富士山滑降、祝世界遺産登録。~富士山
6/1 富士山五合目河口湖口~富士山頂浅間大社~吉田大沢~河口湖口
恒例の富士山での滑り納め。最近、登山規制だの何だので騒がしい富士山。そこで今回のテーマは取ってつけた「祝!世界遺産登録」。
例年より2週間近く早い梅雨入りのため、今回の富士山は絶望的と思われたが、直前に天気が好転。今日の富士山五合目、河口湖口はご覧の通りいい天気。天気は下り坂だそうだが、なんとかもちそうだ。
しかし、…雪がない。去年と比べると一目瞭然(「富士山、滑り納め」)。
河口湖口の駐車場から見る南アルプスが美しい。富士山より雪がありそうだ。あ~、あの稜線を歩きたい。
河口湖口の登山口。スキー板と兼用靴をくくりつけたザックを背負って出発!重い…でも新緑は鮮やか、山桜もまだ咲いていて、林道歩きもなんとなく楽しい。
ぐにゃりと曲がった林道脇の鉄棒。恐るべし雪のパワー。
六合目から富士山頂を正面に見て登りはじめる。始めはやたら一段が大きく歩きにくい無限階段。ちょっとうんざり。
それにしても山頂直下まで雪が見えないんですけど…
昨年は七合目からカチカチの雪面をアイゼンを履いて直登した。しかし、未だに雪の気配はなく、思いがけず初めて富士山の夏道を歩くことになる。こんな矢印いっぱいのツルツル溶岩の道だったんだ~。ジョギシュー履いてきてよかった、と、前で兼用靴に苦悶する仲間を見て思う。
登山道に沿ってたくさんの小屋が建ち並んでいる。どこも戸板をはずしたり、屋根に上って雨どいを取り付けたり、小屋開けの準備に忙しい。今年はどれだけ多くの登山者を迎えるのだろう。
3200mを超えて、やっと登山道に雪現る。雪解け水で小川となった道を腕まくりをしながら汗をかきかき歩く。
登山道がカラフルになってきた。登りはじめは真っ黒な砂や砂利で覆われていたが、ここは鮮やかな赤や黒の軽石のような溶岩で覆われている。
八号五尺、3500mを通過。昨年は鉄板のように硬い雪と、押し潰されるような強い風に根負けしてここから下山した。今年はなんの心配もない。風も弱く地べたもでている。頂上の小屋目指して夏道を行く。ゴールは近い!
富士山山頂浅間大社の鳥居をくぐってゴール。さすがに空気がちょっと薄く、走ると息が切れる。
天気予報の通りだんだん曇ってきた。しかし山中湖からその奥の道志、丹沢と山並みがよく見える。
さて、富士山山頂に乾杯。缶を開けるときにブシューーーと吹き出るのを期待したが、普通にぷしゅ、だった。残念。ここでのんびりと…と行きたいところだが、全員登頂させるためにギリギリまで頑張ったので、すぐに下りないと危険な時間だ。気温が下がり、雪は凍ってどんどん硬くなる。のんびり写真を撮っている緊張感のないメンバーをせきたてて出発。
ドロップポイントの白山岳のコルを目指す。正面の白山岳に登るつもりだったが、今日はもう無理。
富士山の火口。来年は正面の壁を滑ろう。
白山岳コルの吉田大沢ドロップポイント。空は灰色の雲に覆われ、風は冷たく、雪はカチカチ。ほらほら、急げ、急げ。
ガリガリガリー、と滑降開始。沢の上部は雪が固い上に傾斜がきつく、ターンがおっかない。しかし、やっぱりスキーは早い。100m、200mとどんどん高度を下げる。
10分ほど滑って振り返る。昨年は周囲は真っ白な雪に覆われ、巨大カールの底にいるという日本離れした景色だったが、雪がないといまいち迫力に欠ける。まるで鳥海山のようだ。と言っても、鳥海山も大きいんだけどね。
下るにしたがって、雪がくさって快適にターンが決められるようになってきた。楽しい滑降の始まりだ~、と思ったが、目の前に見えているのは…
細く、黒く汚れた雪渓。黒いのは溶岩の砂、砂利、そして露岩。ターンを細かく切って露岩はよけるが、さすがに小石はよけきれない。スキー板がガリガリと悲鳴を上げる。かんべんしてくれ~、もう十分だよ~。しかし、トップは容赦なく雪渓の末端目指して突き進む。
結局、雪が切れる末端まで滑りきる。ぼろぼろになった板をザックにくくりつけ、肩に食い込むザックを背負って無限階段を下り、林道を歩き、駐車場に戻る。
改めて「祝、富士山 世界文化遺産万歳」
私には得することは何もないけど。
(完)
初めまして。
お世話になります。
テレビ東京番組制作スタッフの島部と申します。
番組内で使用する写真素材をお借りしたく、ご連絡させていただきました。
お忙しいとは存じますが、メール頂ければと思います。
何卒宜しく御願い申し上げます。
島部