台湾(ほぼ)最南端の海から由緒正しき温泉へ~金門島、台湾一周(12)
2/16 高雄~墾丁森林遊楽区~鵝鑾鼻公園~四重渓温泉
(前回の続き)
森林公園から、ペダルを漕ぐこともなく10分かからずに海に出た。
青い海、青い空、隆起サンゴのごつごつした岩、そしてトーチカ。
ここから海岸沿いの広い道路を南下する。
向かい風が厳しい、足が疲れてきて緩い上りもしんどい。
30分ほど風と戦い、観光バスがずらりとならぶ駐車場発見。鵝鑾鼻公園の駐車場だ。さっきの森林公園の閑散さとは大きな違い。
轟天号を駐車場の管理棟の横に停め、土産物屋が並ぶ通りを抜けて入園。
観光バスの主はこれか。高校生の遠足かな?すごい賑やか、というかうるさい。
どういう公園なんだろう。
学生でにぎわう広場をあとに、海を目指してトレールに突入。
Google先生によれば、これは第一観海平台。
今回もGoogle先生だけをたよりに歩いている。
展望デッキに上がる。
うわ、風つよ。海も荒れ気味。森林公園からの海は穏やかに見えたのに、全然違う。
これが、台湾(ほぼ)最南端の海。
ここで重大なことに気づく。時間がない。
今日の宿は四重渓温泉に取ってある。墾丁からバスに乗り、途中、恒春で乗り換えるが、そのバスが1日に5本しかないので、乗り遅れるわけにはいかない。
急いで戻ろう。
急いでいるが、来た時と違う道で戻ろうとして、隆起サンゴのトレールに迷い込む。
時間をロスした。
本当は、ここから4、500m東にある、台湾最南端の碑まで行こうと思っていたが、時間がない。
台湾(ほぼ)最南端の海を見たのでよしとする。
轟天号にまたがり、猛ダッシュ。
来た道を北上する。
相変わらず風が強い。来る時が向かい風だったので、帰りは追い風かと思ったが、必ずしもそうではなかった。風向きがくるくる変わる。追い風になった瞬間にスピードを上げる。
日射しの当たる左の頬が暑い。汗でズボンが足にくっついてきた。足がつりそうだ~。
中心街に戻ってきた。時計をみれば、余裕でバスに間に合いそうだ。よかった。
「フレッシュ太郎」なる看板が気になる。
まだ日が高い14:50にレンタルバイク屋に戻る。
おじさんがニコニコと迎えてくれた。
どこに行ってきた?
森林公園と鵝鑾鼻公園。
それはすごいな。
太愉快了!!!(とても楽しかったよ!)
それはよかったな!
手を振っておじさんと分かれる。
疲れたし、腹減った。
朝、コーヒーを飲んだコンビニで、コーヒーと三種のチーズサンドイッチを買う。
バス停のベンチに座りながら、サンドイッチにかぶりつく。強風でサンドイッチの具が飛ぶ。本当に風が強い。
あとからやってきた女性に、恒春行きのバスはここでいいのかと中国語で聞かれる。
台湾では普通に道を聞かれる。
台湾ではいろいろな言葉が話されていて、山間部のお年寄りの言っていることが全く聞き取れなかったりする。しかし、道を聞いてくる人は、大陸の普通語に近い言葉で話しかけるようだ。ただ、Shiの発音がsiに聞こえる。
無事バスに乗り、恒春へ。
低くなっていく太陽に海がきらめていた。
15:20、台湾最南部の都市、恒春到着。
バスターミナルは、意外とこじんまりしている。
恒春は城壁に囲まれた城塞都市だった。
その南門がバスターミナルの正面から見える。
ここから201バス(時刻表)で、四重渓温泉へ。
16:00、私一人を乗せて小さなバスは静かに出発。
車城のバス停でおばさん4人組が乗車。たちまち車内は賑やかに。
バスは進路を東に変え、海から離れ内陸に入っていく。日本の農村のような田園風景が広がる。
おっ、何か見えてきた!
なんだこりゃ?
お寺だな、きっと。
田畑の景色の中から、突然温泉街が出現。
四重渓温泉のバス停で下りると、目の前に今宵の宿。この辺りでは中レベルの宿泊施設。
フロントにはおじいさん二人。当然、英語は通じない。
おっ、やった。狭いけど、部屋の風呂が温泉だ。
でもこれはあとで。先に由緒正しき温泉旅館に行こう。
清泉日式温泉旅館。高松宮宣仁親王が新婚旅行で宿泊したという、由緒正しき温泉旅館。
さて、その温泉はというと...台湾式のスパだった。
水着に着替えて、サンダルを履いて屋外にでる。いくつかの湯舟(熱い!)と水風呂、休憩できるテラス。日本でいえば健康ランド。鍵付き有料ロッカーと脱水機があるのがありがたい。
湯舟につかっている人たちが、笑いながら大声で話している。知らない人同士のようだ。台湾人はフレンドリーで、初対面の人同士でもすぐに打ち解ける。
何を言っているのか聞き取れない私は、ちょっと居心地が悪い。湯船につかりながらぼんやりと空を眺める。暗くなっていく青空を、赤みがかった雲が流れていく。
熱いのと冷たいの3回ぐらい交互に入って、限界に達して出る。
温泉を出た足で、四重渓温泉のメインストリートへ。
晩御飯は何を食べようかな。
目についた「温泉餐庁」でイカのバジル炒めと台湾ビール。うまい。そこそこ安く(バジル炒め140元)、店員も丁寧でなかなか良い店。でもオープンカフェみたいになっていて寒い。日中は暖かったけど、夜は寒い。耐え切れず、さっさと食べる。
温泉街の入り口。台湾人はライトアップが好き。
寒いところで慌ててビールを飲んだので、飲んだ気がしない。コンビニでビールを買い、屋台でニンニクとバジルのパンチが効いたクリスピーチキンを買って宿に戻る。
部屋に戻ったら温泉だ。
湯舟にお湯をためる。湯舟が大きいので、いっぱいにするのに時間がかかる。
かなり待って、入浴。おお、気持ちいい。肌がヌルヌルしてくる。お湯は、アルカリ性の単純泉の源泉かけ流し(たぶん)。
ここで、ハタと気づく。お湯の蛇口が温泉しかない。これで髪を洗うとバリバリになる(指宿で体験済み...)。仕方がないので、水で髪を洗う。う~ん、冷たい。でも温泉につかっていると、すぐに頭もあったまってくる。
ほかほかになって、クリスピーチキンをつまみにビールで一杯。さいこ~。
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…