墾丁の隆起サンゴ礁の森を歩く~金門島、台湾一周(11)
2/16 高雄~墾丁森林遊楽区~鵝鑾鼻公園~四重渓温泉
(前回の続き)
5時40分に起きる。外はまだ暗い。
コンビニで、朝食のサンドイッチと昼食のおにぎりのようなものを買う。
高雄客運の高雄駅バス停で、墾丁行きの9188バスを待つ。寒い。手がかじかむ。
心配したバスの切符だったが、心配ご無用、悠遊カードでバスに乗れた。
5人ほどの乗客を乗せて出発。
右側の窓からは、田畑のような平原、ヤシ畑?が広がる。左側の窓からはもやに霞む山々が見える。晴れているが空気は水蒸気であふれている。
高速道路を下りて台東への道を左に分ける。以前、台湾一周をしたときには、台湾最南部の恒春、墾丁をパスして高雄から列車で台東に行った。なので、今回は墾丁に行っておきたかった。
しばらくすると右手に青い海が広がる。海沿いの小さな街をいくつも経由し、そのたびに人がぱらぱらと乗り降りするが、乗客はつねに5人くらいだ。
海沿いの並木が風で揺れている。よく見ると、木がみな陸側に傾いて立っている。風が強いところなんだ。
恒春をすぎると、とがった山や海に突き出た岩の岬があらわれ、道沿いには大きなホテルがいくつも建っている。
墾丁牌楼バス停で下車。
墾丁は台湾随一のビーチリゾート。しかし、今の時期、人影はほとんどない。
さすが、南国の南国だけあって、高雄の寒さがうそのように暖かい。
頭がぼーっとする。そういえば、昨日はコーヒーを飲んでいない。カフェイン切れかもしれない。
バス停のそばのセブンイレブンでコーヒーを飲む。あ~、うまい。
電動自転車用の電池スタンド。
台湾の電動自転車は原付バイクと同じ外観だが、運転免許なしで乗れる。
墾丁はリゾートだけあって、見どころはたくさん。その中で今日は、まず、隆起サンゴとジャングルの写真が印象的だった墾丁森林遊楽区、自然公園にハイキングに行く。
このバス停から公園までは、およそ4kmそして、約200mの上り坂。コミュニティバスのようなものがあるようだが、システムが分からない。そこで、自転車をレンタルする。
バス停の向かいに「墾丁哈特仏租車行」なるレンタルバイク屋があって、自転車もあることは調査済み。
さっそく、店に入って、にこやかなおじさんに、中国普通語で自転車を貸してくれという。通じた。
どこに行くのか?
森林公園。
ずっと上り坂だけど大丈夫か?
望むところだ!
IDカードは持っているか?
パスポートしかない...
じゃあいらん。
お金を払って、店の時計をみて時間の確認をしようとすると、おじさんが、
時間がもったいない、早くいけ!
短くわかりやすい言葉で話してくれるので、とても聞き取りやすい。
終始笑顔で対応してくれて、とても人のよさそうなおじさんだ。
いささかギアチェンジが心もとない自転車を轟天号と名付ける。
あの門が長い坂道の始まり。いざ出発!
ひたすら緩い上り坂をえっちら上り続ける。旅のすべての荷物を背負っているし、サドルが低いし、ギアもうまく変えられず、疲れるぜ。頑張れ轟天号、いや、頑張るのは自分か。
気持ちの良い森林に囲まれた道なのが救い。
汗をかいてきて、上着を脱いでTシャツになる。途中、原付のお兄さんに、「加油!」(がんばれ)と声援をもらう。
ついた!30分くらいかかった。
入り口のすぐ横に自転車を止めさせてもらって、チケットを買って入場。あらかじめ歩こうと計画していたルートを地図で確認。
木々に囲まれた道がずっと続いている。
森を抜ける風は穏やかで心地よい。
ヤシの森。植物園のように熱帯の様々な木々が植えられている。
小径が枝分かれして、森の中にいざなう。そして、森の中で迷子になって、同じところをグルグルめぐる...
道標完備。
ヤシの大株。
ちゃちゃと公園内をまわる予定だったが、そこかしこで写真を撮りまくり時間が過ぎてゆく。
公園の中ほどに到達し、隆起サンゴ礁のジャングルに突入。
切通のようにサンゴの化石に挟まれた道。
小笠原の母島でも隆起サンゴの森を歩いたが(「不思議の森、石門トレッキング」)こちらのほうが規模が大きい。
まるで迷路のように道が分かれる。昔行った蘇州の獅子林の庭園(「蘇州も人でいっぱい」)を巨大化したようでもあり。
鍾乳洞があった!
むぐぐ、体を斜めにしないと通り抜けられない。
「観海楼」という展望台。6階建てで屋上が展望台になっている。エレベーターで屋上へ上がる。
途中の階にレストランもある。ちょうどお腹がへっていたが、高いので見なかったことにする。
おお、すげー。
日射しがまぶしい~、風が強い~。
目の前に見えているのは、台湾の最南端、鵝鑾鼻半島。
緑濃き森と、青い空と海のコントラストが素晴らしい。
なんだったけかな、これは。猿なんとかいう、石灰岩の露岩。
ゴルジュというかクラックというか、石灰岩に挟まれた細い小径。
石灰岩の崖。サンゴの化石とジャングルの樹々が調和している。
日なたには蝶が舞う。昨日の蝶の谷よりたくさんの蝶が飛んでいる。
大人が両方の手のひらを広げたくらいの大きな蝶が、凧のように優雅に風に乗っている。これは見ごたえあり。
岩に登ってはいけない。気持ちはわかるが。
第2鍾乳洞入り口。台湾人に道を聞かれる。中国普通語で答える。分かったのか分からないのか、明後日の方向に行ってしまった...
うう、狭い。肩がずりずりする。大きなザックがつっかえる。
2時間半くらいかけて、公園内を隅から隅まで回った。
あまり時間に余裕がないので、インフォメーションセンターのベンチに座り、朝コンビニで買ったおにぎりらしきものを食べ、昼食とする。
公園の入り口に戻り、終了。楽しかった。
再び轟天号にまたがり、次の目的地を目指す。
わはははは~、快適快適。
行きは上り一方、さすれば帰りは下り一方。漕がずに、海に向かってすごいスピードで走り下る。ただ、轟天号のタイヤはかなりすり減っていて、路肩でのスリップが怖くてほどほどにする。
(次回に続く)
コース
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…