風雨の中、ムジナ平を目指す~白砂山から三国峠(2)

9/28 野反湖~白砂山~上ノ倉山~ムジナ平避難小屋

国境のサイト場で目を覚ますと、そこは雨降りだった。

(by 惰性人)

200928 雨の野反湖キャンプ場

昨夜は一晩中、バラバラと雨粒がテントに打ち付け、遠くからは、パタゴニアのパイネのキャンプ場を思わせるほどの、ゴーゴーという地鳴りのような風の音が聞こえていた。
そして、目を覚ませば、案の定、雨。山も全く見えない。

200928 白砂山登山口

白砂山の登山口で計画書を提出して出発。
とは言え、風が強く、大きな木がざわざわと揺れ、ガスに閉ざされた稜線からは、腹の底を震わせるような風の唸りが聞こえる。フリースを着なければいけないほど気温は低い。出発を30分遅らせた。しかし、このまま雨と風が続くなら、雨に濡れながら森林限界線上を数時間歩くのは危険だ。
とりあえず堂岩山の分岐まで行って、判断しよう。

200928 ハンノキ沢渡渉

森の中の登山道を歩き、ハンノキ沢に到着。
橋が架かっていて、簡単に渡れた記憶がある。しかし、沢が増水していて、橋の袂まで行くのに飛び石を伝い、一苦労。

200928 堂岩山山頂

堂岩山山頂。山頂と言っても単なる道の途中。雨も降っているし、風も強いし、休むことなく黙々と先に進む。
キノコがいっぱい生えているが、写真を撮る気にもならない。

200928 堂岩山山頂の先の森林限界

堂岩山の先で森林限界にでる。先に進むか?戻るか?
雨は小雨になった。時々、うつむいてやり過ごすほどの風が吹くが、幸い風は弱くなっていて、体感温度もそれほど低下はしない。移動高の張り出しは間違いないようだ。
白砂山まで進むことにする。

200928 白砂山山頂

白砂山山頂で少し明るくなってきた。しかし、相変わらずパラパラと雨が降り、風が吹く。青空が見えるかな、と思った瞬間、また鉛色の雲に閉ざされる。ひたすらその繰り返し。
森林限界線に出て、トレランシューズは水没状態。ショートスパッツをしていたが、防水が弱くなっていて、じわじわと靴下に水がしみ込んでいった。はなはだ不快だ。
ただ、気温は低くないので、我慢すればいいだけで問題はない。

晴れていれば、こんな景色が見えるはずだ(「国境稜線行けるの!?~白砂山(1))」。

180818 白砂山から下山開始

塩大福を2つ食べ、追われるように、山頂を後にする。

200928 上ノ間山への稜線

上ノ間山へ向かう稜線。紅葉が始まっている。ちょっと群馬側に斜めっているが、しっかりと刈払われた快適な稜線歩き(雨が降っていなければ...)。
この道は、今は快適だ。でも雨で侵食されそうな部分が多々ある。そのうちえぐれてしまう部分もあるだろう。歩くなら今だ!

200928 上ノ間山山頂

(晴れていれば)雄大な展望が広がる(と思われる)上ノ間山山頂。
小雨になったので、ザックを下ろして一休み。
ガスが切れると、これから行く道がずっと尾根沿いに延びているのが見える。

200928 倒木の割れ目のきのこのおうち

倒木の割れ目は、キノコのおうち。

200928 上ノ倉山から振り返る

本日最後のピーク、大黒の頭の手前で後ろを振り返る。歩いてきた稜線と、その向こうの山々が見えてきた。
白砂山からここまでは、見晴らしの良い笹原と紅葉した低灌木の森が交互に現われる気持ちのいい道だ(晴れていれば)。

200928 大黒ノ頭山頂

大黒ノ頭山頂。道標はしっかり整備され迷うことはない。
しかし、設置して2年しかたっていないのに、既に表示が消え始めている。

200928 ムジナ平避難小屋が見えてきた

本日の宿、ムジナ平避難小屋が見えてきた。樹林の中にあるのかと思っていたが、原っぱの真ん中にある。

200928 ムジナ平避難小屋に到着

笹原の急斜面を突っ切る刈払いの道を駆け下り、12時10分ムジナ平避難小屋に到着。ちょっと早いが、今日の行動はここまで。
明日は、三国峠から法師温泉に下山する予定だ。以前、三国山から法師温泉に下山した時には、日帰り入浴のタイムリミット13時に間に合わず涙を飲んだ(「平標から歴史の道、旧三国街道へ至る~谷川岳から三国峠(4)」)。明日は、何としてでも13時までに法師温泉に下山しなければならない。それのためには、ここで泊まるのがちょうどいい。

小屋をのぞくと誰もいなかった。当たり前か。平日にこんなところにくる物好きはいない。
風通しは悪いが、きれいに使われていて快適そうだ。
まず、荷物を置いて、水汲みに行く。

200928 ムジナ平水場の分岐

水場への脇道は、縦走路を20分ほど進んだところにある。
道標があるので、間違いようがない。ここから刈払いに導かれて、小沢状の地形を3分ほど下る。

200928 ムジナ平の水場

涸れることもあるという水場。さすがにずっと雨だったので、十分に水が流れている。サイト用と明日の行動用の水をたっぷり汲む。

200928 ムジナ平避難小屋の前で日光浴

水を汲んで小屋に戻っても、まだ13時過ぎ。まだまだ日は高い。しかし、やることがない。
雲の合間から青空がのぞき、日が差してきた。歩いてきた大黒ノ頭や上ノ倉山が良く見える。
小屋の前に銀マットを敷いて、濡れた物を広げる。靴も中敷きをだして、日光に当てる。ついでに自分も日を浴びる。乾いてくれればいいのだが...

15時を過ぎると風が冷たくなってっきたので、小屋に入る。ズボンや靴下が乾ききらず、冷たくて足が凍える。
まだ夕食には早い。シュラフに半身だけ入って、ピーナッツをボリボリしながら、バランタインをちびちびやる。すると、カップルの登山者が到着。平日にこんなマニアックな山にくる物好き(ごめんなさい)がいて驚いた。

カップルはさっさと夕食の支度をして、さっさと寝る準備をしている。私もつられてさっさと食事をして18時には就寝。
足が冷たいよ~。

参考:
野反湖キャンプ場6:15-7:40水場7:49-9:05白砂山9:10-9:53上ノ間山9:58-12:10ムジナ平避難小屋

次回に続く)

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2件のフィードバック

  1. takeshi より:

    足が冷たいのは地獄ですな・・・寝れる気がしない
    泊り山行での足冷えと靴濡れは恐怖です

    • 惰性人 より:

      大雨の時は、靴は濡れても仕方ないと思っているのですが、秋はつらいですね。
      帰りの列車の中でも、靴がじんわりと冷たかったのも、つらかったです...

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