墾丁の隆起サンゴ礁の森を歩く~金門島、台湾一周(11)

2/16 高雄~墾丁森林遊楽区~鵝鑾鼻公園~四重渓温泉

前回の続き)

5時40分に起きる。外はまだ暗い。
コンビニで、朝食のサンドイッチと昼食のおにぎりのようなものを買う。

20230216 高雄客運の高雄駅バス停

高雄客運の高雄駅バス停で、墾丁行きの9188バスを待つ。寒い。手がかじかむ。

心配したバスの切符だったが、心配ご無用、悠遊カードでバスに乗れた。
5人ほどの乗客を乗せて出発。

右側の窓からは、田畑のような平原、ヤシ畑?が広がる。左側の窓からはもやに霞む山々が見える。晴れているが空気は水蒸気であふれている。

高速道路を下りて台東への道を左に分ける。以前、台湾一周をしたときには、台湾最南部の恒春、墾丁をパスして高雄から列車で台東に行った。なので、今回は墾丁に行っておきたかった。
しばらくすると右手に青い海が広がる。海沿いの小さな街をいくつも経由し、そのたびに人がぱらぱらと乗り降りするが、乗客はつねに5人くらいだ。

海沿いの並木が風で揺れている。よく見ると、木がみな陸側に傾いて立っている。風が強いところなんだ。
恒春をすぎると、とがった山や海に突き出た岩の岬があらわれ、道沿いには大きなホテルがいくつも建っている。

20230216 台湾・墾丁牌楼バス停

墾丁牌楼バス停で下車。
墾丁は台湾随一のビーチリゾート。しかし、今の時期、人影はほとんどない。
さすが、南国の南国だけあって、高雄の寒さがうそのように暖かい。

頭がぼーっとする。そういえば、昨日はコーヒーを飲んでいない。カフェイン切れかもしれない。
バス停のそばのセブンイレブンでコーヒーを飲む。あ~、うまい。

20230216 台湾・墾丁の電池スタンド

電動自転車用の電池スタンド。
台湾の電動自転車は原付バイクと同じ外観だが、運転免許なしで乗れる。

墾丁はリゾートだけあって、見どころはたくさん。その中で今日は、まず、隆起サンゴとジャングルの写真が印象的だった墾丁森林遊楽区、自然公園にハイキングに行く。
このバス停から公園までは、およそ4kmそして、約200mの上り坂。コミュニティバスのようなものがあるようだが、システムが分からない。そこで、自転車をレンタルする。

バス停の向かいに「墾丁哈特仏租車行」なるレンタルバイク屋があって、自転車もあることは調査済み。
さっそく、店に入って、にこやかなおじさんに、中国普通語で自転車を貸してくれという。通じた。

どこに行くのか?
森林公園。
ずっと上り坂だけど大丈夫か?
望むところだ!
IDカードは持っているか?
パスポートしかない...
じゃあいらん。

お金を払って、店の時計をみて時間の確認をしようとすると、おじさんが、
時間がもったいない、早くいけ!

短くわかりやすい言葉で話してくれるので、とても聞き取りやすい。
終始笑顔で対応してくれて、とても人のよさそうなおじさんだ。

20230216 台湾・墾丁国家森林遊楽区牌楼

いささかギアチェンジが心もとない自転車を轟天号と名付ける。
あの門が長い坂道の始まり。いざ出発!

20230216 台湾・墾丁国家森林遊楽区牌楼から公園路

ひたすら緩い上り坂をえっちら上り続ける。旅のすべての荷物を背負っているし、サドルが低いし、ギアもうまく変えられず、疲れるぜ。頑張れ轟天号、いや、頑張るのは自分か。
気持ちの良い森林に囲まれた道なのが救い。
汗をかいてきて、上着を脱いでTシャツになる。途中、原付のお兄さんに、「加油!」(がんばれ)と声援をもらう。

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区入り口

ついた!30分くらいかかった。
入り口のすぐ横に自転車を止めさせてもらって、チケットを買って入場。あらかじめ歩こうと計画していたルートを地図で確認。

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区に入ったところ

木々に囲まれた道がずっと続いている。
森を抜ける風は穏やかで心地よい。

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区 ヤシの森

ヤシの森。植物園のように熱帯の様々な木々が植えられている。

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区 森の中の小径

小径が枝分かれして、森の中にいざなう。そして、森の中で迷子になって、同じところをグルグルめぐる...

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区 道標

道標完備。

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区 ヤシの大株

ヤシの大株。
ちゃちゃと公園内をまわる予定だったが、そこかしこで写真を撮りまくり時間が過ぎてゆく。

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区 隆起サンゴ礁のジャングル

公園の中ほどに到達し、隆起サンゴ礁のジャングルに突入。

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区 隆起サンゴ礁に挟まれた小径

切通のようにサンゴの化石に挟まれた道。
小笠原の母島でも隆起サンゴの森を歩いたが(「不思議の森、石門トレッキング」)こちらのほうが規模が大きい。

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区 蘇州の庭園のよう

まるで迷路のように道が分かれる。昔行った蘇州の獅子林の庭園(「蘇州も人でいっぱい」)を巨大化したようでもあり。

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区 鍾乳洞

鍾乳洞があった!

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区 鍾乳洞の中

むぐぐ、体を斜めにしないと通り抜けられない。

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区 観海楼

「観海楼」という展望台。6階建てで屋上が展望台になっている。エレベーターで屋上へ上がる。
途中の階にレストランもある。ちょうどお腹がへっていたが、高いので見なかったことにする。

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区 観海楼からの展望1

おお、すげー。
日射しがまぶしい~、風が強い~。
目の前に見えているのは、台湾の最南端、鵝鑾鼻半島。

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区 観海楼2

緑濃き森と、青い空と海のコントラストが素晴らしい。

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区 石灰岩の露岩

なんだったけかな、これは。猿なんとかいう、石灰岩の露岩。

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区 岩に挟まれた小径

ゴルジュというかクラックというか、石灰岩に挟まれた細い小径。

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区 石灰岩の崖

石灰岩の崖。サンゴの化石とジャングルの樹々が調和している。

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区 蝶が多い

日なたには蝶が舞う。昨日の蝶の谷よりたくさんの蝶が飛んでいる。

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区 大きな蝶

大人が両方の手のひらを広げたくらいの大きな蝶が、凧のように優雅に風に乗っている。これは見ごたえあり。

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区 登ってはいけません

岩に登ってはいけない。気持ちはわかるが。

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区 第2鍾乳洞入り口

第2鍾乳洞入り口。台湾人に道を聞かれる。中国普通語で答える。分かったのか分からないのか、明後日の方向に行ってしまった...

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区 第2鍾乳洞のなか

うう、狭い。肩がずりずりする。大きなザックがつっかえる。

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区 昼食

2時間半くらいかけて、公園内を隅から隅まで回った。
あまり時間に余裕がないので、インフォメーションセンターのベンチに座り、朝コンビニで買ったおにぎりらしきものを食べ、昼食とする。

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区 出入口

公園の入り口に戻り、終了。楽しかった。
再び轟天号にまたがり、次の目的地を目指す。

20230216 台湾・墾丁森林遊楽区から海へ

わはははは~、快適快適。
行きは上り一方、さすれば帰りは下り一方。漕がずに、海に向かってすごいスピードで走り下る。ただ、轟天号のタイヤはかなりすり減っていて、路肩でのスリップが怖くてほどほどにする。

次回に続く)

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