列車は北緯50度、中国最北の地へ~中国・東北、漠河の旅(7)


12/30 (ハルピン東駅)~漠河

前回の続き)

091230車内での朝

ぐっすり眠った。寒さを心配していたが、車内はどちらかと言うと暑いくらいで、布団をかけずに寝た。
目を覚ましてカーテンを開ける。二重窓の窓枠にに透き通った厚い氷が凍り付いている。車内は暖かいが、外は夜が明ける前の、すべてのものが凍る青白い雪の世界。

091230日の出

7時ごろ日が昇ってきた。正確に言うと昇ったのではなく、地平線を覆うもやの中から、徐々にオレンジ色の丸い太陽が姿を現した。

暖房の入っていないデッキにある寒いトイレに行く。床が凍っていてスリッパだとツルツル滑る。便器の穴の向こうの、後へ流れ去る地面めがけて用を足す。すると、ドライアイスのような白い湯気がもうもうと立ちのぼ
る。私がトイレを出ると、乗務員がやってきて、トイレにお湯をぶちまけ、凍ったものを融かしていた。

091230食堂車で朝食中国で初めて食堂車で食事をする。4人掛けのテーブルが並ぶ立派な食堂だ。饅頭におかゆ、塩辛い付け合せの標準的な朝食。うまくはない。15元はちょっと高い。

コンパートメントに戻ったら、ドアに鍵がかかっていたが、すぐ乗務員が開けてくれた。なぜ彼が常に廊下にいたか分かった。コンパートメントの乗客がすべて出払うと、彼が鍵をかけるのだ。


091230内蒙古自治区の村

外の景色は、雪原、針葉樹と白樺の林、煙突のある平屋の家並でほぼ語りつくされる。何時間見ていても同じだ。

091230ジャガタチ駅路線は黒龍江省を通る区間が長いが、一部内蒙古自治区も通る。その内蒙古自治区の加格達奇(ジャガタチ)に到着。大きな街のようで、アパートやビル、工場もある。列車に乗り降りする人も多い。


091230ジャガタチの煙突

加格達奇の工場の煙突。ここに限らず、煙突の煙がやけにモクモクしている。寒さのせいで水蒸気が湯気になりやすいのか、それとも単に煙を大量に吐いているだけなのか。

091230食堂車で昼食正午を過ぎて食堂車で昼食。4つくらいのおかずから選べる。適当に選んだら、湯葉と玉ネギの炒め物がでてきた。玉ネギが辛い、生だ…うまい、まずい以前の問題だ。

中国人の学生らしき一群がやってきて、食事の写真をデジタル一眼で撮っている。食べ物の写真を撮るのは私だけでないようだ。


091230低い太陽

正午になっても太陽は高くならない。1時を過ぎれば太陽は低く弱々しく、夕方の黄昏時のようだ。北緯50度にやってきたことを実感する。

091230切符預かり票列車に乗ると乗務員がやってきて、パスポートをチェックし、乗客名簿に記入する。そして、そのとき切符と切符預かり票を交換する。預かり票の裏にはこんな広告が。ちょっと怪しげな写真だが、革製品の店の宣伝のようだ。


091230塔河駅14時、塔河駅着。ここまで来るとロシア国境、黒竜江(アムール川)が近くなり、線路は国境に沿うように西へ進路を変える。
多くの乗客は降り、車内には静寂と長旅の気だるさが漂う。車内販売だけが、元気に通路を通り過ぎてゆく。でも目的地まであと4時間半も残っている。


091230霜に覆われたドア写真を撮ろうとデッキに出る。ドアは厚い霜に覆われていて、まるで冷凍庫の扉のようだ。そして私はその冷凍庫の中にいる。


091230漠河駅ホーム

18時30分、終点、漠河県駅に到着(地図はここ)。上下をスキーウエアで固め、靴下を履き替え、帽子とネックガードと手袋で武装して外に出る。思ったより多くの人が列車から降りた。外はそんなに寒く感じなかった。

091230漠河駅前駅前にはヘッドライトを向けた車がびっしりと並んでいた。まぶしくて前が見れないくらいだ。さかんに客を呼び込んでいて、ほとんどタクシーのようだ。漠河はひなびた田舎町ではないらしい。


ホテルから出迎えがきていた。中国語しか話せないおじさんだ。こちらも必死で中国語で受け応えるが、五分の一くらいしか分からない。おじさんはどんどん大声になるが、声を大きくしても、分からんものは分からん!
お前ら着ているものが薄着過ぎる、と、くどくど言っているのは分かる…

091230漠河夕食腹が減ったのでレストランに連れて行ってもらう。ガラスケースの中の食材を選んで注文する。メニューが無く、値段を聞きながら適当に注文した。味はまあ、無難な田舎料理レベル。

が、やられた。

請求書は注文したときの値段と一桁違う。文句を言ったら、客が集まってきて、「日本人○×△」と騒ぎ出し、騒然とした雰囲気に。おっさんもぐるだな~。くそ~、負けた。悔しいが言い値で払った。


値段が書いてないものは、事前に書き残しておくこと!

授業料は高くついた…私のような犠牲者を出さないために、店の名前を書いておきたいが、長くて憶えられなかった。確かxxx头骨館だったような。

091230北極村天気予報怒り覚めやらぬままホテルへ。オーロラを見に来たはずだが、ホテルの窓は氷が張って外が見えない。部屋に入って温まってしまうと、-30℃、極寒の戸外には出れない…なんかどうでもよくなって、天気予報を見て横になった。明日行く北極村はかなり寒そうだ…
ホテルの壁が薄く、酔っ払いが大騒ぎする音でなかなか寝付けなかった。


次回に続く)

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