嵐の山頂~富士山(2)
5/31 富士山富士宮口~山頂~富士宮口
(前回の続き)
山頂が近づいてきた。登山者の列をたどった先にあるのが、浅間大社奥宮のある鞍部で、その左側にが剣が峰がある。
今回は火口の滑降が目的なので、山頂で余裕を持って行動できるように、足のそろったメンバーでやってきた。しかし、その選りすぐりのメンバーのひとりが足をつってペースが落ちる。だましだまし、ゆっくり登る。でも、なんだか雲行きが怪しくなってきたぞ・・・。
気温が上がり、風がないと暑いくらいだ。そして、雪はアイゼンがいらないくらいのザクザクのザラメになっている。帰りの滑降が楽しみだ。
山頂についたぞ~!途中でペースが落ちたけれど、駐車場から5時間20分くらい。
それにしても、雲行きが怪しい、というか山頂が積乱雲に包まれ始めている。愛鷹山のほうで雷鳴が聞こえる。地上では雷鳴は空から聞こえるが、ここでは横のほうから、隣ででかい銅鑼を鳴らされたかのように響いてくる。おっかな~い。着いて早々、10分だけ休憩して下山することをメンバーに宣言する。
おどろおどろしい雰囲気の火口。うなる風に乗って、黒い雲が次々と火口壁を乗り越えてゆく。残念だが滑降は次回に持ち越し。
そうこうしているうちに、視界は雲にとざされ、大粒の雹がザーッと降ってきた。頭にかぶったヘルメットが無数の木琴のバチで叩かれたのように、雹でポコテンポコテン鳴っている。嵐だ…山の神がお怒りだ…。
気温も急激に下がり、手が冷たくかじかんできた。もう、写真なんて撮っていられない。逃げるように、山頂から滑り下りる。
天気は悪いものの、ほどほどの視界があったため、雪渓のどん詰まりにはまることなく8合目まで下りてくることができた。ここまで来ると雷の音も遠ざかり一安心。でも、シーズン最初で最後の滑りを楽しむどころではなかった。
本日の滑降終了。スキーをはずす。振り返ると、次から次へとスキーヤーやボーダーが逃げ降りてくる。
また雹が降ってきたよ~。山の神はただでは帰してくれないらしい。
滑降の写真がほとんど撮れなかったので、駐車場でギアの写真でも撮ってみる。みんな流行とは関係ない年期の入った道具を使っている。
下山後は何はともあれ温泉だ。御殿場は富士山と箱根の間にあるのに、意外と温泉が少ない。ここは御殿場から箱根のほうにちょっと行ったところにある、御殿場市温泉会館。風呂に入りながら富士山を見れることが売りだが、今日はもやもやしていて見えない。
それにしても、屋根の「頭上注意」が気になる…。
(富士山 完)
火口の滑降は、宗教上の理由から止めるように神社側から要請が出ています。
匿名さん、こんにちは、
ここでいう「禁足地」でしょうか?
http://fuji-hongu.or.jp/sengen/okumiya/index.html
入るとばちが当たるということですね。