滝を越え大同心へ~ジョウゴ沢、裏同心ルンゼ(2)
12/19 赤岳鉱泉~裏同心ルンゼ~大同心稜~赤岳鉱泉~美濃戸
(前回の続き)
急いでラーメンをかきこみ、我々も仕度をしてあわただしく出発。赤岳鉱泉から2本目の沢が裏同心ルンゼだ。沢のはるか奥には、雲ひとつない空をバックに大同心がどっしりとした姿を見せている。今日はあの付け根まで行くのだ。沢の出合でアイゼンを履いて、気合を入れていざ出発!
気合を入れたのはいいが、しばらくは遠い大同心を見ながら、ただただ藪っぽい沢を遡る。今日は風もなく穏やかで、絶好のアイス日和ではないかな。
最初の滝に到着。スクリューの練習をしていた人たちにルートを譲ってもらって、アックスを打ち込む。むう、固い。朝で気温が低いからか、私の打ち込みが悪いからか…。カツン、カツン、と打っても1cmくらいしか刺さらない。どりゃ!と思いっきり振り下ろすと、氷が割れてはじけ飛ぶ。だましだまし引っ掛けながらよじ登る。
次々と滝が現われ、飽きさせない。これはナメを交えた3段40mの滝。最後のひと登りがやや立っている。我々が取り付くと、懸垂下降で下山を始めているパーティーとすれ違った。うむ、かなり出遅れたぞ。
氷から水がぴゅーっとふき出し、おまけに岩も顔を出している、いやらしいF3を越え一息つく。振り返れば、雪をまとった中央アルプスから北アルプスの峰々が一つ一つ数えられるほどはっきり見える。本当に今日は天気がいい。
最後の滝に取り付く。高さはないが、ここまでの滝の中で一番立っている。でもかなり慣れてきたので、ひょいひょいっと越える。セカンドだけど…。大同心がだいぶ近くなってきた。
最後の滝から右の浅いルンゼを詰める。急斜面のアイゼン歩行にすねが悲鳴をあげ始めた頃、大同心の基部にでた。大同心が視界いっぱいに広がる。でかい。
稜線に出て視界が広がり、南八ヶ岳お約束の赤岳と阿弥陀岳も見える。
ロープをたたみ、行動食を食べ、十分休んで下山開始。しっかりとした踏み跡のついた大同心稜を下る。ほとんど普通の道だ。アイゼンを引っ掛けないように注意すればそれでよし。
昼過ぎに赤岳鉱泉に帰還。暖かな日差しにテントやマットを干す。その間にメンバーとビールで乾杯。いや~、面白かった。誘ってくれたリーダーとトップをやってくれたメンバーに感謝。
下山後は、いつものとおり「もみの湯」で汗を流す。薄黄緑色のナトリウム-硫酸塩塩化物泉。露天風呂は源泉掛け流しだ。入浴料も500円と手ごろだし、いい温泉だと思う。
参考
(ジョウゴ沢、裏同心ルンゼ 完)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…