初心に帰る山、雲取山へ~奥秩父東部縦走(1)
9/20 奥多摩駅~鴨沢~七ツ石山~雲取山~雲取山荘
山で事故を起こしてちょっと山を控えていた。
だが、連休の天気予報があまりにもいいので、居ても立ってもてもいられなくなった。それで、休み中の予定を変更して山に行くことにした。
そう言えば、最近、手や道具を使って山に登ってばかりで、まともに歩いていないことに気付いた。よし、気持ちを入れ替えるために、ここは初心に帰ってガッツリ歩こう。
でも、どこへ?
この連休中はどこの山も混みそうだ。喧騒の山に行っても、本当の山の良さは分からない。北アなんぞ目も当てられない…
そうだ、奥秩父へ行こう!
それも飛龍山を中心とした奥秩父東部主稜線だ。沢登でつまみ食いはしたことはあるが、縦走したことはない。地図を見るたびに、こんな何もない所を縦走することは、一生ないかもな~、などと思っていた。
みんな北アや南アに遠出していて、連休にこんなところに来る人はよっぽどの変わり者だ…きっと静寂の山が満喫できるに違いない。
そして縦走の起点、雲取山は、高校生のとき初めてリーダーをやった山だ。初心に帰るのにちょうどいい。
満員のバスが唸りながら出発する。空は雲ひとつない青空。開け放った窓から吹き込む風は、パリッとした冷たい風だ。
ほとんどの人が鴨沢で降りる。鴨沢には去年、なんどか通ったが、こんなに大勢の人は見たことない。
それにしても頭が痛い。昨晩飲みすぎたわけではなく、ここ2週間ほど仕事が忙しくて、肩こりから頭痛にきてしまった。こんななまった体でガッツリ歩けるだろうか…
集落を抜けると、森の中のトラバース道を行く。明るい広葉樹林と植林の針葉樹林が交互に現れる。強い日差しは木々が遮ってくれるが、風がほとんどなく暑くて、背中にびっしょり汗をかく。
鴨沢ではあんなに人がいたのに、歩いているとほとんど人に会わない。でも休んでいると、じゃんじゃかぬかされる。道がいいので、みんなほとんど同じ速さで歩いているのだろう。
正午に七ツ石山山頂到着。
あれ、人がいない。正確には3人しかいない。あんなに登っていた人はどこへ行った?
まあいいや。
山頂ではちょっと長めの休憩を取り、爽快な景色を3人じめした。
小屋のベンチで、明日行く飛龍山をバックに小屋の猫の写真を撮った。
七ツ石山からは登山道の南西が開けていて、ずっと富士山が見える。オブジェっぽい木を見つけて、富士山と一緒に撮ってみる。
と、登山道を自転車で下りて来る人がいる。おいおい、道を壊すな。
最後のひと登りで避難小屋の前にでた。
ここまでの道を振り返る。いつでもそうだが、山頂から、ここまで来た道を振り返っては、よく来たな~、と思う。
1分もかからず山頂。空は深く青く、空気は澄み渡って、南アの山々一つ一つが分かるほど。冬でもないのにここまで見えることはそうあるまい。
さすがに山頂には10人ほど人がいた。しかし、皆、言葉を発することなく、静かに景色を見つめながら、思い思いの時を過ごしていた。
サイト場はどこへ行ったかと思ったが、小屋の下の道沿いに、木陰付きの快適な場所があった。2番手だった。
そう言えば、頭痛が治まったような…
高気圧が縦にピーナッツのような形をしている。天気予報は外れた。早々に崩れるだろう。
それにしても、今日はISLAYのピートの香りとナッツが合うな~。若返りの水のせいか?
テントの外に出れば、太陽は静かに山の端に沈もうとしていた。ここに来たのは正解だった。いい一日だった。
夜、と言っても8時くらい。隣のテントで男2人が語り合っていて、うるさくて眠れない。早く寝ろとは言わないけど、他のテントはみんな静かなんだから、もうちょっと気を使ってくれよ…
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…