街は近いが秘境感はんぱない…~東赤石山から石鎚山(1)

11/4 瀬場~東赤石山~銅山越~銅山峰ヒュッテ

前回の続き)

目が覚めてシャワーを浴び、ビュッフェで腹いっぱい食べて宿をでる。

20211104 新居浜から東赤石山~銅山方面をのぞむ

今日の天気は、晴れ、ところにより山沿いで雷雨、という少々不穏な予報。頭の上は晴れているが、山には雲がかかっている。

今日から東赤石山から石鎚山を2泊3日で縦走する予定だ。
まずは新居浜駅から、予約していたバスで瀬場登山口に向かう。

しばらくマイクロバスに一人で乗っていたが、途中でご年配のご婦人ハイカーの団体さんが乗り込んで、賑やかになった。

20211104 マイントピア別子をすぎると山深くなる

バスが道の駅・マイントピア別子をすぎると急に山深くなる。このあたりは、標高1500m前後の低山が連なり、標高の感覚から奥多摩をイメージしていた。ところがどっこい、標高は奥多摩でも、谷は黒部のように深く切れ込み、尾根にはあちこちに険しい岩壁がそそり立っている。バスはうねうねと蛇行した道を谷に沿って登ってゆく。
マチュピチュ村からマチュピチュに向かうバスを思い出した(「マチュピチュのマチュピチュ山登頂」)。

新居浜の街が近いのに秘境感がはんぱない。

そしてこの山塊は、奥多摩とくらべて公共機関でのアプローチが極めて悪く、そのあたりも秘境感がはんぱない。
林道はあるので周回コースならば問題ないが、公共交通機関をつかって縦走をしようとすると、エスケープルートも含め、アプローチに頭を悩ませることになる。
花の200名山でもある東赤石山から縦走を始めるなら、この1に3便の予約制バス、別子地域バス一択だ。

団体さんは、住友フォレスターハウスで下車した。紅葉のハイキングを楽しむのだろう。

途中、「支所」なるバス停があって、役所らしき建物も立っていた。しかし、民家はほとんど見当たらない。

20211104 瀬場登山口

瀬場登山口に到着。きれいな公衆トイレがあった。
ちょっと寒いが、すぐに暑くなるだろうと思ってフリースを脱いで、長袖Tシャツ一枚になる。
10:35、遅くなってしまったが出発。今日は銅山峰ヒュッテまで、お日様と競争する長い道のりになる。

20211104 瀬場登山口から瀬場分岐まで

はじめは立派な石垣の道。住友の銅山開発の遺構だろうか。

20211104 瀬場谷沿いの道

筏津登山口への分岐をすぎると、道は沢というか谷沿いになる。ところどころ崖ギリギリだったり、崩れていたりしているので気が抜けない。

20211103 赤石山荘への分岐手前の橋

橋で沢を渡る。渡ったところで赤石山荘への道を左に分ける。

20211103 徒渉点

徒渉点。滝のすぐ上を徒渉するので、眺めがよい。
水は少なく足を濡らすことはなかった。ただ、ここでポツポツと雨が...ザックカバーをかけ、雨具の上だけ羽織る。天気予報はところにより雷雨となっていたが、雷雨だけは勘弁してほしい。

20211104 徒渉点から上はなだらか

ふたたび沢沿いの道になるが、徒渉点から上は、なだらかな道になる。

20211104 第2徒渉点より上部の道

第二徒渉点を越えると水がなくなり、ひたすら樹林の中のゴーロを登る。
ここで立て続けに2人の登山者とすれ違った。登山口から東赤石山のピストンだろうか。

20211103 谷を隔てた石鎚山脈

谷を隔てた向かいの山々も見えてきた。たぶんあっちが石鎚山脈。
石鎚山から東に連なる稜線は、笹ヶ峰の先で南北に分かれる。南が主脈で石鎚山脈、北が支脈で、これから登る東赤石山を経てハネズル山へと続く法皇山脈。
そういえば、出発してから休憩していない。おにぎりでも食べるか。

20211104 法皇山脈の稜線に到着

東赤石山直下の分岐に出た。東赤石山はもうすぐ。
右は権現越から二ツ岳へと続く。しっかりした道に見えるが...当初はそちらからの縦走も考えたが、藪が濃く、踏み跡が薄く、岩場も多いということで、無難な瀬場から入山することにした。

20211104 東赤石山山頂

急登をひと登りして東赤石山山頂。
時刻は12:59。思ったよりペースが上がらず、予定よりちょっと遅れている。幸い雨はやんだが、風が強く冷たい。フリースを着こむ。
稜線に沿って雲がわいていて、山頂は雲に覆われている。ほとんど展望はないが、雲の切れ間からかろうじて新居浜の街が見える。
ぐるっと景色を見渡し、写真を撮って早々に出発。

20211104 八巻山

赤石山から先に進むには、稜線沿いに八巻山を越えるルートと、先ほどの道に戻り、八巻山を巻くルートがある。事前情報によれば八巻山は岩尾根でルートが不明瞭で時間がかかるとのこと。
目の前の八巻山にはガスがかかり視界が悪そうだ...時間もビハインドだし...ちょっと残念だけど、巻いていこう。

20211104 山腹のルートから八巻山

巻き始めると、なぜか晴れる八巻山。

20211103 赤石山荘

休業中のようです。

20211104 赤石山荘のテントサイト

赤石山荘の先の樹林の中に、ちょっと平らなところがあって、テントサイトになっている。

20211104 石室越えの道標

こんな道標が随所にある。

20211104 石室越から新居浜

雲と山の隙間に新居浜の街。岩場があり、藪もあり、朽ちかけた道標の立つ山深いトレールから、新居浜の街がすぐそこに見える。ギャップがすごい。

20211104 石室越から前赤石山

石室越で主稜線に戻り、さて、目の前には本日最大の山場。前赤石山。
岩壁のトラバースがあって、地形図を見ると岩場マークを縫うように道がついている。記録を読むと、怖い、危ない、二度と行きたくない、のオンパレード。
空模様が怪しい。岩が濡れたら気持ち悪い。さっさと通過しよう。

次回に続く)

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今回のコース

2件のフィードバック

  1. 77 才 より:

    赤星山その奥にオトイコ山が有りました。其れから 石鎚山 赤星山へも一度も登った事がなかった,23才で産まれた故郷を離れて,懐かしく見させて貰いました。

    • 惰性人 より:

      赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみたくなりました。

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