劒岳<ちょっとだけ点の記>~八ッ峰・剱岳(1)
8/14 扇沢~室堂~剱沢キャンプ場
深田久弥の「日本100名山」の第48峰として、あるいは新田次郎の小説「劒岳<点の記>」の舞台として有名な剱岳に初挑戦。まず、「劒岳<点の記>」で柴崎測量官と長次郎が登った、長次郎雪渓に入り、そして途中から八ッ峰上部の縦走をして、北方稜線から山頂に至る、いわば<ちょっとだけ点の記>ルート。そして翌日、別山尾根の一般道から北方稜線にぬけるルートをとる。
扇沢の駐車場で夜を明かし、黒部ダムへの始発バスの30分前に切符売り場に行く。そこにはすでに長い行列が…。出遅れると何時に室堂に着くかわからないので、切符を買ってすぐに改札の列に並ぶ。

始発のロープウエイには乗り損ねたものの、まあまあ順調にアルペンルートの乗り物を乗り継ぎ、9時前には室堂を発つことができた。
標高2500mの室堂の空気はすがすがしい。下界のじめっとする暑さとは無縁だ。空は青く晴れわたり、空を映す、みくりが池も青く澄んでいる。

高山植物が咲き乱れる室堂から北へ下ると、荒涼として草木の生えぬ地獄谷。いたるところから亜硫酸ガスを含む白い噴煙が湧き上がり、岩は硫黄で黄色く染められ、そして目や喉がピリピリ痛む。
称名川を渡り雷鳥坂を登る。ここはスキーで何度も登っているが、歩いて登るのは初めてだ。スキーより疲れるし、おまけに暑い。先月の薬師ほど気温は高くないが、相変らず日差しは強烈だ。

汗をかきかき急登を行く。ちょっと足を止めて、足元のハクサンイチゲを撮る。

雷鳥坂の上部はお花畑だ。その後には雄山と白い夏の雲。

別山乗越の直下には白いリンドウが群生していた。
立山の主稜線上にある別山乗越に到着。ここには剣御前小舎があって、多くの登山者が休んでいる。さて、今日の登りは終了。室堂から雷鳥沢に沿って登ってきたが、あとは剱沢に沿って下るだけだ。峠を吹き抜ける風が、汗をかいたシャツに冷たい。

別山乗越から剱岳を眺める。剱岳はガスの中で頂を見ることができないが、そこから派生する鋸のような八ッ峰の下半分が見えている。明日行くのは上半分だ。

剱沢の左岸につけられた道を緩やかに下る。剱沢にはまだたっぷり残雪があり、雪が引いた場所はお花畑になっている。

あっ、雷鳥だ。油断なくあたりを警戒するメスがいる。おそらく近くに雛が…と探すと、親鳥の足元の草がそわそわと動いている。姿は良く見えないが雛に違いない。

剱沢のサイト場が見えてきた。ガスはすっかり晴れ、幾多の岩壁や岩峰をまとった、大きく荒々しい剱岳が姿を見せている。いや~、ロケーションがいいサイト場だな。
1時過ぎに剱沢キャンプ場到着。すでにこの混雑。さっさとテントの場所を確保して、今日はほとんど何もしていないのにビールで乾杯。水もトイレもしっかりある快適なサイト場だ。だが、6時過ぎにやって来て9時過ぎまで騒いでいる、常識知らずの不心得者(不心得パーティー?)がいる。メジャーな山では避けられない宿命なのか…
(次回に続く)




赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…