「丹沢山」で百名山を考える~丹沢主脈(2)

1/9 東野~姫次~蛭ヶ岳~塔ノ岳~大倉

前回の続き)

20220109 蛭ヶ岳山荘のひるカレー

これが噂の蛭ヶ岳山荘の「蛭カレー」「ひるカレー」。
蛭ヶ岳山荘で昼食(10:30~13:30)にしか提供していないので「ひるカレー」なのだろう。
具じゃなくて濃厚なコクのルーで食べさせるカレー。ご飯が山で炊いた飯感になっているのはご愛敬。
山のカレーはやっぱりうまい。

20220109 蛭ヶ岳から丹沢山へ向けて出発

腹ごしらえもしたし、次なるピーク、丹沢山に向けて出発。
丹沢主脈は蛭ヶ岳で丹沢主稜に合流し、丹沢山、塔ノ岳へと続く。

20220109 丹沢山から塔ノ岳

蛭ヶ岳から塔ノ岳に連なる稜線は、笹原とブナの林が交互に現れ、開けて明るい。
東の関東平野も西の富士もよく見える。
今日はよく晴れていて、降りそそぐ太陽の光がまぶしい...まぶしすぎる!太陽はほぼ進行方向にあり、まぶしくて正面を向いて歩けない。帽子のつばを下げ、うつむきながら走る。

20220109 富士山と飛行機雲

富士山はずっと見えている。富士山に向かう(実際は向かっているように見えるだけ)飛行機雲が幾筋も見える。写真には5つくらい写っているが、ぐるっと眺めると10以上あった。上空の水蒸気圧の緊張がMAXになっている証拠だ。明日は雨かもしれない。

20220109 丹沢主稜鬼ヶ岩

主稜のほぼ唯一の岩場、鬼ヶ岩。ちょっと雪がついているが、これくらいなら何の問題もない。
アイゼンもいらない(アイゼンを履いて下りてくる人が、かえって難儀していた)。

雪は、南斜面では完全に融けて、北斜面ではまばらに残っている。そして、鞍部では雪解け水が溜まって泥道になっている。

20220109 鬼ヶ岩から富士山

鬼ヶ岩ノ頭から富士山。いいね、丹沢じゃないみたいだ。

20220109 蛭ヶ岳山荘を振り返る

蛭ヶ岳山荘を振り返る。蛭ヶ岳は、近くから見るとこんもりしていて、離れて見たときの端正さがない。

20220109 丹沢主稜から南アルプス

南アルプスの峰々も一つ一つはっきり見える。右から、雪が少ない甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山、雪がついた仙丈ヶ岳、北岳、間ノ岳、農鳥岳、白根南陵が続いて、その後ろに塩見岳、左はしに荒川岳。
塩見岳と荒川岳はまだ登ったことがない。何度も計画しているが、いつもボツになっている。コロナがおさまれば、今年はぜひ行きたい。

20220109 ブナの丹沢山

ブナに覆われた丘が見えてきた。丹沢山の山頂だ。

20220109 丹沢山山頂から富士山

丹沢山山頂到着。いつもの場所で写真をパチリ。

標識には「日本百名山 丹澤山」とある。この山頂の標識の前で写真を撮って、日本百名山の丹沢山に登ったとしている人が多いらしい。

山ヤとしては、残念な人たちだ。

もちろん、標識の写真をコレクションをするのは個人の趣味の問題で、何かを集めるというのは楽しい。
しかし、丹沢とは、東は大山から、西はおそらく三国山まで、東西40km、南北20kmにわたる広大な山塊を指す。その山々は、たおやかなブナの森や、人を阻む険谷など様々な姿をみせる。私も主稜線、主脈に限らず、いくつかの尾根や沢を様々な季節に歩いているが、いつも新しい発見がある。そのような豊かな山の、ワンポイントのピークに立っただけで、丹沢に行ったと思い込むのは、山ヤとしては、やっぱり残念なことだ。

そしてなにより、日本百名山の著者の深田久弥自身が、日本百名山に書いている。

私が百名山の一つに丹沢山(丹沢山というのは山塊中の一峰である)を取りあげたのは、個々の峰ではなく、全体としての立派さからである。

今の百名山ブームを、深田久弥は天国から苦笑しているに違いない。

20220109 塔ノ岳へのぬかるみの道

丹沢山を越えると、ハイカーが増え、ぬかるみもひどくなる。
トレッキングシューズを履いてきたのは正解だった。トレランシューズだと靴の中までドロドロになりそうだ。

20220109 丹沢山と塔ノ岳の間のブナの林

清々しいブナの林。

20210109 塔ノ岳山頂に到着

塔ノ岳山頂に到着。ここが賑わっているのはいつものこと。

20220109 塔ノ岳山頂から富士山

ザックを下ろして、最後のおにぎりにかぶりつく。
今日、朝からずっと一緒だった富士山をのんびりと眺める。

20220109 塔ノ岳から表尾根

こちらは三ノ塔からヤビツ峠へと続く表尾根。一番奥が大山。大山は1252mの山ながら、標高を越えるりりしさがある。神様が祀られるのも一理ある。

20220109 塔ノ岳から大倉へ下山

さて、あとは海を見ながら大倉に向けて下るだけ。

20220109 馬鹿尾根の階段

まだこんなところがあるので、スリップ注意。

20220109 馬鹿尾根を快調に下る

石がゴロゴロしている急な斜面を快調に駆け下る。今日はトレッキングシューズなので、足首が固定されていて、走るとくるぶしやらなんやらが当たって痛い。しかし、ソールが硬いので、石ころをものともせず足を置くことができる。

20220109 堀山の家から富士山

いつものお約束、堀山の家からの富士山。このあたりで富士山ともお別れ。

20220109 雑事場の平

雑事場の平までくれば、もう大倉はすぐそこ。
大倉高原への道は閉鎖されていた。

20220109 大倉バス停

15:56大倉バス停到着。お疲れさま~。塔ノ岳から1時間15分くらいで下りてきちゃった。トレッキングシューズでも結構早いな。
トイレの前の水道でドロドロになった靴を洗い、急いでバスの列に並ぶ。待つことなくバスがやってきた。密になったバスで渋沢駅へ。

渋沢駅で小田急線に乗り、3駅目の鶴巻温泉で下車。山から下りたら温泉は外せないでしょう。いつもの弘法の里の湯でさっぱりする。

20220109 鶴巻温泉の天安

鶴巻温泉には、いくつか食事処があるが、今日は天安。ここは魚と揚げ物がおいしい。お値段もリーズナブル。ひれまでおいしい鰺フライと生ビールで至福の時。

参考:
東野バス停8:38-9:16八丁坂登山口9:22-10:54姫次11:02-12:09蛭ヶ岳12:34-13:44丹沢山13:48-14:29塔ノ岳14:42-15:56大倉バス停

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(丹沢主脈・完)

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