静かな尾根~丹沢・宮ヶ瀬から鍋割山(1)

12/4 本厚木~三叉路~丹沢山~塔ノ岳~鍋割山~大倉~渋沢

暑いときはまっぴら御免だが、涼しくなると丹沢に行きたくなる…。近いということもあるが、そのときの季節や天気、体のコンディションに合わせて、様々なコースが選べるのが魅力だ。

と言うことで、今回はきつくもなく緩くもなく、ちょっとマイナーで(途中まで)静かな山歩きが楽しめそうな、宮ヶ瀬から鍋割山を歩く。

夜明けやらぬ5時に家を出る。夏山の服装で行こうと思ったが、北風が強くフリースを着る。こんなときに限って自転車がパンクしていて、空気入れを持ってだましだまし自転車に乗る。以後、山では全く使わない自転車の空気入れを背負って山を歩く。人はこれを「無駄ボッカ」と呼ぶ…


小田急線は長椅子に1,2人のハイカーが座っているほど、山密度が高かった。本厚木駅で下り、宮ヶ瀬行きのバスに乗ると、ご年配ハイカーでいっぱいだった。しかし、バスが宮ヶ瀬に近づくにつれハイカーは少なくなり、三叉路の登山口ではとうとう私ひとりになってしまった。
なんとなく薄暗いジメジメした登山口から入山。

111204丹沢・登山道の紅葉
怪しい登山口からすぐにふかふかの落ち葉の道になる。そして、尾根に出て見事に色づいた木々の道を歩く。

111204丹沢・赤い紅葉もきれい
天気は快晴。空は真っ青。紅葉は真っ赤。誰もいない。静かだ…。ちっ、ちっ、と鳥の声だけが聞こえる。

111204丹沢・冬枯れの山の苔
紅葉の木々から足元に視線を向ければ、そこでは冬枯れの中、緑の苔も頑張っている。


本日最初のピーク、高畑山への分岐。右が山頂、左が山頂を巻く近道。左は険しいらしい…無性に惹かれる…でもせっかくなので山頂へ向かう。


高畑山山頂到着。なんだかな~、といった山頂。
朝の北風はすっかり止んで、汗だくになりフリースを脱いで半そでのTシャツになる。

111204丹沢・登山道の倒木処理
登山者は少ないが、道はしっかりと整備され、倒木もきちんと処理されている。


登山道は高畑山まで尾根の南側についていたが、高畑山から北側斜面を行く。すっかり紅葉は終わり完全に冬枯れの山。日が当たらず寒い。半袖Tシャツの私はとても寒い。激しく後悔するが、ザックを降ろすのが面倒なのでそのまま歩く。


今までの穏やかな尾根道が一変、ロープやへつりがでてきて、細い岩尾根の上を行く。「金冷し」だ。この程度では「金」は冷えないが半袖の腕が冷える…。ここで今日初めての、第一登山者発見。

111204丹沢・いっぱい落ちている
これは何かな?いっぱい落ちている。

111204丹沢・宮ヶ瀬ダム、関東平野方面の展望
金冷しは細い尾根だけあって、展望もいい。今日の朝バスを下りた宮ヶ瀬ダムの湖畔が見える。その向こうには関東平野が広がる。

111204丹沢・苔むした倒木
本間ノ頭に向けて緩く長い、明るいブナ林の登りが始まる。丹沢らしい景色。そして苔むした倒木も裏丹沢らしい。

111204丹沢・トルコ石のような木の実
落ち葉の上の落し物。トルコ石のような木の実が点々と落ちていた。


本間ノ頭。ここで後から来た山ボーイ風のファッションをした山おじさん?にぬかれた。むぅ、悔しい。でも昨晩は4時間しか寝ていないし、仕事の疲れが抜けていないので、どうも本調子がでない。のんびり写真を撮りながら適当に歩こう。

111204丹沢・緑の尾根
ピークへの登りは落葉した明るいブナの林だが、なぜか下りは葉を茂らせた青々とした木々の合間の道。冬枯れと緑の景色が交互にやってくる。植生に変化があって面白い。

111204丹沢・まぶしい空と海
海が見えてきた。冷たく澄んだ青空にキラキラした相模湾。どちらも目が痛いほどまぶしい。

111204丹沢・キノコがはえた木
おお、ブナの巨木に巨大なキノコが。理由は分からないけど、このブナは一生を終えつつあるんだね…。

111204丹沢・丹沢山へのブナの尾根
丹沢山に向けてひたすら単調に登る。木々の間から蛭ヶ岳や丹沢山が見える。この尾根道はずっとこんな林の中なので展望はイマイチ。でも今の時期ならそれもよし。


丹沢山まであと200m、もうすぐ山頂だ~。ここまで10.8Kmも歩いて来たのか…。


着いた!丹沢山頂、みやま山荘。現在、11時57分。4時間12分かけて宮ヶ瀬から水平距離11km、高度差1000mを歩いて来た。ご苦労さん。もう今日の登りはほとんど終わった。

111204丹沢・丹沢山山頂から富士山
丹沢主稜線にでて初めて富士山とご対面。丹沢には何度も来ているが、こんなにきれいな富士山は初めて。山頂に腰を下ろしてゆっくり休憩。主稜線は寒いかと思ったが、風は弱く日差しは強いので半袖でも全然平気。日焼け止めを塗る。

雪は宝永火口の上あたりまでのようだ。さすがにスキーはまだ無理そうだ。

次回に続く)

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