快適滑降!~会津駒、大戸沢岳(2)
4/21 駒ヶ岳登山口~会津駒ヶ岳~大戸沢岳~嫁郷
(前回の続き)

さて、重い腰を上げ、主稜線をたどり大戸沢岳に向かう。雪原と言ってもいいほどの広く、緩やかな尾根。ぼけ~っと景色を眺めながら滑る。ゆる~い感じが心地いい。
この稜線を滑るのは初めて。しかし、この道のない尾根を真夏に歩いたことはある。地面に足がつかないほどの密藪と、その藪に守られて人の目にほとんどふれることのない湿原が、交互に現われる。はっきり言ってしんどい。もうたぶん二度と歩かない。あの頃は若かった…(遠い目)。でも今はそれがウソのように楽チンだ。

皆さん右にお辞儀していらっしゃる。今日は陽光にあふれ、風もまったくなく、Tシャツだけでもオッケーだが、ひとたび天気が荒れると猛烈な風が吹きすさぶに違いない。

もう、どこを滑り下りても楽しそう。

稜線はさらに三石山、窓明山へと続く。あっちまで行ったら楽しいだろうな~。夏歩いたときは地獄だったけど。
さて、大戸沢岳ののぺ~っとしたピークの北の端でシールをはがす。今日は暑いくらいなので、シールは水がたれるほどびちょびちょだった。念のため尾根の方向にコンパスを切ってドロップイン!

大戸沢岳直下は、木立のない適度な斜面の一枚バーン。まるでスキー場のゲレンデのよう。雪が深いときには雪崩の危険があり、視界がないときには尾根を外す危険があるちょっと難しい斜面だが、今日はなんの心配もない。湿って重い雪だが、蹴散らしながらすっ飛ばす。
いや~、でも本当に重たい雪だ。

広いバーンを思い切り堪能して、1800mくらいまで下りて来ると尾根がはっきりしてくる。この先、下るにつれて尾根も細くなるが、目指す尾根は真っ白でこんもりしていて、快適に滑れそうだ。

細い尾根にのり後を振り返る。最高の斜面だった。あっという間だった。

一枚バーンの大斜面は終わったが、まだまだ快適な滑りは続く。この尾根は尾根のトップは木がなく、まるで高速道路を行くかのごとく、減速することなく気持ちよく滑れる。

だいぶ下ってきたが、こんな雪庇もあった。

1400mで先行するパーティーに追いついてしまった。急ぐのももったいないので、ザックを降ろしそこに腰掛けてゆっくり休む。ついさっきまでいたピークがあんなに遠くに見える。

今日は徐々に天気が下り坂とのことだったが、ずっと快晴で目に沁みるほどの青空が広がる日だった。さて、最後の1Pを滑りますか。

尾根の末端に近づくと、さすがに木々が密生して滑りにくくなってくる。でもまだまだ行ける。

上から見ると完全に雪に覆われているように見えても、雪解けはすすんでいる。穴にはまらないように慎重に滑り続ける。
最後の最後で雪が切れた。切れたら切れたで、地べたを歩いて雪をつなぐ。私はスキーヤーではなくヤマヤなので、スキーは滑るだけの道具ではなく、移動する道具なのだ(板がかわいそう…)。ちなみに尾根の末端まで行くより、一本手前の尾根を下りたほうが楽。
風呂に入ったり福島の地酒を選んだりしながら帰ったので、西那須野塩原ICに着くころ夕食にちょうどいい時間になった。10年以上前の記憶をたどり、十割手打ち蕎麦の店「信吉」に入る。記憶に残る天ざるを頼む。記憶とはちょっと違ったが、インパクト十分。山盛りの天ぷら。ウドやタラの芽などの山菜に椎茸など、10数種類の天ぷらが積み重なっている。
(会津駒、大戸沢岳 完)

久しぶりに100%満足のスキーができた。大戸沢岳はいい山だった。


赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…