絶対王者、キリアン・ジョルネの素顔~「雲の上へ」キリアン・ジョルネ

「雲の上へ」キリアン・ジョルネ(著)

キリアン・ジョルネ

UTMBで4回優勝。2022年大会では、史上初20時間切りの19時間49分でゴール。数々のレースで前人未到の記録を持つトレールランニング界の絶対王者。
さらに、高難度のアルパインクライミングやバックカントリーもこなすクライマーでもある。

そのキリアンが、2017年5月20日~28日に、単独無酸素、ロープなしの2度のエベレスト登頂に成功した。そのクレージーなチャレンジへの道のりを記した自伝が、本書である。

本書では、チャレンジへの準備や登頂の記録だけでなく、生い立ちからトレールランナーになるまで、そして日ごろのトレーニング、日々の生活などがつづられる。

トレーニングについて、彼は、何をやったか、どういう状況だったか、睡眠はどうだったかなどをすべてノートに書き残し、分析し続けている。超人的な記録の裏側には、超人的な努力(本人はそうは思っていないかもしれないが)があると思い知らされる。
私もちょっと見習えば、ちょっと速く走れるようになるかな...

あまり知られていない、絶対王者キリアンの素顔に触れる一冊。

ちなみに、「雲の上へ」でも頻繁に登場する、キリアンのパートナーが、トレールランナーのエミリー・フォースバーグだ。彼女も「走ること、生きること ―強く、幸福で、バランスのとれたランナーになるために」という本を書いている。

タイトルの通り、幸せに生きるために、アスリートとしての生活と、普通の人としての生活を調和させることが語られている。美しい写真が多く、楽しく読める本だ。特に女性のトレールランナーにおすすめ。

この本の写真はキリアンの撮影による。彼の多才ぶりには改めて驚かされる。

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