憧れのウユニ塩湖へ~南米4ヶ国の旅(20)
9/5 サン・フアン~ウユニ塩湖~ウユニ
(前回の続き)
4時半に起きる。カノープス、アルケナル、そして大小マゼランと日本からは見ることのできない星々が夜明け前の空を彩る。
ウユニ塩湖で日の出を見る気満々でガイドがやって来た。行くつもりのないイギリス人はまだ寝ている。
”Vamos! Vamos!”(行くぞ!行くぞ!)
と、寝ているイギリス人をたたき起こす。寝込みを襲われてブツブツ言っているイギリス人を急かしたてている。なんて頼もしいガイドなんだ。しかし、そうこうしている間にも、だんだんと東の空が白み始める。他の車はどんどん出発してゆく。間に合うだろうか?
半分寝ているイギリス人を車に詰め込みスタート。ドライバーは前を見つつ、オレンジ色に染まる東の空にちらちらと目をやりつつ、薄暗い道を猛烈なスピードで飛ばす。
そして辺りが開け、ガタガタしていた道が平らになった。いや道じゃない、ずっと憧れていたウユニ塩湖に入ったのだ。
白い平原を車は猛スピードで走り続ける。東の空の一点が明るくなり、もう間に合わない!と思ったときガイドは平原の真ん中で車を止めた。ダウンを羽織り、カメラを持って車から飛び出る。
間に合った。
どこまでも広がる平らな塩の平原、そのはるか彼方からオレンジ色の朝日が昇る。思わずドライバーと握手をする。たたき起こされたイギリス人は、美しい、寝てなくてよかったと言っている(ほざいている)。
朝日の反対側には自分の影。今まで見たことのない、なが~い、なが~い影。
ウユニ塩湖はボリビアのアンデス標高3700mにある、面積約12000km2の世界で一番大きい塩湖だ。この秋田県くらいの広さの塩の大地は、表面の高低差が50cmくらいしかなく、世界で一番平らな場所の1つでもある。だから、朝日でできた影が見たこともないほど遠くまでのびる。
走っても走っても、どこまでも続く塩の大地。塩の表面は微妙なでこぼこはあるが、まるで高速道路を走っているかのように快適だ。シャーっとロードノイズをたてながら、時速100km近い速度で走り続ける。
塩の海に島が見えてきた。
島の海岸?に車を止めて、歩いて島に上陸。ここはウユニ塩湖で唯一観光に開放されているインカ・ワシ島だ。なんだかサボテンが多いぞ。
入場料を払って、遊歩道に導かれて島の頂上へと登って行く。日が差してきたので暑い。ダウンを脱いで腕まくりをして歩く。
ウマワカ渓谷で見たような巨大サボテン(世界遺産、ウマワカ渓谷)がニョキニョキ生えている。
ウマワカ渓谷からアンデスを越えてから、この手のサボテンはぜんぜん見かけなかったが、この島に突然サボテンの森が現れるのが不思議だ。
頂上に到着。青い空と強い日差しに真っ白な大地。まぶしい。観光スポットに続く車のルートがその白い大地に黒い跡となって伸びている。
頂上でのんびりとくつろぐ。なんかこの光景は見覚えがあるぞ…。そうだ、富士山頂だ。ここの標高は富士山とほぼ同じ3700m、冷たい風が吹き、広がる塩の地面は足元に広がる雲海のように見える。
この島は岩でできている。よく見るとその岩はサンゴの化石だった。昔ここは海だった。
巨大サボテンの「芽」もしくは「苗」はどんな感じだろう。相棒と地面をなめるように探す。あった、たぶんこれが芽生えたばかりのサボテンだ。
島の事務所。ここで入島料を払う。
塩湖の上はひたすら真っ白で平らなので、遠近感がくるったトリック写真を撮ることができきる。でもトリック写真を撮るより、撮っている間抜けな姿を見るほうが面白い。
湖岸でサンドイッチとコーヒーの朝食をとる。そして車に乗り込みさらなる塩湖の奥へ進んで行く。
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…