母島ビーチめぐり~小笠原諸島の旅(10)
5/3 沖港~蓬莱根海岸~小富士~南崎~沖港
(前回の続き)
都道を北へてくてくと引き返す。道路のわきに立派なパパイアの木があった。青い実がたわわに実っている。あれをチャンプルや天ぷらにするとうまいんだよな~。誰でもとれる場所に実がなっているのだが、誰も持っていかないのかな?
メグロがさえずる道をしばらく行くと、分岐があり右が御幸之浜遊歩道、真っ直ぐ行くと南京浜とあった。
南京浜。珊瑚が発達した浜辺というが、潮が満ち、波は荒く、おまけに海は霧に閉ざされ、殺伐とした雰囲気。
先ほどの分岐まで戻り、御幸之浜遊歩道を歩く。
両側に藪が覆いかぶさる道に足を踏み入れると、足元で、「ガサ、ガサ」と音がする。私の足音に驚いたオカヤドカリがあわてて殻に閉じこもり、そのまま落ち葉の上を転がる音だった。ヤドカリが殻から出るまで身動きせず辛抱強く待ち、そしてやっと歩いている写真を撮ることができた。我慢比べは私の勝ち。
ホエール・ウオッチングポイントから浜辺に下りる。昭和天皇も来たという御幸之浜。ここは海域公園になっていて絶好のシュノーケリング・ポイントと言うが、波が荒く暗い…。そしてちょっと変わった岩…。
岩に近寄ってみる。3、4cmくらいの貝殻みたいなものが岩にいっぱい刺さっている。これは貨幣石と呼ばれる有孔虫(石灰質の殻を持った原生生物、星砂も同じ仲間)の化石だ。
御幸之浜から道路に上がるとすぐにまた浜辺に下りる階段があった。これが今日最後のビーチ、石次郎海岸だ。狭い入り江の砂浜で、沖港の防波堤の内側にあるためほとんど波がない。のんびりとシュノーケリングをしている人がいた。
霧が晴れてきたのでわずかな望みを託し、夕日を見に行く。静沢遊歩道が集落からもっとも近い夕日スポットだ。遊歩道を歩いて港を一望できる丘の上に立つ。そこには旧日本軍の十年式十二糎高角砲が残されていた。
望みはかなわず。海の上をはう雲に太陽は吸い込まれ、徐々に空は暗くなっていく。結局、いつ太陽が沈んだのかさえ分からなかった。まあ、でも今日も充実した一日だった。
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…