増上寺の桜
すっかり春。
桜の花はほころび始めたと思ったら、あっという間に見ごろだ。
都心の桜の名所は日比谷公園?千鳥ヶ淵?代々木公園?
検索すると宴会ができるところばかり引っかかるが、意外と寺社仏閣の桜も捨てたものではない。
今日は朝から抜けるような青空。よし、桜を求めてポタリングだ。
たしか、東京タワーの周りに桜の木があったような…というあやふやな記憶に導かれて芝公園に到着。自転車を停め辺りをうろうろ。ポツリポツリと桜の木があってちゃんと咲いていた。三分咲きくらいかな。
園内には丘がある。芝丸山古墳という前方後円墳で、半分破壊されて単なる丘のようになっている。その上に上がるとイケメン狐のお稲荷さんや伊能忠敬の碑がある。
ぽこぽこと歩いて増上寺。ここの桜は見事。平日にもかかわらずたくさんの人が上を向いて桜の写真を撮っている。
桜とは不思議な花で、幹から直接花が咲いている。苔むした幹から咲く花は、まるで土から花だけを咲かせるコルキカムよう。
境内から桜を前景にした東京タワーが見える。あまりにも定番の写真だが、でもやっぱり日本の新旧の文化の象徴のような構図でとても好きだ。
子供の無事成長、健康を願う千躰子育て地蔵。本当に千躰あるかはわからないが、ずらりとならんだお地蔵さんはカラフルな衣装をまとい、花が手向けられている。大切にされているな~。都心にありながら静かで、冷たい風でまわるかざ車のカラカラという音だけが聞こえる。
増上寺は徳川家の菩提寺。二代将軍秀忠や皇女和宮など徳川家ゆかりの多くの人々が眠っている。かつては日光東照宮にも勝るとも劣らない霊廟が並んでいたそうだが、空襲によって全焼してしまった(イギリス軍の爆撃で破壊されたドレスデン聖母教会のようだ)。今は桜咲く境内の片隅の御霊屋にひっそりと埋葬されている。
増上寺の南隣には芝東照宮がある。絵馬は日光東照宮。元は家康を祀る増上寺安国殿だったが、明治政府の神仏分離令によって、むりやり増上寺からちぎり取られた。自分の文化を自ら破壊するとは愚行だな。
朝は風が冷たく厚着をして家をでたが、昼を過ぎればやっぱり暑い。汗だくで自転車をこぎ家にもどる。
幹に咲く花、梅も見た事があります。ただ、毎年ではなく十数年前に1度だけですが。その木は間もなく建て替えの為に伐られてしまって今はありません。
へ~、梅も幹に花が咲くんですね。
そんな梅の木が伐採されたなんてもったいないです。
私の近所にあった桜の巨木も伐採され、整地されてマンションが建ってしまいました…