登山を再開~八ヶ岳・南沢大滝

3/26 美濃戸~南沢大滝~南沢小滝~美濃戸

震災発生から2週間。被災地はまだまだ震災の渦中にいる。幸いにも被災しなかった私も、水道水の放射能と停電予告におっかなびっくりの毎日だ。

しかし、いつまでも縮こまっていてはいけない。元に戻すなら早いほうがいい。そこで、余震がちょっと怖いんだけど、おそるおそる登山を再開した。

110326美濃戸駐車場八ヶ岳・赤岳の登山口の美濃戸に7時半到着。先週はかなり雪が降ったようで、駐車場に20cm以上積もっている。そしていつもならびっしり車がならんでいるのに、今日は2台しか停まっていない。

110326美濃戸のカモシカ

美濃戸から行者小屋への道は、雪がしっかりと踏みしめられてトレースになっている…はずだが今日はふわふわの雪にズボッ、ズボッともぐりながら歩く。トレースの全くない赤岳鉱泉へ続く道を左に分け、行者小屋への登山道を行く。

そしてすぐ、カモシカ発見。この2週間、登山者がいなかったので、安心して下まで下りてきたのだろうか。

110326行者小屋へ続く道

雪はますます深くなってゆく。駐車場までは晴れだったのだが、登ってみると日が出たり、雪が舞ったりと不安定な天気。寒気の吹き出しが強いため、八ヶ岳の稜線に雪雲がかかっているのだろう。

それにしても静かだ。人の声が全く聞こえない。

110326南沢大滝へラッセル

行者小屋の手前1時間弱のところで登山道を離れ、南沢に向かう。始めは膝までのラッセル。やがて、吹き溜まりでは雪は腰くらいになり、うっかり踏み抜くと胸までもぐる。この雪でスキーしたいな~、と思いながらひたすらラッセル。

沢を忠実に詰めると南沢大滝が見えてきた。30mくらいのはずだが3分の1は雪に埋まっていると、何度も来ているリーダーもびっくり。幸い、新雪にしてはしまっていて、雪崩の心配もなさそうなので、這うようにして滝に近づいてゆく。

110326南沢大滝を登る

様子を見に、まずリーダーがリードで登る。ランアウト(墜落防止の支点をとらない)してどんどん登ってゆく。お~、スゲー!と思って見ていたのだが、聞いてみたら、氷がもろくてスクリューが打てなかったとのこと。実際に登ってみると、アイゼンの爪を氷のでっぱりにのせるとボロボロと崩れる、アックスを打つとバラバラとはじけ飛ぶ。こわ~い。よくこんなところを支点もとらずに登れるな~、やっぱりスゲー!。

氷がもろいだけでなく、雪が深く湿っているためにザイルが流れない。危ないのでちょっと登っただけで撤収してしまった。

110326南沢小滝

昼食を食べ、気を取り直して、大滝の手前にある小滝で練習。リーダーは簡単と言うけれど、氷が垂直な上に、硬くてアックスが刺さらない。アックスの先っちょを引っ掛けながらだましだまし登る。私の練習にはちょうどいい。

午後になるとだんだんと雲が厚くなり、横殴りの雪になってきた。吹雪の中を美濃戸へ駆け下る。登山道沿いに深い雪が積もっていてスキーで下れそうだ。持って来ればよかった。

110326美濃戸登山口の看板1時間もかからず美濃戸に戻ってきた。朝よりも雪が深くなっている。
 さっくり温泉につかって帰路に着く。いつもなら中央高速は大渋滞で東京に着くのは深夜になってしまうが、今日はガラガラ。これでは地方経済が凍りついてしまう。なんの足しにもならないかもしれないけど、お土産にほうとうを買って帰る。

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