荒ぶる山~大菩薩峠・小金沢連嶺(2)
10/20 上日川峠~大菩薩峠~牛奥ノ雁ヶ腹摺山~大蔵高丸~大鹿峠~景徳院
(前回の続き)
12:15、湯ノ沢峠に到着。これから後半戦に入る。
湯ノ沢峠には、避難小屋やトイレがあるらしいが、峠自体は背の高い笹藪に覆われていて、辺りの様子は全く分からない。
笹藪を抜けると柵が出現。鹿よけだろう。
柵の扉を開けて入ると、そこは広々とした草原だった。「湯ノ沢峠のお花畑」と書いてある。たぶん晩春から初夏にかけて色とりどりの花に覆われるのだろう。今は想像するしかないが...。
花畑を抜け、広葉樹林をひと登りすると、草原のピーク、大蔵高丸の山頂に到着。ここで、本日初、対面からの登山者とすれ違った。
それはそれでいいのだが、どうも雲行きが怪しい。空を覆う鉛色の雲は、積乱雲の乳房雲のように見える。先を急ごう。
と、そのとき、帽子のつばに「ボトッ」と何か落ちてきた。鳥の糞かな?いやだな~。
鳥の糞だと思ったものは、バラバラと勢いを増して降り注いできた。雹だった!バラバラと頭や体やザックに、1cmくらいの氷の塊が打ち付ける。
とりあえず樹林に逃げ込もうと、走り続ける。と、ザーッと視界を閉ざすような雨も降ってきた。雨と雹が同時に私を打ち据える。踏んだり蹴ったり、泣きっ面に蜂とはこのことか?雨具を着て、ひたすら先へ先へと走り続ける。荒ぶる山から逃げるには、走るしかない。
ハマイバ丸を越えると雹はやんだ。ガスに包まれた樹林は、ロード・オブ・ザ・リングの樹の精でも現れそうな雰囲気だ。
本日最後のピークらしいピーク、大谷ヶ丸。雨も止んだので、ザックを下ろして、ピーナッツチョコレートとドライフルーツをかじりながら、ゆっくり休む。
樹林の中の細い道を走っていると、突然広い切り開きと出会う。防火帯のようだ。どこまで続いているのだろう、走りやすそうだな~、と思わず引き込まれそうになるが、心を鬼にして、細い道を走り続ける。
落ち葉がやさしい、走りやすい道を走り続けると、大鹿峠。今日はここから下山。普通、峠ならば、道がクロスしているはずだが、ここはそうではないので少しわかりにくい。右は崖である。
峠に立っている汚れた地図にしたがって、峠から少し戻って登り返す。
登り返したところから、西に向かって尾根を下る。思い切って走りたいところだが、埋もれかかったピッチの狭い階段が随所にあって、つまずいたり滑ったりして、全然スピードを上げられない。こんなのいらないのに。
道はどこだ?
あまり使われていない道なのか、ところどころ半藪である。
暗い針葉樹林の合間から、赤い屋根が見えてきた。今日のお勤めはほぼ終了。
民家の庭らしきところに出て、登山道は終了。朝、バスで通った道を10分ほど登り返して、今日の温泉、田野の湯に到着。
田野の湯は、福祉センターに併設された温泉で、一般客の入浴は早い時間で終わってしまう。受付の横ではお年寄りたちが歌を歌っていた。
田野の湯の正面にあるバス停でバスに乗り、甲斐大和の駅への戻る。
何か食べたかったが、駅前には何もなかった。
参考:
上日川峠9:17-10:09石丸峠10:14-12:15湯沢峠12:30-12:42大高丸12:50-13:47大谷ヶ丸14:52-15:30田野の湯
(小金沢連嶺 完)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…