クスコから伝説の道をプーノ~ペルーの旅(14)

5/3 クスコ~アンダワイリーリャス教会~ラクチ~ラ・ラヤ~プカラ~プーノ

前回の続き)

インカ神話の一つによれば、初代インカ皇帝マンコカパックは、太陽神の手によってチチカカ湖の太陽の島に降り立ち、そして彼は北上の旅を続け、クスコに至りインカ帝国を建国したと伝えられている。
史実によれば、逆に、クスコで興った都市国家が勢力を南に拡大し、チチカカ湖周辺地域を征服したとされている。
いずれにせよ、クスコからチチカカ湖に至る道は、インカ帝国の興隆の伝説の道であることには違いない。

今日は、この道に沿ってチチカカ湖湖畔の街プーノへ向かう。

5時半に起床。寝不足か酸欠か後頭部が重い。
パンとチーズとシリアルを胃に押し込んで宿をでる。起き抜けに機械的に食料を胃に押し込めるのは、学生時代に身につけた特技。
今日も快晴無風。そして肌寒い。

190503インカ・エクスプレス

プーノまでの移動はバス。インカ・エクスプレスの運行する観光バス。
朝の7時にクスコを出発し、およそ10時間後にプーノへ。英語ガイド付き、昼食付、いくつか観光地を回るので観光できるし、見たくなければ寝ていてもいい。勝手に目的地に着く。
なんて自分らしくない手抜きな旅だ。でもいいのだ。たまにはのんびり旅をしてもいいのだ。

190503アンダワイリーリャス教会

クスコから長い坂を登り、乾いた田園風景の中を走る。最初にたどり着いたのはアンダワイリーリャス教会。
小さな教会。ああっ、祭壇の上部の太陽のモチーフの中に「クイ」が。ここまでやるか。

190503教会の屋台

教会の前にはいくつか屋台が出ていて、ガイドさんは朝食タイム。牛の足の煮込みを食べていた。ちょっと食べてみたい...

190503ラクチ遺跡

広がるトウモロコシ畑の真ん中に巨大遺跡あらわる。日干し煉瓦を積み重ねて造られた壁、「ラクチ遺跡」。建造当時は巨大な建築物で、この壁はその背骨にあたる中央の部分らしい。
遺跡の横の山稜にはインカ道が通り、それに沿って防壁が残っているとのこと。ここは、南進するインカ帝国とそれを阻もうとする南部部族の衝突の最前線だった。

190503ラクチ遺跡の奥に進む

奥にはより小さい建築物の遺跡が並んでいる。
横には復元された倉庫があるのだが、立ち入り禁止。なんでも、遺跡からでたらめに復元してしまったので、元に戻しているとのこと。いかにも南米らしい。

190503ラクチの牛

遺跡と畑の境界が不明である。

190503ラクチの土産屋

遺跡だけでなく土産屋も並ぶ。細々とした民芸品が多い。チェス盤にちょっと惹かれる。

再びバスに揺られる。

190503昼食

小さな町のドライブインのような建物でランチ。ペルー料理のビュッフェ。おおお、肉が硬すぎる。野菜をたくさん食べよう。キヌアが盛り放題だ。

お腹いっぱいで眠たい。
バスは、苦しそうに唸りながら長い坂を登ってゆく。だんだんとトウモロコシ畑が消え、草原に代わってゆく。周りの山々からも木々が消えていく。

190503ラ・ラヤの鉄道駅

坂を登りきったところにあったのは、この旅の最高点「ラ・ラヤ駅」標高4335m。雪を抱いた岩山、広がる草原、完全に高山地帯だ。
ちょうど列車がホームに入ってきた。クスコからプーノに向かう豪華列車。1人10万円くらいするらしい。私は同じルートを10分の1以下の料金のバスの旅。列車にはどんな人が乗っているのだろう。

190503ラ・ラヤの土産屋

ここにも土産屋はある。しかし、特別な景色の中でちょっと特別に見える。

190503プカラの教会

赤茶けた小さな町。プカラ。ここにプレインカの遺跡がある。
ボロい教会があった。危険なので立ち入り禁止...残念。ボロすぎた。

190503プカラの境界の門柱

教会の狛犬?

190503プカラ遺跡

肝心の遺跡はどこだ?と、土産物の屋上に上らされ、そこから眺めるのがプカラ遺跡。ピラミッドの跡らしい。
あそこまで行ってみたいが、その自由はない。ツアーのつらいところ。

190503プーノ目前

太陽ははるか地平線に触れようとしている。なにもない赤茶けた大地が広がる。物憂げな景色の中をバスは無心に走り続ける。車内にも物憂げな空気が漂う。
車窓からこんな何でもない景色をぼんやりと眺めるのが好きだ。世界の南の果てに向かうバスから見たパタゴニアの風景や、氷河と火山が作り出したアイスランドの氾濫原と今までの旅が次々とフラッシュバックする。

190503チチカカ湖とプーノ

しばらく黙っていたガイドさんが突然起動。チチカカ湖が見えた、そろそろ旅が終わるとのアナウンス。なぜか乗客はウォーという歓声とともに拍手。
眼下には夕日に照らされた巨大なチチカカ湖、そしてその湖岸には大都市プーノ。富士山より高いところにあるが、22万人も住んでいる。

ターミナルに到着した時はもう真っ暗。ガイドさんは、プーノはペルーでもっとも安全な街だと言っていたが、用心するに越したことはない。タクシーで行こう。
タクシーは、きちんとタクシー乗り場に並んで乗客を待っていた。クスコとはえらい違いだ。料金も決まっているらしい。ドライバーも礼儀正しい。
街もきれいで落書きも少ない。ペルーで一番安全というのは本当かもしれない。

190503ペルー料理レストラン、マス

宿に着いてすぐにGoogle先生からご神託を受ける。創作フレンチの店があるらしい。ちょっと高そうだが行ってみた。
チチカカ湖名物のマスのロースト。ソースがペルーの伝統的なハーブを使っているとのこと。なかなかうまい。ワインだって行っちゃうよ。高いけど。

190503デザート

デザートもオサレ。ここにもペルーのハーブ。

次回に続く)

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