春のお気楽山スキー~乗鞍岳
5/19 観光センター前~位ヶ原山荘~肩ノ小屋口~剣ヶ峰~位ヶ原~観光センター前
小屋に泊まったと思われる人のトレースが1本ある以外は、昨日降った新雪の滑らかできれいな斜面。帰りが楽しみだ~!雲ひとつない天気で、サングラスをしても眼がしぱしぱするほどの強い日差し。風も弱い。暑い。すでに、尾瀬で味をしめた上半身下着一枚だ。
乗鞍には何回か来ているが、こんないい天気は初めて。なぜならいつも「天気が悪いから乗鞍行く?」(=冬型の気圧配置で北アは天気が悪いけど、乗鞍は境目だからなんとかなるかもしれないから、とりあえず乗鞍行く?)みたいなノリで来るので、予想通り天気が悪くて、吹雪の中を黙々と歩く、みたいになってしまう。
振り返ると…やっぱりアイスクリームにたかる蟻んこ状態。
位ヶ原から一段上がると、大雪原となり乗鞍岳の面々(ピークが複数ある)が目の前に立ち並ぶ。山はたおやかで無木立の斜面が広がり、どこでも滑れそう。まさにスキーのための山か。
肩ノ小屋口から主稜線に上がる。ここから剣ヶ峰山頂までは一定の斜度の登りが続く。とは言え、一枚バーンに薄く積もった新雪にシールが良く効き、シャッ、シャッと気持ちよく登れる。
お隣の摩利支天岳には乗鞍観測所がある。白いドームにはかつては太陽コロナを観測するコロナグラフが設置されていた。現在ではコロナの観測は人工衛星にゆずり、大気観測などの広く自然科学の観測のために利用されている。そのドームの向こうには私の大好きな黒部の山々が並んでいる。
海老の尻尾の残骸。真冬には猛烈な風が吹きつけシュカブラが発達する。私は身をもって知っている…
ゲレンデのような、いやゲレンデをはるかに越える大斜面。おまけに槍穂から薬師に至る北アの大展望。
肩ノ小屋口から1時間くらい登ってきた。剣ヶ峰山頂はもうすぐそこ。
ついた!剣ヶ峰山頂。3026m、さすがに下着一枚は寒いので、上着を着る。ちょっと雲がでてきたけど、最高の眺め。
いやはや、絶景だね。
滑り出しは腐りかけた吹き溜りで足をとられたが、すぐにパックされた快適な斜面となる。歓声(奇声?)をあげながら緩いシュプールを描いて、かなりのスピードで滑り下りて行く。ドロップポイントがあっという間に遠くなる。
じゃまするもののない大きな斜面を思い思いに滑る。ドロップポイントから肩ノ小屋口まで標高差400mくらいある。
白く滑らかだった雪面はすっかり食い荒らされた。この写真だけみればカナダかヨーロッパのゲレンデのようにも見える。中央の沢の左側のシュプールが我々の一団。かなりぎこちなく滑ってきたが、まあまあでしょう。
位ヶ原への最後の滑降。強烈な陽射しを浴びて雪はかなり重くなっている。でもスキーをとられるほどではないので問題なし。目の前の槍穂を眺めながらのんびりと滑る。お気楽スキーだ~~!と完全にナメくさって、スパッツもせずに雨具を着て、片手で動画を撮りながら滑っていた私は、最後の最後でこける。靴の中に、砂糖詰め放題のような感じでぎっしりと雪が詰る…。山をなめてはいけません。
今日の復習。一番左のピークが剣ヶ峰。天気も雪のコンディションも景色も良く、楽しい一日だった。これだから山スキーはやめられない。もうゲレンデは滑れないよ。
位ヶ原から観光センター前にバスで戻り、国民休暇村の温泉で汗を流す。そして、手打ち蕎麦・御池で腹ごしらえ。これは乗鞍御膳。もちろん蕎麦もうまいんだけど、サクサクの岩魚の唐揚げがたまらん。
(乗鞍岳、完)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…