湿原に始まり湿原に終わる~三ツ石山、乳頭山周回縦走(4)
9/22 田代岱山荘~乳頭山~千沼ヶ原~滝ノ上温泉
(前回の続き)
乳頭山で日の出を見るため、まだ暗いうちに小屋を出て、ヘッドライトの明かりを頼りに歩き始める。
しかし、周囲は冷たく重いガスに閉ざされ、見えるものはライトの明かりに照らされた足元の木道のみ…
乳頭山の山頂は白い世界…。雨が降っていないだけ、前回よりましか。
乳頭山から千沼ヶ原への道の両側には、湿原が点在する。このあたりもいい具合に紅葉しているが、なんせ天気が…
紅葉の赤や黄色の他に目を引くのは、リンドウの鮮やかで深い紺色だ。残念ながら咲いているものはなかった。
今回の道中で最後の湿原、千沼ヶ原。数え切れないほどの池塘が次々と現れる。主稜線から離れているが、ぜひとも訪れるべきところだ。
今回は湿原に始まり湿原に終わる山行だった。湿原それぞれに個性があって面白かった。
千沼ヶ原から滝ノ上温泉に下る。この道は少し前のエアリアでは点線だったルートだ。最近刈払いが入ったようで、道型はしっかりしている。しかし、土がぬるぬるした感じで滑りやすい。私の先行者は何度も滑って尻餅をついている。右側が崖なので、見ていてとてもおっかない。
登山道は滑りやすい尾根はずれ、原生林の中を下ってゆく。生命感あふれる明るい巨木の森だ。
木の実がいっぱい落ちている。外皮は胡桃に似ているが、中の種子は栗に似ている。栃の実だ。うまそう…。でもこれを食べるのは相当手間がかかるらしい。
これもうまそう…。
食べられるかどうかは知らないけれど、いろんなキノコが履いて捨てるほど生えていた。
登山道が終わり、滝ノ上温泉に向けてちょっと道路を歩くと鳥越の滝がある。エメラルドグリーンの滝つぼ、岸壁から湧き上がる温泉の白い湯気が印象的だ。
玄武温泉でひと風呂浴びて、盛岡の街に向かう途中、駐車場に頻繁に車が出入りし、多くの人で賑わっている場所があった。「松ぼっくり」という地場の素材を使ったジェラードのお店だった。
行列に並んで、「ラムレーズン」と、なんだかよく分からないが「しょうゆ」を買う。
まずは「ラムレーズン」をパクリ。うむ、濃厚なミルクがおいしゅうございます。ラムの香りも結構でございます。次に、「しょうゆ」をパクリ…。うむ、バナナかなにかにしておけばよかった。
松ぼっくりには産直野菜の販売所もあって、新鮮な野菜やきのこが、都会人にとっては激安価格で売っている。
下山して温泉に入ってアイスを食って、すっかり緩みきっているが、ここは盛岡。東京は遠い。我に返って、昼食もとらずに一路東京を目指す。
(三ツ石山、乳頭山周回縦走、終わり)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…