夜汽車でウユニを後にする~南米4ヶ国の旅(21)
9/5 サン・フアン~ウユニ塩湖~ウユニ
(前回の続き)
ドライバーはハンドルを切り、車は黒く汚れたわだちをはずれ、汚れなき真っ白なバージンソルト?上をゆく。他の車が見えなくなったところで車を止めた。ここで長い休憩。ドライバーの粋なはからいだ。
今までいくつか塩湖を見てきたが、ウユニが決定的に違うのは、平らなこと、そして塩が真っ白なことだ。塩の地面の表面は六角形の模様に覆われている。しかし、でこぼこと言えばこの模様くらいで、石ころはおろか、塩の塊さえ落ちていない。そしてここの塩は砂埃が全く含まれてないので、完全に白い。日の光の照り返しが強くて熱い。
ぐるりと周囲を見渡す。はるか彼方に山陰が見える場所もあるが、ほとんど塩の地平線しか見えない。そりゃそうだ、秋田県ほどの塩の大地の真ん中に立っているんだから。
歩くとザッ、ザッ、と音がする。硬くクラストした雪面を歩いているかのようだ。
正真正銘、塩湖のど真ん中に建つ有名な塩のホテルにやってきた。ホテルの前には旗が立っているが、残念ながら日の丸はなかった。
塩のホテル、と言っても環境保全のため現在は宿泊禁止。みやげ屋になっていた。
塩湖のど真ん中から、ウユニの町の方向の湖岸へ向かう。その途中にコルチャニ村という村がある。塩湖の塩を掘ってそれを売ることで、村の経済がなりたっている。いくら掘っても、掘った穴には塩水が溜まり、やがてそれがまた塩になる。なんか空気を売って商売しているみたいな。
塩湖とは別れをつげて、コルチャニ村に上陸。ウユニ塩湖ツアーの交通の要所のようで、土産物屋がならび、観光客で賑わう。売られているのは、色とりどりの編み物、岩塩の彫刻、塩の巨大な結晶、リャマのぬいぐるみ、焼き物の小物入れなどなど。
こんな骨だけになった車の残骸をよく見る。動かなくなった車の部品を取り外しつつ、再利用しているのだろうか。
村で昼食。パスタと野菜たっぷりのサラダ。このツアーの食事には満足。
続々とウユニ塩湖ツアーの車が集まってくる。まるで4WDの中古車販売所みたいだ。圧倒的にトヨタ優勢。
こちらは「列車の墓場」。でもたぶん、処分に困った汽車が放置されているだけ。
昼過ぎにウユニの街に到着。ここでツアーは終了。あ~、面白かった。湖もフラミンゴも塩湖も美しく不思議で面白かった。ガイドさんも我々を急かすことなく、イギリス人をたたき起こし、若くてスペイン語しか話せないけどとっても気が利いていた。ガイドさんと握手を交わし、たっぷりチップをはずんで別れた。
ウユニの街でやることはない。まずは現地通貨ボリビアーノの調達。そして街を散歩。といってもにぎやかなのは駅の前のアルセ広場だけ。20分もうろうろすれば終了。そして周囲の道には市場がでているので、そこもうろうろする。食品から日用雑貨、自転車の工具、蛇のエキスまでなんでも売っている。それにしても飲みきれなかったミネラルウォーター6リットルが重い…。
街行く子供達はみな浅黒く目がくりくりしている。金太郎の人形みたい。おばさん達はアンデスの民族衣装のカラフルな可愛いスカートをはいてカーデガン(セーター?)を着て、みつあみをした頭に、ちょこんと帽子を載せている。とってもボリビア、アンデスらしい。おじさん達は薄汚れたジャンパーやジャージを着て野球帽をかぶっている。どこの国へ行ってもおじさんはこんな感じだな~。
本当にやることがない。暑いし。こんなときは…カフェでビールでしょ。このあたりのビールをちょうだい、と注文してでてきたのがこれ。へんなおじさんのラベル。明日訪れるオルロのビールのようだ。一般的な日本のビールと同じラガータイプ。でもえらく軽い。
そうそう、今夜の夜行列車の切符をコンファームしなくては。立派な駅舎のウユニ駅。でも時刻表は写真の通りいたってシンプル。
やっと6時になった。ちょっと早いけど晩飯だ。地球の歩き方に従いおしゃれな”Lithium Club”で地元料理を食べる。これは”Pique Macho”。玉ねぎやトマト、牛肉、ソーセージ(スパムみたい)をいためて甘辛いタレにからめ、チーズとゆで卵、ジャガイモを添えた一品。かなりのボリュームで味も濃いので食べきるのにパワーがいる。ワインはグラスワイン、ボリビア産。タンニンを感じさせないフレッシュな赤。
ここでなんとか9時までねばる。
さらに時間を潰すため、9時から店を”Extreme Fun Pub”にかえる。変なパブである。壁にウユニ塩湖で取ったトリック写真や、半ケツの写真が一面に張ってあり、ファンクな店員2人がカクテルをつくって、自分らで飲みながらトランプをしている。
ここで出会ったスイス人に、またもや東京は世界で一番物価の高い都市と言われる。スイス人に言われたくな~い。この誤解を解かない限り観光立国は難しいかも。
11時半、店をでて人通りの少ない冷たい風が吹く通りを駅に急ぐ。やっと列車の時間になった。この列車はアルゼンチン国境の街ビジャソンとボリビア中部の工業都市オルロを週2便結んでいる。
リクライニングシートの一等車を予約済み。車両に乗り込むとそこはとても賑やか。なんと、関西人の女の子4人が関西弁で大声でおしゃべりをしている。久しぶりに見た日本人。でも眠いから静かにして欲しい…。配られた毛布を頭からかぶり、おやすみなさい。
(次回に続く)
参考
- ウユニでの両替
- ATM:アルセ広場沿いにある、
- 銀行:Potosi通りに何軒か銀行があって両替できる。ATMよりレートは良いようだ。ただし、ドル札がちょっとでも切れていたりすると替えてくれない。
- 鉄道
- ウユニにはビジャソン~オルロ、アバロア~オルロの2路線の列車が停車する。2013年9月現在、両路線とも週2便。ホームページで切符の予約、支払いができる。ただし、この予約はかなり手ごわい。スペイン語しかないうえに、操作を間違えるとフリーズしたり、後戻りができなくなる。駅の窓口でリコンファームする際に、購入に使ったクレジットカードが必要。
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…