ロングコース~丹沢主脈縦走(1)
11/21 焼山登山口~焼山~姫次~蛭ヶ岳~塔ノ岳~鍋割山~寄
いつもこの週末は室堂で初滑りなのだが、同行者の都合で今年は行けなくなってしまった。どうしよう…天気が良さそうなので、久しぶりに丹沢に歩きに行くことにした。
ターゲットは未踏の焼山からの丹沢主脈と鍋割山を結ぶコース。距離は25km以上あり、エアリアでは12時間弱のロングコースだが、そんなにのんびり歩いたら日が暮れてしまう。リミットは日没16:30。休憩も含めておよそ9時間半で歩きとおさなければならない。ちょっとしんどそうだ。でも、1年に1回くらいは自分がどれくらい歩けるか試すのもよかろう。
本しかないので、絶対に乗り遅れてはいかん。バスから津久井湖など眺めているうちに、終点の三ヶ木に到着。ここはバスターミナルのようになって、月夜野行きのバスに乗り換える。始発のバスは冷えていて寒い。乗客は登山者らしき2人を合わせて、全部で4人。
ところで丹沢の地名は読みにくいものが多い。「三ヶ木」と書いて「みかげ」と読む。
7時15分、焼山登山口バス停に到着。時刻表では7時7分のはずだったが…まあ、細かいことはどうでもいいや。登山者らしき乗客もここで下りる。バスはお客さんひとりを乗せて去っていった。
荷物を整えて7時20分出発。それにしても他の登山者に比べて私の日帰り装備はでかい。こんな山にビバーク装備を持ってくるのは私くらいか。いつも真剣勝負(?)
すぐに登山口道標が現われ、右手の植林された薄暗い尾根をずんずん登っていく。
陰鬱な人工林にうんざりしてきた頃、標高650m付近で広葉樹の林にでる。隣の稜線から朝日が顔を出し、逆光に光る紅葉のトンネルが続く。こういうのを求めていたんだ。
ここは楓が多い。それも今がちょうど見ごろ。
紅葉の道を満喫していたら、また陰鬱な人工林に戻ってしまった。丹沢だからしょうがないか…汗をかきかき、わき目もふらず無心に歩く。
山頂は林の中で展望がない。しかし工事の足場のような無粋な展望台が建っている。とりあえず上る。
螺旋階段を上った先には、北から東向きの展望が広がっていた。朝日にきらめく宮ヶ瀬ダム。ゆっくりと景色を眺める。それにしても遠くから響いてくるバイクの音がうるさい。1台のバイクが、山でのんびりと過ごす多くの人の気分を台無しにする。
それにしても雲が厚いのが気がかり。天気予報は晴れだと言っていたのに。
焼山からは上り下りの少ない整備が行き届いた歩きやすい道が続く。さすが東海自然歩道。明るい広葉樹林と針葉樹林が交互に現われる。良く言えば穏やかで快適な道。言い方をかえれば極めて単調。
黍殻山への道に入ったとたんに道は細くなる。と言っても普通の登山道程度。
黍殻山山頂。山頂は林の中。展望はない。山頂を示すのはこのプレートのみ。そして、大きな気象観測装置があった。休むことなく下山する。
園地避難小屋への道標があったので、行ってみる。ちなみに私の古い地図では「黍殻避難小屋」になっている。避難小屋は森に囲まれた草原の向こうにあった。この草原が園地に違いない、とひとり納得する。
小屋はぼろいが、手入れが行き届いて清潔である。小屋の横で朝食のために買ったおにぎりを食べる。
小屋から緩やかな登りが続く。どこから登ってきたか知らないが、何人も登山者を追い抜く。雪も出てきた。こんなところでももう雪が降るのか。
突然、目の前が開け、青い空と山並みが見える。姫次(ひめつぐ)だ。標高1430mで丹沢主稜方面に開け、蛭ヶ岳や檜洞丸、大室山が見渡せる。最高の展望スポットだ。どこから登ってきたのか知らないが、おばさん達が元気に談笑していた。彼女達には熊鈴は不要だろう。
ここ姫次で東海自然歩道と別れて蛭ヶ岳へ向かう。ゴージャスな道とはおさらばだが、蛭ヶ岳への道もきちんと整備されている。正面に蛭ヶ岳を見ながら下り始める。かなり下る。もったいない。
小さな沢が入り組んだ複雑な尾根をひとしきり下り、原小屋平に至る。この広く穏やかな稜線には、森に囲まれた小さな草原が点在し〇〇平と名前がついている。休憩するのにちょうどいい。また、このあたりは意外と苔が多く、明るいながらも深山の雰囲気を漂わせている。
秋枯れの木々の間にあって、しっとりと濡れた苔はみずみずしい緑色に輝いていた。
道は広葉樹の林に続く。落ち葉が厚く積もり、ところどころ道がはっきりしないところもある。形、色、様々な落ち葉をザクザクと踏みしめながら先を急ぐ。
地蔵平から蛭ヶ岳への本格的な登りが始まる。これを登れば今日はもうたいした登りはないはず。それにしても11月も終わりに近いというのに、なんて暑いんだ。フリースのジッパーを思い切り下ろして、汗を拭きながら黙々と階段を登る。振り返れば、今朝の曇り空がウソのようなすがすがしい景色が広がっていた。
今日歩いた稜線、そして一昨年歩いた大室山や檜洞丸からの稜線(こことここ)、そしてこれから歩く鍋割山への稜線をひとしきり眺めて出発する。
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…