夕日と競争~丹沢主脈縦走(2)


11/21 焼山登山口~焼山~姫次~蛭ヶ岳~塔ノ岳~鍋割山~寄

前回の続き)

101121丹沢・蛭ヶ岳からの下り始め

これから向かう丹沢山には暗いガスがかかっている。そして、黒く枯れた木々も怪しい雰囲気だ。カラスでもとまっていたらもっと怪しいが、なぜかカラスは鳴き声が聞こえるが、姿が見えない。

前回この蛭ヶ岳からの下りの道を歩いたときには雪が積もっていたので、溝になったトレースを駆け下って行った。しかし、この道は足元に草に隠れたデコボコがあって、杭も出ていて意外と歩きにくい。

101121丹沢・鬼ヶ岩ノ頭の鎖場

途中に一ヶ所岩場がある。鬼ヶ岩の頭だ。でも立派な鎖があるので、気をつけて歩けば問題なし。

101121丹沢・鬼ヶ岩から蛭ヶ岳

鬼ヶ岩から振り返る蛭ヶ岳。ここから見る蛭ヶ岳はなんてかっこ悪いんだ。

101121丹沢・棚沢の頭から富士山

鬼ヶ岩の頭を越え棚沢の頭が近くなったころ、右手に変な形の雲があることに気付いた。立ち止まってじっと見ていたら、手前の雲が徐々に切れてそれが姿を現した。頂に雪をまとった富士山だ。今日はダメかと思っていたので感激だ。

101121丹沢・不動ノ峰から丹沢山

一気に丹沢山まで歩いてしまおうと思っていたが、不動ノ峰で力尽きる。蛭ヶ岳から丹沢山はすぐだった記憶があるんだけどな…蛭ヶ岳でも休憩せずに1時間半以上歩き続けているので仕方ないか。不動ノ峰の草っ原に腰を下ろし、餡パンを頬張る。丹沢山は目の前に見えている。もう一息だ。

101121丹沢・丹沢山への稜線

不動ノ峰を越えると、広い笹原の向こうに丹沢山から塔ノ岳に架かる稜線が良く見える。遠いな…それよりもまず、丹沢山の登りがきつそうだ…

101121丹沢・みやま山荘なんとか丹沢山、みやま山荘到着。結局、蛭ヶ岳からエアリアと同じコースタイムがかかってしまった。疲れてきているせいもあるし、アップダウンの少ない稜線はコースタイムを縮めにくいせいもある。


101121丹沢・丹沢山からの下りブナの林

丹沢山からはブナと草原の尾根を塔ノ岳に向かって真っ直ぐ進む。ここは新緑の頃とても癒される場所だ。塔ノ岳を目的に登る人でも、ここまで足をのばして欲しい。表尾根にはない丹沢のよさを知ることができるだろう。

101121丹沢・謎の白い物体笹原にモダンアートチックな意味不明な物体がならぶ。


101121丹沢・塔ノ岳山頂塔ノ岳山頂が近づくにつれ、街の雑踏のざわめきのような音が聞こえる…そして最後の登りを登りきった山頂には…ギャー、なんだこの群衆は!
さすがお手軽で展望のよい人気の山だ…


101121丹沢・金冷しから鍋割山へ

13時7分に塔ノ岳に到着し15分ほど休憩して出発。日没まで3時間半弱。足にも疲労がたまり、鍋割山をまわって下りるにはギリギリの時間になっている。しゃあない、走るか、と山頂からの階段を登山者の列を横目にドタドタ駆け下りる。(皆さん、お騒がせしてすみませんでした。)

ほとんどの人は金冷しの分岐から大倉尾根を下る。そしてまた静寂の明るい尾根道が戻ってきた。走り疲れてうなだれながら黙々と歩いていると、時折、「こんにちは!」と山ガールの明るいかわいい声が聞こえる。嬉々として「こんにちは!」と顔をあげて応えるが、見ればその山ガールの後ろには、いつもむさ苦しい山ボーイ?が2、3人ぺったりとくっついている。

101121丹沢・相模湾遠望

この道は展望の道。左手には逆光の相模湾が広がる。海に突き出た真鶴半島が印象的。

101121丹沢・鍋割山から蛭ヶ岳

右手にはさっきまでとってもかっこ悪かった蛭ヶ岳が、それなりに凛々しく見える。

101121丹沢・鍋割山荘14時ちょうど鍋割山山頂到着。鍋割「山」と言うが、塔ノ岳からはほとんど下るだけだった。
ここの名物は鍋焼きうどん。残念ながら食べている時間はない。


101121丹沢・鍋割山から富士山

さて、山頂からの展望もここが見納め。じっくり景色を眺めていたら、ちょうど雲が切れて富士山が頭を出した。頑張ったご褒美だな。うん。

101121丹沢・鍋割山下山路の紅葉

鍋割山から駆け下る。しかしすでに足にきているので、思い切り走れない。こんなときストックが大活躍する。

下るにつれて紅葉が戻ってきた。夕日に照らされた木々が美しい。

101121丹沢・後沢乗越の紅葉

ねっ、きれいでしょ?

101121丹沢・後沢乗越下山にはこの後沢乗越を下りるのが近道だ。でも尾根にこだわる私は走って通過する。走っていると、傾いた夕日が木立の間からチラチラと私の顔を照らす。目がチカチカする。時間はあまりない、沈む夕日と競争だ。


101121丹沢・栗木ノ洞から塔ノ岳

伏兵現る。栗ノ木洞へは100mの登りがあり、地図を見て知ってはいたがなにも気にしていなかった。しかし、いわゆる「ヘトヘト」の状態にあっては本日最大の登りだ。なんども立ち止まっては後を振り返る。色づいた木々の向こうには、さっきまでいた塔ノ岳が見える。

101121丹沢栗木ノ洞山頂なんとか栗ノ木洞到着。つまらない人工林のなかのピーク。でも休憩。すでにヘトヘトを通り越して、「ヘトヘト」の最上級「ヘロヘロ」状態だ。


101121丹沢・くぬぎ山山頂

栗ノ木洞から10分ほど行くと櫟山(くぬぎやま)山頂。難しい漢字の山。でもなぜかくぬぎではなく、草原に松が生えている。空気はすでに夕暮れ。ここから道は細くなるが、ゴールの「寄」を示す道標はしっかりある。

101121丹沢・くぬぎ山の下り櫟山からは表丹沢らしい針葉樹林の急な下り。勘弁してくれ~


101121丹沢・林道ただただ無心に下っていると、ぽん、と道路に出た。林道を見ていつも思うのだが、こんな山奥にこんな立派な道が必要なのだろうか。
寄のバス停に行くには道路を渡って「土佐原」と道標で示された山道に入る。(「寄」って書いておいて欲しいな。)


101121丹沢・茶畑

真っ暗な針葉樹の森をひたすら歩き、壊れかけたゲートを3つほど越えると、茶畑の一角に出た。なんだか懐かしい気分になる山村の風景、と言っても私は山のあるところに住んだことはないが…

まだ日は沈んでいないはずだが、すでに太陽は山の端に隠れ、足元から夕闇が迫っている。でも、もう寄は近い、と思いきやここから道路までが遠かった…。ちなみに道標に「寄」が書いていないことがあるので、そのときには「宇津茂」のほうに進む。

101121丹沢・やどろいバス停16時20分ゴール!なんとか間に合った。寄のバス停に到着。バス停は道路からちょっと入った駐車場のようなところにある。
さてここで問題。「寄」はなんと読むでしょう?私のエアリアには「やどろい」と書いてあるが、「やどりぎ」と書いてある本もある。どっちだろう?木に登って遊んでいる子供に、聞いとけばよかった…


ひとりでビールで乾杯していたら10分くらいでバスが来た。運がいい。ビールを飲んでいるうちにもう1時間くらい歩ける気がしてきた。今度はどこへ行こうかな…

参考

アプローチ:
橋本駅北口 1番乗り場6:20-(バス橋1系統)-6:53三ヶ木6:55-(バス三56系統)-7:07焼山登山口
休日に焼山登山口に行くバスは1日2本しかない。朝から登るには選択の余地なし。

コースタイム:
焼山登山口7:20-8:36焼山8:45-9:33園地避難小屋9:43-10:43地蔵平10:53-11:12蛭ヶ岳-11:53不動ノ峰12:03-12:30丹沢山-13:07塔ノ岳13:21-14:00鍋割山14:10-14:53栗ノ木洞15:00-16:20寄

(丹沢主脈縦走、完)

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