八ッ峰上部縦走~八ッ峰・剱岳(2)
8/15 剱沢キャンプ場~長次郎雪渓~五六のコル~八ッ峰~剱岳~剱沢キャンプ場
(前回の続き)
今日は長次郎雪渓から八ッ峰上部を縦走し、剱岳を踏んでまたキャンプ場に戻る。順調にいっても10時間ほどかかる長丁場、しかも午後にはひと雨あるとの予報だ。
平蔵谷、源次郎尾根の末端をやりすごすと左手に長次郎谷の出合だ。谷の長さの割には、源次郎尾根と八ッ峰に挟まれた入り口は狭い。傾斜は思ったほど強くなく、10本爪の軽アイゼンで難なく登れる。
ふと顔をあげると、正面に熊ノ岩が見えていた。
振り返ってかなりの標高差を登ってきたことに改めて気付く。はるか上に見えていた八ッ峰の稜線もすぐそこに見える。
長次郎谷はそれほど傾斜はきつくなく登りやすい雪渓だが、岸にはいくつかシュルンドが開き、また、ときには漬物石くらいの落石が、雪の上をものすごいスピードで転がり落ちてゆく。十分注意が必要だ。それにしても後のレンズ雲が気になるぞ。天気の崩れは早いかもしれない。
今回は八つ岩峰が連なる八ッ峰の上部、第六峰から登って七、八峰と縦走し剱岳の主稜線に出る。八ッ峰ではいちばんやさしいルートだ。熊ノ岩の右手に登り口がある。
ここでやっと太陽が姿を現した。剱岳北方稜線の岩々が朝日に染まる。
雪渓を離れ、アイゼンを脱ぎ、五峰と六峰のあいだの五六のコルを目指す。雪渓を離れたとたんに暑くなってきた。
岩の上をチョコチョコ走り回っているやつがいる。オコジョだ。そちらには行かないから安心してくれ。
五六のコルからは熊ノ岩の上が良く見える。岩と言っても実際は丘と言ったほうが大きさのイメージが近い。岩の上には平らなところがあり、テントが張れる。またこの岩の上には溝があって雪解け水も流れている。すばらしいテントサイト(本当は幕営禁止だけど…)。ここにテントを張って剱岳周辺のクライミングを楽しむクライマーが多い。
さて、コルから六峰の登攀開始。ガイドブックには「登る」としか書いていないが、立派な岩場だった。しかも、今シーズンは全く岩に触れていないので不安…。確かに難しいところはないが、おそらく滑ったら命はない。念のためロープを出して、さらにトップをお願いする。
2Pで岩場終了。五六のコルを見下ろす場所で写真を撮る。コルの向こうは今朝登ってきた長次郎雪渓、そしてその向こうには立山。日差しは強いが適度な風があって心地よい。
六峰山頂手前のCフェースの頭。たった今Cフェースを登ってきたクライマー達が、登攀の充実感を味わいつつのんびり休んでいる。
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六峰の山頂で休憩。剱岳から北方稜線、八ッ峰、チンネと堂々とした岩のパノラマ。そしてその岩のてっぺんや細いリッジには、必ずと言っていいほど小さい虫のように人が取り付いている。「ビレー解除~!」クライミングのコールが岩々の間をこだまする。さすが、剱岳、岩の殿堂だ。
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…