。

20230213 金門島、太武山、蔡厝古道登山口

無事下山。蔡厝古道の登山口。

20230213 金門島、蔡厝バス停

小さな集落を抜けて、蔡厝バス停。
立派なバス停はあるがバスはほとんど来ない。ここから沙美の街まで歩く。

次回に続く)

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