酸ヶ湯、最高!~八甲田山(2)
3/20 青森駅~酸ヶ湯~八甲田ロープウエイ~中央ルート~酸ヶ湯
(前回の続き)
バスは4列シートでちょっと狭く、リクライニングも浅いので首が痛いが、4500円という値段を考えればしかたないか。
青森駅から酸ヶ湯の無料送迎バスで酸ヶ湯に向かう。そして、荷物を置いて、また送迎バスで八甲田ロープウエイに向かう。
天気は雨。ここにきて雨か…がっくり。雪も少なめで、雪割れした斜面からは地面も顔をのぞかせている。木々は黒々として樹氷など論外…
料金は片道1150円。お得な5枚回数券もあるが、ばらして5人で使うことはできない。
我々もいそいそとロープウエイで山頂に向かう。
ああっ、ここは誰?私はどこ…
地上は雨、そして山頂は吹雪。視界10mほどでゴウゴウと強風が吹き荒れている。外で立っていると顔に海老のしっぽが付きそうだ。
吹雪に初心者びびる。
「まえに来たときより穏やかだ。竿が見えてるだけましだよ、ほら行け。」と初心者を吹雪の中にせき立てる。さすがに宮様ルートはやめて、中央ルートでダイレクトに酸ヶ湯を目指す。
写真を撮っていたら、あっという間にみんなが見えなくなってしまった。まってくれ~!
強風で磨かれ、カチカチに凍った斜面をガリガリと音を立てながら後を追う。
100mも下れば吹雪もやみ、風も弱くなった。予想どおり。
眼下には毛無岱の広大な雪原が広がり、その向こうには雲に覆われた南八甲田の山々のすそ野が見える。これからたどる中央ルートは明確だ、雪崩の心配もない、思い切り行くぞ!
10分ほどで思い切り滑れる斜面終了。あとはほぼ平ら。なるべく下り過ぎないように、かといってストックで漕がなくてもいいように慎重にルートをとる。
毛無岱の雪原。えっちらおっちら漕いで進む。どんよりと曇っているものの、風はなく雨もやみ、まずまずの天気。まえに来たときには、猛烈な吹雪で雪原を見渡すことができなかった。それどころか、目印の竹ざおも見えず、ただコンパスと地図だけを頼りに、壁のように吹き付ける雪と、膝までのラッセルに苦闘したことを思い出した。
酸ヶ湯の目と鼻の先、990mのピョコのわきで休憩する。行動食を食べながら、雨がやんでよかったね~、などと話しながらのんびりする。
おもむろに腰を上げ、ザックを背負い、スキーをつけてバックルをしめ、ゆるい斜面を滑り出す。すると突然視界が開け、八甲田の山々の重なりと、それに抱かれる酸ヶ湯が足元に見える。ここが本日最後のイベント、私が勝手に「酸ヶ湯ゲレンデ」と呼んでいる斜面だ。宿を目指して思い思いのシュプールを描いて滑り込む。
悦楽斜面はすぐに終了。酸ヶ湯の裏に出て本日の行動はおしまい。
酸ヶ湯の宿は年期の入った木造建築だ。普通の宿泊用の棟と湯治用の棟があり、さらにレストランなどもあるので、かなり大きい。それでも雪に閉じ込められた山奥の湯治場の雰囲気がいい感じ。
建物は年期が入っているが、素泊まりの湯治用の部屋も普通の旅館と遜色ない。ちゃんとタオルと浴衣が用意されている。
さて、ここでやることは一つ。温泉に入ること。肩にタオルをかけ、古めかしい案内に導かれ、オレンジ色に電球に照らされたギシギシいう廊下通って、浴場に向かう。
宿には浴場が3つある。小さいながら洗い場がある「玉の湯」が男女それぞれ1つずつ。玉の湯は改装されていて、桧の香りが漂い、広く明るくなっていた。そして、大浴場は「ヒバ千人風呂」。おそらく千人は入れないが大きな混浴の風呂だ。真ん中から左側が男性、右側が女性になっている。一部仕切りがあって、女性側が見えないように配慮されているが、気温が低いときに行けば湯気がもうもうとしていて、仕切りがなくてもシルエットぐらいしか見えない。
300年前から湯治場として知られる酸ヶ湯のお湯は、強酸性の白濁した硫黄の湯。そのPHはアルミ箔も溶かす驚異の1.76、実験室以外ではなかなかお目にかかれない数値だ。めちゃくちゃ効能がありそう。体に傷があるとびりびりと痛みがはしり、傷が赤くなってゆく。これが新陳代謝を促すそうだ。目に入ると痛くて開けてられない。泣ける。
今夜のメニューは青森駅の市場で買ったマグロの刺身と、同じく市場で買った1匹分のあんこうを使ったあんこう鍋。めちゃめちゃうまい。こんなうまいあんこう食ったことがない。しかも、それが東京の半値程度。あんこう万歳!酸ヶ湯最高!酒もぐいぐい進む。仲間が売店で一升瓶の地酒を買ってきた。
飲みすぎた…
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…