世界遺産、雪の平泉へ~大沢温泉、平泉(2)
2/13 大沢温泉~平泉(毛越寺、達谷窟毘沙門堂、中尊寺、高舘義経堂)~東京
(前回の続き)
朝。寒い。この廊下と部屋を隔てるのは障子のみ。大沢温泉の自炊部はいわゆる湯治場でかなりオープンなつくりになっている。そして、宿泊は部屋のみが基本で、そこにオプションとして炬燵やストーブ、布団などがつく。もちろんオプションは別料金。シュラフを持っていたので、ぎりぎりケチって炬燵のみお願いした(宿の人も驚いたかも)。
案内板を見ながら半露天風呂の大浴場「豊沢の湯」に行く。宿の建物はいくつもの建物を増築してつないだような構造になっていて、まるで迷路のようだ。案内板がないと迷子になりそう。
豊沢の湯は、夏は川に面した大きなガラス窓が外されて露天風呂になるらしい。今はガラスがはまっていて、景色はそのままだが内風呂になっている。ゆっくり温まる。
食事を終えて宿を出る。この木造の自炊部は築200年以上。宮沢賢治や高村光太郎も入った歴史ある温泉だ。
ホームの番線の掲示板にご丁寧に「温泉と賢治の里」との説明着き。
世界遺産だが、意外と地味な駅前。
駅のコインロッカーにシュラフやら安全靴やら荷物をしまい、10分ほど歩いて毛越寺にやって来た。雪の時期の平日、狙い通り観光客は少なく静かだ。天気もまずまずでベストコンディション。
「毛越寺」と書いて「もうつうじ」と読む。難しい。開基850年だが当時の伽藍は焼失している。私の近所のお寺とちがって、大泉ヶ池を中心とした広い庭園を抱えている。その大泉ヶ池は今は雪原になっている。
夏草や
兵どもが
夢の跡
1732年に再建された常行堂。宝冠阿弥陀如来をまつってある。が、その前のお坊さんの石像が気になる。
常行堂のつらら。なんかすごい。茅葺屋根のつららは茅の色。
実は中尊寺より達谷窟毘沙門堂を見てみたかった。それは…
これが達谷窟毘沙門堂だ!三仏寺投入堂ほどのインパクトはないが、岩から掘り出したかのようなお堂は面白い。坂上田村麿創建と伝えられるが、それが本当かウソかに関わらず、こんなものを作ってしまった人はなかなかのアイデアマンだ。
お堂の横にある岩面大佛。私のPCは「顔面大仏」と変換してしまうが、確かに顔面しかない。境内の解説には明治29年の地震で胸から下が崩落したとある。明治29年と言えば「明治三陸地震」が発生した年だ。釜石市の東方200kmを震源として、マグニチュード8超の地震が発生した。最高、標高38mまで遡上した大津波が三陸海岸を襲い、死者行方不明者2万人の甚大な被害をもたらした。昨日見た大槌と似た状況だったのだろう。大津波は決して想定外ではない。
反対から見た毘沙門堂。反対から見てもかっこいい。
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…