北岳展望台、鳳凰三山へ~甲斐駒ヶ岳から夜叉神峠(3)
9/24 早川尾根小屋~地蔵岳~薬師岳~夜叉神峠~夜叉神峠登山口
(前回の続き)
夜通し木々がざわつく音が聞こえていた。
標高が高い(だいたい2400m)のでこの時期でもかなり冷える。エアマットに接している背中は暖かいのだが、ペラペラの夏用シュラフだけで外気と遮断されている腹側が冷たい。23時に目が覚めてしまい、それからうつらうつらと風の音を聞いていた。
3時起床、棒ラーメン2人前を食べ、少し明るくなってきた4:50に出発。
真っ暗な樹林帯を抜けでたところは、広河原峠。動いていたら暑くなってきたのでフリースを脱ぐ。風がなければ寒くはない。
広河原峠から鳳凰三山に向けて、徐々に高度を上げてゆく。昨日越えてきた稜線を振り返る。
仙丈岳が茜色に染まってきた。
今日もいい天気になりそうだ。
昨日のルートは刈払いがしっかり入っていたが、今日はあまり入っていないようだ。登山道にかぶさるハイマツをかき分けながら赤薙沢ノ頭へ登る。草木に露が降りていないのがせめてもの救い。
茜色の北岳。ん~、やっぱり北岳はかっこいいの~。
晩秋の南アに花は咲いていない。だからかえって地衣類が目につく。
樹林の中の広場、白鳳峠。ここから広河原に下りることができる。しかし、早川尾根小屋の主に聞いたところ、このルートは道が悪く、滑落事故も起きているので使わないほうがいいとのこと。
白鳳峠から高嶺へ300mほど登る。これが意外と傾斜がきつかったりしてしんどい。
地蔵岳が見えてきた。
高嶺の山頂到着。鳳凰三山にむかう途中のぴょこみたいな山だが、なかなかどうして展望がすばらしい。
プレートの「スリップ・つまづき注意」がちょっと気になる...。山と高原地図には、「やせ尾根」「白砂の稜線」とある。
地蔵岳への稜線。
紅葉がよい。白砂とのコントラストもよい。しかし、すっぱりと切れ落ちて、稜線まで白砂に侵食されているところがイヤな感じ。
はい松と紅葉の稜線に足を踏み入れる。確かに「やせ尾根」だが、灌木に覆われているので、高度感もなく、ルンルン気分で進む。
どちらかと言えば「白砂の稜線」がイヤ。蟻地獄のようなサラサラの砂のルンゼが稜線に食い込み、灌木とのギリギリのところに踏み跡がついている。
慎重に歩けば問題はない。しかし、あそこでこけたら、何十メートル滑落するか知らないが、蟻地獄の底までさようなら。
こんなところが3、4か所あった。
地蔵岳は近い。
地蔵岳への分岐がある赤抜沢ノ頭。急に人が多くなる。
赤抜沢ノ頭から観音岳へのルートは、白砂のザレと灌木が交互に現れる。このザレは、場所によっては踏み跡が錯綜していて、最適ルートが分かりにくい。
この稜線は、学生の時に歩いたことがあるのだが、迷うことのない単純なルートだった印象が...と、そうだ、あの時は厳冬期でかなりの積雪があって、そもそも踏み跡などなかった。馬鹿正直に尾根に沿って歩いていただけだった。
鳳凰小屋への分岐。どこぞの海岸です、と言っても通用しそうな景色。
鳳凰三山は北岳の展望台だ。右手に大きくずっと見えている。
しわのようにいくつものルンゼが刻まれたバットレスが素晴らしい。壁だ。一番ゆるい?四尾根でさえも垂直に切り立っているように見える。登れるのか?と思うけど、登ったんだよな~。なつかしい。
南アで富士山も忘れるわけにはいかない。鳳凰だろうが、白根南陵だろうが、赤石だろうがどっからでも見える。
さて、あとひと登りで観音岳の山頂だ。
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…