ハルピン市内観光、そして夜汽車でさらに北へ~中国・東北、漠河の旅(6)

12/29 ハルビン散策(ウクライナ寺院~極楽寺)~ハルビン東駅

(前回の続き)

091229ハルビンの霜今朝は暖かい。と言っても-17℃。一晩で車は雪のような霜にびっしり覆われる。

小汚いホテルの食堂で朝食を食べ、9時半頃、のんびりとホテルをでる。今日はハルビン駅の南側を観光したあと、夜行列車に乗って漠河へ旅立つ。


091229ハルビン朝の東風街

いつものように朝から道路は車でいっぱい。活気はあるが、少々騒々しく街は排気ガス臭い。いつものように太陽はかすみ、晴れているんだか、曇っているんだか分からない。

091229ハルビン化粧品の広告

とても寒々しい…

091229ハルビン駅のホーム1kmくらいありそうな、ハルビン駅の上にかかる長い陸橋を渡る。ハルビン駅のホームの屋根の列が見える。
このどこかで1909年10月26日、伊藤博文が安重根に暗殺された。が、どのホームだかわからなかった…勝手にホームに入ることもできない。


091229ハルビン駅長距離バスターミナル

ハルビン駅ホームから目を転じれば、長距離バスターミナル、そしてハルビン駅前広場。今日も忙しそうに人民が行き交っている。

091229ハルビン駅前で唐辛子をまぶした卵バスターミナルのわきで、煮卵を串に刺して、唐辛子の粉をまぶしたものを売っていた。
真っ赤な唐辛子を満遍なくまぶすのもどうかと思うが、卵を一気に4つも食べるのもどうなんだろう。食べたら体がほてるのは間違いなさそうだ。


091229ハルビン駅前氷像

駅前広場の一角に氷の城(寺?)があった。これもやはり建設中。1月5日の氷雪大世界のオープンに合わせて作成しているようだ。

091229ハルビン駅前地下ショッピング街駅前広場は氷像のある広場や市内バスのターミナルがある。その地下には、通路の先が見通せないほどの、巨大なショッピング街があって、食料品から日用雑貨、衣料品などを売っている。
風が吹き雪が舞い始めた。気温が下がってきているようだ。顔が痛い。地下街に逃げ込んで体を温める。ついでなので、列車でお茶を飲むための水筒を5元で買った。


091229ハルビン東大直街ハルビン駅の南側、東大直街も繁華街になっていて、デパートやホテル、銀行のビルが通りをはさんで並んでいる。
この通りに沿って、ウクライナ寺院に行こうと思ったが、大通りは風が吹き抜けるので、寒くて痛くてつらい…


091229ハルビン東大直街地下街東大直街に地下街発見!通りに沿って1kmくらい延びている。助かった…
両脇に並ぶ店は衣料品、アパレル中心。ミニスカートにダウンジャケット姿のギャルっぽい店員がいっぱいいた。髪を染めるのも珍しくないようだ。
平日の昼間なのに、時には人混みですれ違うのが難しいくらい、人が多かった。


091229ハルビン中学校

天国の地下街は終わってしまった。突き当りから地上に出ると、そこは中学校だった。私はニット帽をかぶってネックガードをして、目だけ出している。それなのに、素手でバスケをするあなた方はなんなんですか…

091229ハルビンウクライナ寺院

中学校の先で、地下鉄工事のため東大直街は通行止めになっていた。そして、地下鉄工事現場に囲まれて、ウクライナ寺院が建っていた。教会活動が行われているとのことだが、入り口にはかんぬきがかけられ人気はなく、この建物に注意を払う通行人もいない。

091229ハルビン地下鉄工事現場東大直街と南通大街が交わるところで地下鉄工事が終わっている。
そしてそこでは大きな黒い龍が天をにらむ。なんのためにここにいるんだろう。工事区域内にあるので近寄ることはできない。


091229ハルビン昼飯お腹も減ったし寒さにも絶えられないので、龍のそばの「一品郭記醤骨」に入る。「一番おいしい物」を注文したらこれがでてきた。ピーマンみたいな唐辛子と豚のばら肉、キャベツ、大根を醤油とにんにくと胡椒で煮た鍋だ。見かけはすごいが確かにうまい。
我々が日本人だと気付いた若い店員が、たどたどしい英語で、「ハルピンに来たときはいつでも来てください、私達はいつでも歓迎します。」と言った。う~ん、冷えた身に熱く沁みるぜ。


091229ハルビン極楽寺1

辛くて豚バラの油がこってりとした食事で体を温め、意を決して店の外に出る。ぬくぬくした室内から、-20℃に飛び出すには気合がいる。

交通量の多い東大直街をおっかなびっくり渡り、10分も歩くと極楽寺にたどりつく。極楽寺は中国東北4大寺院の一つで天台宗のお寺だ。雪が降っているためか、人影はまばらだ。

091229ハルビン極楽寺2

10元払って極楽寺の境内に入る。いくつもお堂があって、いくつもの仏像が安置されている。写真を撮ろうとしたら、撮影禁止だと怒られた。

雪が静かに舞っている。風の音さえない静寂の世界。ただ、お寺のおばさんが雪をほうきで掃く、サーッ、サーッと言う音がわずかに聞こえる。そのおばさんがニコニコといろいろ説明してくれた。聞いてもほとんど分からないんだけど…

091229ハルビン極楽寺3

極楽寺の東院には高さ37mの七級浮屠塔や、五百羅漢が並ぶお堂がある。西院と東院は通路でつながっているのだが、分からずにまた10元払ってしまった…

091229ハルビンマックカフェ極楽寺の奥には旧ロシア人墓地などもあるのだが、写真を撮っていた右手がもう限界。これ以上、外にいたら手が凍る。急いで近くのマックに逃げ込んだ。
マックカフェの大を注文して手を温める。8元なり。ハンバーガより高い。店内は若い人が多く、明るく清潔で賑やかだ。隣の席の女の子はアイスなんか食べている…

さて、これからどこへ行こう、とガイドブックを見たがほとんどの観光施設は4時に閉まってしまう。もう30分しかない。しかたないので、ここで夕食まで時間をつぶす。


091229ハルビンソフィスカヤ寺院バスでハルピン駅まで戻ろうとしたが、バスマップを持っていないので、どのバスに乗ればいいかわからない。適当に駅のほうへ行くバスに乗る。と、すぐ次の交差点であらぬ方へ曲り、線路を越えて駅の北へ行ってしまった。大いにあせる。
そして、降りたところにはなぜかライトアップされたソフィスカヤ寺院が…


駅の反対側の地街段でバスを降りた。ここを真っ直ぐ駅のほうに行けば、線路を越えられるはず。目を三角にして通りを突き進む。

091229ハルビン駅橋

なんとかハルピン駅横の、線路を渡る陸橋まで来た。ゴゴゴーッという地鳴りのような低い音が響いてくる。はじめ陸橋の下を通る列車の音かと思ったがちがった。陸橋は上は大渋滞で、車が隙間なく低速で走っている。その数え切れない車のタイヤが、厳しい寒さで砂のようになった雪をかむ音だった。

091229ハルビン大豊収1夕食は東北料理の有名店、「大豊収 龍江殺猪菜第一家」。

内装は壁もテーブルクロスも花柄の赤で統一されている。店員も同じ赤の民族衣装を着て、おさげ髪で、よく漫画でみる中国人の女の子のかっこをしている。店は賑やかで忘年会にちょうどいい。店員による歌とコント(人民服を着て毛沢東語録を持っている?)のライブもやっている。


091229ハルビン大豊収2おすすめの「大豊手収殺猪菜フイ(火へんに会)菜」を頼む。酸菜と豚の血の腸詰が煮込まれている。腸詰はちょっと鉄の味?がするがレバーほど臭みはない。さっぱりとしておいしい。
きゅうりの入った麺も頼んだが、これがコシがあって日本のラーメンそっくり。
そしてビールは、シグボトル、もしくは砲弾のような頑丈な1.6リットル缶、コップはどんぶりでびっくり。


ハルピン東駅に行くために、ハルピン駅でバスを探したが分からない。タクシーで行こうと車を停めるが、次々と乗車拒否。なぜ?行ってもいいと言っても100元だと言う(怒)。大量のビールを飲んだ体がどんどん冷え、列車の時間も迫ってきてあせる。

10台以上タクシーを止めて、やっと行ってくれるタクシーがあった。遠回りしながらノロノロと駅を目指す(怒)。それでも26元だった。でも降ろされたのは、暗くて狭い路地の入り口。「衛生具」の看板がある店がならぶ、真っ暗な小道を半信半疑で進むと、暗いハルピン東駅があった。

091229ハルビン東駅ホーム

インフォメーションでホームを確認し、お茶の葉と水を買った。改札を通りホームへ降りると、そこにはハルピン東発、漠河県行きk7041が停車していた。

列車番号を確認し、車内へ入ろうとドアの横にいる係員に切符を見せると、これはだめだと言う。この切符はハルピン発でここはハルピン東だそうな…。おいおい、もっと早く言ってくれよ。勘違いした俺も悪いが、インフォメーションではここだと言われたぞ。ブロークンチャイニーズ全開で、駅員がここだと言ったからここに来たんだ、と叫んだ。全く通じなかったに違いない、係員はめんどくさそうに、あごで「行け」という素振りをして、我々を乗せてくれた。

091229ハルビン軟臥客室乗ってしまえばこっちのもの。予約したのは初めての「軟臥」、つまり1等車だ。定員4人のコンパートメントで、柔らかいマットと、布団、枕、ハンガー、スリッパが備えられ、テーブルの下にはお湯の入った魔法瓶も置いてある。
21時20分、笛の音とともにゆっくりと列車が動き出した。漠河到着予定は明日の18時35分。長い列車の旅の始まりだ。


091229チチハル快適なベッドに転がり、ビールを飲んで早々に寝てしまった。
ふと目を覚ます。列車は停車し機関車の付け替えをしているようだ。カーテンをちょっとめくって外を見る。チチハルかな…とまたすぐ寝てしまった。


次回へ続く)

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