平標から歴史の道、旧三国街道へ至る~谷川岳から三国峠(4)
11/5 越路避難小屋~平標山~三国山~法師温泉~猿ヶ京温泉~後閑駅
(前回の続き)
平標山を後にする。ルートは真南に折れ、そして平標山ノ家までひたすら草原の中の階段。タンタカタンタカと走り下る。正面にはこれから歩く稜線が三国山までずっと見えている。

山ノ家までは草原の中の広い道だったが、その先は、ぐっと道幅も狭くなり落ち葉の積もる潅木の道となる。通る人もそんなに多くないのだろう。でもちゃんとした登山道だ。
明瞭な稜線に沿って登山道が続いている。左側は赤谷川に向かって落ちるなだらかな笹の斜面。同じ赤谷川流域でも早朝に歩いた細く険しい稜線や、さっきまでのこんもりとした草原の稜線とは、まったく趣が違う。なんだか丹沢っぽい。でも谷川岳から続く国境稜線の眺めは、丹沢にはない絶景だ。(丹沢には富士山があると言われそうだけど…)
稜線の右側は明るい広葉樹林になっている。石楠花も群生している。稜線の右・西側と左・東側の植生の違いは季節風によるものだろう。西から吹く季節風と多量の降雪は、この稜線の東側に雪庇を作るに違いない。

大源太山頂まで思ったより距離があり、10分くらいかかった。笹に囲まれた見晴らしのいいピークで、さっきまでいた仙ノ倉山や平標山がよく見える。山頂の道標の写真を撮ろうとしたが、その周りで学生が6、7人が荷物を広げて宴会(といってもコーヒー)をしていてうまく撮れなかった…。ちなみに私は個人的に、この大源太山を第二大源太と呼んでいる。第一は清水峠の近くにあるほうだ。東洋のマッターホルンとか呼ばれているやつ。ちなみに私は個人的に、マッターホルンのことを西洋の大源太と呼んでいる。
西には佐武流山から白砂山の稜線が見えている。憧れの稜線。いつか歩きたい。スキーで行けるかな?


今回の山行最後のピークなのでゆっくりと休む。3年前のオレオも無事食べつくした。


三国峠から旧三国街道に入る。確かに参勤交代できるくらい広くて整備された道だ。デコボコがなく、ふんわりと落ち葉が積もっていて歩きやすい。今でも観光用として整備しているのだろう。
明治まではこの三国街道が関東から越後に抜ける主要ルートだったが、明治には清水峠が幹線道路として整備され、そして信越線が開通し三国街道は廃れていった。今では清水峠も道路としては放棄され登山道になっている。代わって旧三国街道に沿って国道17号線が開通し、三国峠の下を三国トンネルうがって新潟に通じた。そして今では関越トンネルが関東から新潟に抜ける幹線道路となっている。
歴史のある道だけあって、沿線には三坂の茶屋跡や雪崩で遭難した長岡藩士の墓などの史跡がある。なんの説明もされていないこの石碑も、きっと古い墓なんだろう。

ここで闘った会津志士に思いを馳せ、抹茶を一服。(水に溶いただけだけど…)

下るにつれてどんどん紅葉が鮮やかになる。極彩色のなか、急な斜面を九十九折りで下ってゆく。ちょうど法師温泉のあたりが紅葉の見ごろのようだ。広葉樹の赤や黄色、そしてカラマツまであってバラエティにとんでいる。
下りきったところは法師温泉長寿館の敷地内だった。長寿館は明治時代の重厚な木造建築が並ぶ、由緒ある温泉宿だ。お風呂は国有形文化財に指定されている。泊まってみたい、いや、せめてお風呂に入りたい…と思うが、立ち寄り湯は13時までなのでタイムオーバー。

お風呂の後は野菜の産直販売所で筍白菜とおでん大根を買う。気の向くままに買ったが重い…
重たい白菜と大根を持って見晴下から最終バスに乗って後閑駅に向かった。
参考
ちなみに近くてよい山、谷川岳の今回かかった交通費は、東京から以下のとおり。
東京都区内→水上駅 2940円
水上駅→谷川岳ロープウエイ駅 650円
谷川岳ロープウエイ 1200円
法師温泉→まんてん星の湯 650円
見晴下→後閑駅 850円
後閑駅→東京都区内 2520円
計 8810円
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…